Bottled Localについて
ネーミングについて
ふと閃いた言葉です。直訳すれば「ボトルに詰めた地域」
日本語として成立しているような成立していないような。思いついた自分でもなんだか微妙な言葉だなあと。
普通に言えば「Locally Bottled」とか「Local Bottle」などとして、地域で詰め込みました、とか地域をたっぷり感じられる飲み物、とかそんな感じが文法的にもあってるような気もするけど、あえてのボトルドローカル。やっぱり、何はともあれ主体はローカル(地域)!ということだと思います。
クラフトジンを販売するにあたっては、そんな自分の潜在意識を反映したようなワードにしてみました。きっとこのひとクセあるネーミングが、クラフトジンのように徐々に馴染んでくるんだろうなぁ。
豊かな筑後テロワール
Bottled LocalのECサイトTOPページにもありますが、筑後エリアは九州の中でも農林業が盛んなエリアです。特に久留米市は東部の田主丸エリア、北野エリアを中心に福岡県内第一位の農産物生産量を誇ります。「道の駅くるめ」はその豊かさを感じることができる場所のひとつ。いつ行っても新鮮な旬の野菜や果物が朝からずらっと並びます。柑橘類は季節で異なるものがいつでも数種類は並んでます。
巨峰は発祥の地ですし、柿やイチヂク、梨やイチゴなどなど上げ出せばキリがない。西洋野菜などの珍しい野菜もあります。
また筑後川の南側、筑後エリア中央に位置する耳納連山は豊かな森林とそれに伴いキレイな水が湧き出ます。その水は筑後川や南側に位置する星野村や八女市を流れる矢部川に注がれていきます。
河川は上流域の肥沃な土壌を下流域に運びます。特に筑後川は日本三大暴れ川の一つ、別名筑紫次郎とも呼ばれます。次郎は度々氾濫を繰り返し、その度に災害に見舞われ甚大な被害をもたらしますが、同時に大分県の山々からの豊かな土壌も運びます。被害と同時に恩恵も受ける。河川とうまく共存することが筑後エリアの生活のベースとなってます。
北は背振山、南は耳納連山に囲まれた筑後平野は盆地のようになっており、夏は暑く冬は寒く、放射冷却現象が1日の中でも大きな寒暖差をつくる。そんな特徴的な気候と水や土壌などの自然環境が多様性のある筑後テロワールを生み出します。
筑後テロワールがもたらす豊かな資源は多様な産業にもつながります。伝統工芸品にも登録されている久留米絣や八女の仏壇、提灯などから近代ではブリヂストンやムーンスター、アサヒシューズなどのゴム産業が生まれ、エリアの伝統や文化、生活が成り立っています。
明るい未来に向けて
そんな筑後エリアにも人口減少の波が押し寄せています。今はまだ大きな問題にはなっていませんが、20年先を見れば豊かな地域資源も消滅の危機に直面する。現在の延長線上にある未来は結構厳しいと思ってます。
例えば毎年のように起きる大雨による被害。山間部や平野部などの農業従事者は高齢化も進み、大雨により荒らされた田畑の再興を諦める方々もいらっしゃいます。人口減少により担い手が減っていく。技術承継も厳しくなっていく。行われていた祭りや地域の行事が行われなくなった。などなど人口減少による影響はボディブローのように徐々に地域を弱体させていきます。どんなに良いものでも、やっぱり健全な社会経済がなければ淘汰されていく。そんな事例は全国にも山ほどあると思います。どんなに大きな都市も今の延長線上には今の経済を支えられる人口はいなくなり経済システムと現実の間にギャップができてくるはずです。実際はもっと複雑で、そんな単純な話ではないと思うけどシンプルに考えるとそうなるはずです。そういう意味で限界集落とか過疎地域とか言われている地域は街の未来の行先を映し出しているとも言えると思います。
環境変化に対応し、より良い未来に向けてやれることをマクロ的に考えれば、関係人口を増やすとか、移民を受け入れるとか、外の経済圏からの外貨を稼ぐとか色々あると思います。そんなことも色々考えて実行した上で、やっぱり一番大事にしたいのはミクロな視点で今日、今できる何かをやる、やり続けることではないかと考えます。ボトルドローカルで表現したいことも長く大きな視点というよりも、足元の今を大切にしていくこと。一人一人の行動の重なりが全体の流れをつくり、瞬間瞬間の積み重ねが未来につながるのだから、今できる小さいことを大切に色々と取り組んでいきたい。動き、活動することで実感値を持ちながら、楽しみながら、自分たちで地域をより良くしていきたいと思います。