立ち読みした不動産投資の本に気になることが書かれていたので、これからの相場のリスクなどを考えてみたいと思います
タイトルがなろう系小説みたいになってしまいましたが・・・(笑)
不動産投資の本かと思いきや、国際的な資本市場の話も出てきて、不動産ですら国際化しているんだな、と感じましたが・・・
本の中でも、またバブル理論が出てきたんですよね。
最近読んだ「バブルの経済理論」という本でも述べられていたことが、ここでも登場して、やっぱり知ってる人は知っているものです。
バブルというのは乗り換えを繰り返すことで、経済成長と一緒にバブり続けてきたわけです。
米国でいうなら、2000年のテックバブル崩壊から、不動産へのバブルの移し替えが行われましたが、そういう乗り換えが続く限りは、バブルは根本的な崩壊はせずに、舞台を変えて繰り返される、というのが大まかな話です。
で、その立ち読みした本で述べられていたのが、「日本は債券、株、不動産と、どれもバブル的な水準にあり、バブルの次の受け皿がない状態である」というものです。
特に債券、国債においては、日銀が買いまくっており、一歩運営を踏み外すと日本円の価値が暴落するような事態がいつ起こってもおかしくない状況であるといいます。
確かに、日本政府の借金も莫大で、リスクが高まっているとは思います。
一方で、日本政府は資産も持っているので、政府破綻はそう簡単には起きない、という意見もあり、結局はどちらが正しいのか分からなくなってきます。
別に日本政府だけでなく、主要先進国では政府債務の増大は危機的状況であり、どうやってこの状況を乗り越えるのか、なかなか答えは見つかりません。
今回は、この問題について少し考えてみたいと思います。
まずは本当に日本政府が破綻するのかどうかですが・・・
個人的には、可能性はあまり高くないとは思っています。
それは、日本政府には莫大な資産もあるし、まだまだ国内の経済はある程度の規模があり、没落しているとは言え先進国の残照は強烈です。
ただ、可能性は当然ゼロとは思っていなくて、数%程度の確率で破綻か、事実上の破綻は起こりうるのではないか、と考えています。
数%・・・
ファイアーエムブレムなら、リセットボタンの準備です・・・(笑)
資産も持っていることや、政府側もある程度は分かっているだろう、あとは今は国内貯蓄で国債がまかなえていることから、日本国債のデフォルト率を1%と考えてみます。
1%という確率自体はそこまで大きくないですが、人生を預けるにはやはり不安があるもの・・・
できればこの不安を消し去りたいのですが、それには結局は株、不動産、実物資産などに分散投資するしかありません。
株や不動産(リート)には、もうすでに投資しています。
これらの資産は、それはそれでリスクがあり、また破綻する確率も国債のデフォルトよりは高いと思われます。
インデックス投資なら、デフォルトリスクからは隔離されるのでそれでいいのですが、それでも価格変動が破壊的なレベルなので、やはり投資として失敗する可能性もあります。
そうなるとどうすればいいのか・・・?
最後の「実物資産」ってところが、まだ未開拓でした。
ということで、最近は実物資産としてプラチナを買い始めています。
ゴールドでもいいと思いますが、プラチナの方がより希少であり、さらに価格も安いので、まだまだ伸びる可能性があると感じます。
何せ、産出するのは南アフリカで7割、ロシアで15%くらいで、他には南アフリカの隣国が5%くらいの産出量です。
圧倒的に産出量が少ないのは、投資をする上では魅力的です。
政府の発行する通貨に至っては、過剰供給がほぼ約束されているので・・・
国債の破綻する確率は1〜数%と低く見ていますが、それはなぜか?
そう、政府は最終的に貨幣価値を減少させることで、借金を事実上の棒引きできます。
それをやられると、もうこちらとしてはどうしようもないです。
いわゆるインフレですね。
合法的なインフレでも長期間続けば、現金価値は凄まじく棄損していきます。
現在のところ、政府は「2%のインフレ目標」を公言しているわけです。これは要するに「お前らの持ってる現金は2%減価していくからな」と公言しているに等しいわけです。
そうなると、例えば1000万円の現金を保有していると、一年で20万円ほどの価値が目減りすることになります。
これは現金保有が大きくなるほど深刻な問題になっていきます。
今なら、米国であれば米国債に投資することで少なくとも2%以上の金利を得られますが、これが日本になると途端に債券金利はゼロ付近になって、投資する意味がありません。
日本には適切なリターンを生み出す安全資産がないため、余計に現金のまま資金が滞留し、いわゆる「現金バブル」を余計に強固にする、という構造的バブルに陥っています。さらにタンス預金も世界最大のため、どうにかしてこのタンス預金を吐き出させようと、政府はあの手この手を使っているのですが、政府や将来に対して不安や不信が根強く、結局はタンス預金が減らない、という状況です。
いわゆるタンス預金問題は、どうにかしないといつまでも経済の足を引っ張るのですが、これはタンス預金している本人だけでなく、それを生み出しているのが政治でもあるので、なかなか根が深いと思います。
で、最近はちょっと考えるのが、この現金価値の目減りに関しては、短期的には不況も来るだろうし、デフレになる可能性もあるものの、長期的に考えるとやはり目減りは止まらないだろうと思うし、下手すると2%以上のインフレが継続していく、ということにも、十分可能性があると思いました。
というのも、日本政府は財政規律を守る気がまったくなく、国民もマスコミも全く気にする様子がないからですね。
先日のパウエル議長の公演の中で述べられていましたが、要約すると「経済成長以上に債務残高を増やし続けていくことはできない」と述べていました。
すでに日本の政府債務は、GDP比率で200%を裕に超えており、さらに経済成長率はこれだけバラマキ財政してせいぜい1%程度です。しかし、債務の増加は急激です。
借り換えができる間は持ちますが、実体よりも遥かに早く増え続ける借金の借り換えが、いつかできなくなるときが来るのは、誰がどう考えても明らかです。
(だから実体であるGDPの成長よりも債務が増え続けると持続不可能、と言ってるわけですね)
明らかでないのは、それがいつになるのか?というところだけです。
そしてまた、この立ち読みした本の内容に戻りたいのですが・・・
この本の中では、最後は貨幣価値の暴落によって、老人たちが蓄えてきた現金が紙切れ化して、老人だけ逃げ切ることはないだろう、と述べられています。
ある意味で、物語として美しさすら感じて、思わず納得しそうになりました。
この本の予想なので、それが実現するのか、実現するとしてどこまで実現するのか分かりませんが、どちらにせよ貨幣価値自体がかなり危ない橋を渡ろうとしているので、貨幣以外の資産をもって防衛しておく必要があると感じます。
しかしここで繰り返し問題になるのが、安全資産の不在です。
安全資産が安全でないのだから当たり前ですが・・・
最近のゴールドの上昇に関して思うのは、もはやゴールドが安全資産として認識され始めている可能性です。
個人的には、ゴールドはすでに保有しているので、新たにリスクを取って保有するよりは、プラチナあたりで考えています。
プラチナはゴールドと市場環境が違いますが、どちらにせよ希少価値の高い金属であり、工業用と中心とはいえ利用価値も高い金属なので、その価値は貨幣よりは担保されているだろう、と考えています。
あくまで現金部分を一部置き換えるだけですが、お守り程度としてはいいのではないか、と考えています。
ただ、貴金属には破綻リスクがない代わりに、どうしても価格変動リスクがあるので、そこは現金で持ってたほうが、結果的にはお得だった、ということも、短期の時間軸で切り取ればありえますし・・・
(まあ、あまり短期で物事を考えると、そもそも将来の現金価値なんて考えても無駄、ということになりますが。将来の現金価値の目減りに対して防衛するのだから、将来に渡る長期の時間軸で考えないと、意味がないですね)
なかなか難しい投資局面だと思いますが、現金のリスクについても、考えてみるのは、投資においては大事だと思います。