土の歴史の物語『ラタナキリブルー』世界唯一のブルージルコンを探して‐前編
女性なら一度は身に着けたことのあるジュエリー。意外と知られていないジュエリーを身に着ける起源とは、「魔除け」の意味がありました。
その中でも「ジルコン」はいくつか世界最古の遺跡で出土し、宝石と縁のあるユダヤ伝説にも「守護天使」の名で登場する魅惑の宝石です。
ジルコンの名前の由来は、アラビア語で「赤」を意味する「ザルクン( zarkun )」、または古代ペルシャ語で「金」の「ザル( zar )」と「色」の「グン( gun )」の組み合わせとされているようです。実際、その色は黄金に輝くはちみつ色から、白、青、黄緑色と多色です。
純粋と無垢を象徴する伝説の石
「ジルコン」について最初に言及されているのは、古代インドの「劫波の木(カルパ・ツリー)」の物語の中にあるといいます。神への究極の贈り物としてヒンドゥーの詩人が描いたカルパ・ツリーには、葉にジルコンがちりばめられた明るく輝く木を意味していました。
●ユダヤ伝説では、『火のような星明かり』
●アダムとイブが登場する『エデンの園』では「守護天使」として彼らを監視存在
●聖書にはエルサレム城壁の土台に埋め込まれた宝石のひとつ
人々の信仰とともに登場する宝石は、古代の人々にとって自然からの贈り物である宝石を「神秘的な存在」として超自然的な力を備える護身符的な役割を意味していたようです。
知恵と名誉と富をもたらすジルコン
ジルコンは、「キュービックジルコニア」(安価なダイヤモンドの合成品といわれることもある)と誤る人もいるようですが、異なります。
ディスバージョンと呼ばれる宝石のプリズム、光がダイヤモンドに近しい紛れもない宝石のひとつで16世紀にはイタリアの職人がこぞってジルコンを用いた装身具をデザインし、その知名度は劇的に広がりました。身に着けた人に知恵と、名誉、富をもたらすと言い伝えられ、1880年代には珍しいブルージルコンが多様され、ジルコンの輝きが失われると危険が迫る前兆ともいわれたそうです。
唯一のブルージルコンが採掘される山 カンボジア「ラタナキリ」
みなさんは、宝石が地下約4.5メートルの沖積層から採掘される宝石は、地球の歴史、土の中から生まれた自然の産物であることをご存知でしょうか。
一説に、西オーストラリアで発見された小さなジルコンの欠片は、地球上で現在知られているなかで最も古い物質で、44億年前のものだといわれています。地球が誕生したのはその1億5千万年足らず前のことであれば、その歴史は最古の物質といっても過言ではないのかもしれません。
(ちなみにダイヤモンドは33億年前のものだといわれているようです)
地球の誕生からその大地とともに歴史を刻んできたジルコン。中でも最も世界最高品質の『ブルージルコン』を産出するのがカンボジア「Ratanakiri(ラタナキリ)州」。ラタナキリは、カンボジア語で「宝石のとれる山」を意味したそうですが、戦争で大地の恵みは取りつくされたとの声も聞かれていました。
手つかずの宝石の山
ジルコンの採掘はラタナキリ州の州都バンルンから30キロメートル余りのボー・ケオ近郊、ベトナムの国境沿い密に行われている採掘は、地元警察と地主の繋がりもあり、その情報は限られていました。
訪れたことがあるという人の声と情報によれば現在も手作業で採掘が行われているといいます。ブルージルコンは、カンボジアの首都・プノンペンの宝石商からも購入ができますが、その魅惑の大地を知る人間は、ごくわずか。
実際に採掘所に足を運び、数あるブルージルコンの輝きを目にすることは少ないと分かり、プノンペンから車で10時間を経て、実際に現地に赴くことになりました。
そして後編に続きます
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