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読書note-7
「セカンド・ショット」
川島誠
角川文庫
203頁
「800」を読んで、物語の疾走感に良い気持ちになりました。で続けて手に取ったのが「セカンド・ショット」。表題の「セカンド・ショット」を含む9編の短編集。「800」の中で二人の対照的な登場人物を見事に書き分けていただけに、この9編も同一人物の作品とはなかなか思えないほどバラエティに富んでいます。その中でいくつか気にいった作品を簡単に紹介します。
「サドゥン・デス」「セカンド・ショット」は、大会系の男子高校生が主人公。なので「800」と同じような将来なんか何も考えていない、今を存分に楽しもうとする若さが随所に感じられます。「若さ=馬鹿さ」だったなぁと若い頃をふと思い出してしまいます。
「電話がなっている」は、静けさが漂う中に電話の音が印象的な作品。読み進めていくうちに物語の全容がわかっていきその結末に驚かされる実はSF作品でした。ハインラインのような暖かな日差しを感じました。
著者の川島誠さんは1956年東京生まれ京都大学文学部卒。学生時代を京都で過ごされたようですが、文章からは東京の香りは感じましたが関西の香りは感じられませんでした。
実はあと2冊買ってあります。また読む予定です。