あなたのために私はどれだけ捨てられるだろうか

自分にとって推しは唯一で特別な存在だが、推しにとっての自分はたくさん居る交換可能なパーツの一つでしかない。
私が応援して人気になればなるほど、彼女にとっての私の存在価値はどんどん小さくなって、厄介なオタクである私はいつかきっと見捨てられてしまう。
彼女は感情労働をしている。私の理想の姿を演じるだろう、本心はきっと私には分からない。彼女にとって私が必要無くなったとき、私を顧みてくれるかは分からない。だから最悪の事態を想定すべきだ。
私は彼女の夢のために身を削る。いつしか人気になって成功するだろう。そうしたらボロボロになった私はボロ雑巾のように捨てられてしまう。きっと彼女は素敵な人と結ばれる。そして私は野垂れ死ぬんだ。
それでも私は幸せに思わなければならない。好きな相手のために行動していた日々は充実していたはずだ。人生に生きる意味を与えてくれた。彼女のためにこの命を捧げられたのだから。
けどそれはちょっと出来ないや、キリストだって磔になって死ぬ時に「父よ、どうして私を見捨てたのですか」と叫んでいる。キリストにだって出来ないことを私に出来るわけがない。その最後の日が来たらきっと私は喚き散らすだろう。
一つだけ願い事が叶うなら、私が死んだら墓参りに来て欲しい、そして嘘でも良いから涙を流して欲しい。そうしたら私の魂は救われるんだ。

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