【 ガラスペン 】清らかな水の流れに手を任せる書き心地。ガラス工房焱(ほのお)・菅清流さんの『加茂の流れ』 / "Kamo no Nagare" glass dip pen made by Mr.Seiryu Kan the glass atelier Hono in Kyoto, Japan.
先日のナニワペンショーでは
ガラスペンの抽選に外れてしまいましたが
実はもうひとつ、いつか手元にと思っていたガラスペンがあります。
それは
ガラス工房焱(ほのお)さんのガラスペンです。
ガラス工房焱さんは京都の北白川という場所にあります。
車道の両脇の緑が心地よい、京都芸大の近く。
ネットで調べたところ、
定休日が確認できなかったこともあり電話で尋ねると
「今は品数が少ないけれど」とのお話でしたが
注文などもお願いでき、また試筆ができるということと
自分で体感できることが決め手になり、
伺うことにしました。
こんな清らかな流れになら
身を委ねるのもいいな、と思うくらいうっとりする
透明感あふれる逸品です。
今回の出会いでこれまで気にも留めなかった、
むしろ避けていた部分を
これほど自分が重要視するようになるとは
想像していませんでした。
無事工房に到着し、テーブルの上に並ぶペンを前に
硝子職人の菅清流(かん せいりゅう)さんのお話を伺いながら
試筆をさせていただきました。
お話によると、
「ガラスペンそのものの重みに任せて書くのが良い」とのこと。
前重心になっていると、
ガラスペンの先にペン本体の重さがかかって書きやすくなるらしい。
その分後ろは重心がかかりにくいように
細く仕上げているのだそう。
これまでは華奢なデザインが好みだったこともあり
手持ちの万年筆などは小さかったり細いものばかり。
かつても職人さんのガラスペンを見た印象に
「透明感がある」「美しい」はもちろんですが
「意外と太い」と感じたことを思い出しました。
もちろん耐久性を考慮している部分もあると思うのですが、
この太さも相まって、持つと感じる少しの重みが新鮮。
そして何より、リラックスして持てることに驚きました。
重みがある分、ペンの軸が手の中で安定する感じ。
筆圧を自分でかけなくていい、というのは
この重みのおかげなのかと推測する。
候補だったものよりも少し細身の
ガラスペンも試筆させていただいたところ、
細い分だけ軽くなり
軸がブレやすい → しっかり持つ → 手に力が入る → ガラスが欠けないようにと緊張する → 疲れる
ことに気づきました。
細さは手持ちのペンに近いものだったのですが
こちらだと持つ手に力が入りすぎて
うまく紙に書けないほど。
この流れを一瞬で手が理解したおかげで、即決でした。
重さや軸の太さが手に合うかどうかは個人差があるとのこと。
自分の手がしっくりくる感覚はやはり
自分にしか分からない部分です。
ガラスペンの先が紙の上を走る音も心地よく、
リラックスして書いていたせいか
気づいたらA4用紙一枚を
フローリッシュで埋め尽くしていました。笑
購入できる3本のうちの1本が
偶然にも気になっていたガラスペン
「加茂の流れ」の透明色。
澄んだ水の流れを思わせる透明感に見惚れてしまいます。
少ないながらに手に取れたことに
運命を感じました。
試筆の中で体感した
重みや太さも私の手にちょうど良く感じ、
ついについに!購入に至りました。
欠けてしまったり太さを相談したい時は、
なんと永久修理補償があるようです。
製品を愛用したい身にとっては
お世話になる事が少ないようにしたいけれど
こうしたサービスがあるのは大変安心で、ありがたいです。
これからますます美しいものを発信する相棒として
大切に使いたいと思います。
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Finally, I got the "Kamo no Nagare" glass dip pen made by the glass atelier Hono in Kyoto, Japan.
This glass pen is a fascinating piece.
I tried writing while listening to the story of Mr. Seiryu Kan. He is a glass craftsman.
He said that "it is better to write leave it to the weight of the glass pen itself".
The weight of the pen body will be applied to the tip of the glass pen, making it easier to write.
It seems that it is easier to write by making the back thinner.
I was surprised to be able to relax and hold the glass dip pen. The weight stabilizes the pen shaft in your hand. I think this is the reason why you don't have to apply pressure yourself.
The thin glass pen is light, so the shaft tends to shake when writing. I noticed that my hands were more tense and tired than a thick glass pen.
It is said that there are individual differences in whether the weight and thickness of the shaft fits in the hand.
The feeling that your hands fit snugly is something that only you can understand.
The sound of the tip of the glass pen running on the paper was also pleasant, and when I noticed that I was writing relaxedly, I filled a sheet of A4 paper with Florish.
The transparent color of the glass pen "Kamo no Nagare", one of the three that happened to be sold at the store.
I was fascinated by the transparency like the flow of clear water. I felt destined to get it.
It seems that you can consult when you need to repair the pen tip.
I would like to continue using it for beautiful work production.
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使用したもの
ガラスペン:
ガラス工房焱(ほのお)
加茂の流れ
用紙:
SAKAEテクニカルペーパー
iroful /イロフル A4サイズ
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iroful / イロフル の動画にてカリグラフィーを担当しました。動画はこちら
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