読書note-2
「ばいにんぶるーす」
阿佐田哲也
小学館文庫
言わずと知れた「麻雀放浪記」の阿佐田哲也さんのピカレスク小説。実は数年前梅田のジュンク堂書店で購入して一度読了していたもの。カバーは家のどこかにあるはず。でも探すのが面倒なのでこのままにしときます。
この作品を読むと阿佐田哲也さんがどれほど沢山の種類のギャンブルに精通していたかがわかります。競輪競馬競艇オートレースはもちろんのこと、闘犬、ゴルフにほん引き。挙げ句の果てには有名人が誰か死ぬことにまで賭けてます。明らかにギャンブル中毒!
そんなギャンブル中毒が躍動し、命の次に大切な金を賭けて争います。負けてすっからかんになれば退場!ルールはそれだけでいたってシンプル。
麻雀放浪記の登場人物たち同様、この作品の登場人物たちも世間の尺度は関係なくギャンブル場でのルールに則り動きます。そこにはある種の潔さ、美しさがあり、僕は好きです。そんな壊れた奴らですが暴力的ではないのが阿佐田作品の特徴。そこもまた好みです。
久しぶりに麻雀放浪記も読みたくなりました。