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企業は、過去最大の内部留保を人材への投資に回すべき?!

 ということを検討士キシダが主張しているのですが、本当にそうすべきかどうかを検証していきたいと思います。
 というか、検証するまでもなく、内部留保の意味が分かれば、上記のような主張が、全くの間違いであるというのは分かると思いますが・・・

内部留保とは、企業が稼いだ利益の累計ですね。
 例えば、今年A社が100億円の最終利益(税金などで、社外へ流出した金額を引いた、純粋な利益)が残ったというなら、内部留保に100億円追加されます。
 以上が内部留保になります。
 この利益を、例えば土地や工場、機械設備などに投資したとしても、内部留保の金額自体が減ることはありません。
 たとえ人材に投資したとしても・・・

 こうした性質上、内部留保は、企業が利益を出し続ける限り、必ず「過去最高を更新し続ける」し、むしろ更新しなければ、赤字になっているか、倒産して全部吹っ飛んだか、のいずれかになります。
 マスコミや政府が言いたいのは、おそらく「余剰現金」のことかなぁ、と思います。
 ただ、これも国内マーケットの縮小が顕著な今、国内にまともな投資先がないので、どうしても海外に投資せざるを得ない、という現状になってしまいます。
 この余剰現金も、投資先がないので、増加傾向にあるのは確かです。
 しかし、国民や企業が貯金するのは、政府が増税する一方という、どうしようもない原因があるので、一番の失策を犯しているのはやはり政府、としか言いようがないですね。
 今までも、景気が良くなるたびに、消費税の増税を繰り返してきましたし、社会保険料も毎年上昇しています。
 また、これら社会保険料は、企業も半分負担しているので、要するに企業が人を雇う際のコストとしてのしかかってきます。さらに日本では終身雇用が前提になっている場合がまだまだ多く、人材の流動性も確保できない状態。
 これでは、いつまでたっても、人材への投資は進まないでしょうね。
 すでにツイッターでもたまにいますが、「窓際で適当に仕事して700万もらうのが一番いい」などと言われているくらいなので、これでは労働生産性も上がるわけもなく・・・
 人材への投資というと聞こえがいいですが、それはこのような窓際族や、余剰人員をバッサリカットすることにもなるので、かなりのしんどい改革になると思います。当然ですが、一部の能力のある社員による総取りに近い状態になると思います。
 特にアメリカを見ていると、労働者間の格差拡大はしていくでしょう。さらに日本は最低賃金が低いので、絶望的なことに・・・

結局、人材への投資を一番阻害している要因は、社会保障費と法制度、ということで、いつもの通り、「日本政府の政策が悪い」という当たり前の結論しか出ませんでしたね・・・
 人材の流動性を上げることによって、企業は人を解雇しやすくなると同時に、リスクを取りやすくなるので、人材登用に積極的になれる、という面もあります。これはコインの裏表なので、どこまで流動性を高めて、どこまで雇用を守るか、その線引きを決める必要があります。
 現状は、労働基準法でがっちりと雇用を守る方に力を入れているので、流動性の面で仕方ない状況ですね。
 さらに、人材への投資ということになると、当然、投資先に選ばれた一部の人材が、さらに教育機会を得て、スキルを高めて、さらに給料を得て・・・というループに入る一方で、そのループに入れないグループというのが出るわけで・・・
 結局はこれもコインの裏表で、人材投資といっても、、全員にまんべんなく投資する、というようなことにはならないと思うので、そこらへんは期待しすぎない方がいいでしょう。
 人材への投資が、格差縮小ではなく、拡大方向に働く場合もある、ということです。
 
 あとは退職金制度でしょうか。
 ここ20年で激減しています。(詳しい数字は、各自調べてみて下さい)
 そのうち、終身雇用の崩壊と同時に、なくなるでしょう。
 同時に、老後資金における投資の重要性も高まります。
 投資系アカウントということもありますが、結局は政府や企業の投資を待つのではなく、自分で投資していくべきでしょう。
 金融投資も、自己投資も。


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