熱血激闘超体育会系近未来SF『BATTLE OF TOKYO』
マッチョも!イケメンも!女性とみまごう美青年も!!とにかく物理が強い!!!
後方支援担当「イスの人」ですらステゴロが強いのはちょっといくらなんでも脳筋すぎないかBOT!!
☆これまでのあらすじ☆
BATTLE OF TOKYO(BOT)とは……
『次期、覇権作品』である!!!!!!!
強いてもう1つ付け加えるとすれば……
ざっくり言って、近未来SF世界を舞台にJr.EXILEのメンバーが能力系バトルを繰り広げるというメディアミックス作品。各メンバーがそれぞれ自分のアバターとなるキャラの設定づくりに関わっている。
現在、実写によるVS曲のMVやCGアニメによるチーム曲のMV、2.5次元的なライブ、小説が発表されており、さらに公式の発言ではアニメ、ゲーム、舞台などなど、長期的にさまざまな展開が予定されている。
ハマるなら今!!乗るしかねえこのビッグウェーブに!!
パワーインフレもいいとこの「俺の考えた最強主人公」が大渋滞のSF作品という小並Dreamを大人たちが本気で予算&スタッフ揃えて実現させてしまったという冷静に考えたらただの狂気でしかない豪華な奇祭が開催中!!リアタイして全力で楽しみませんか!?
↓今来た人向け BOTの歩み↓
①実写版MV公開(2019年6月)
う~んいつ観てもオタク好きのするMVだ!
「別次元」の「超東京」では、Jr.EXILEの各グループが怪盗団や用心棒チームとなり戦っているらしい!さらに「未来」の「新東京」では、砂漠となった東京を男たちが彷徨っている……。そして我々のいる「現在」の「東京」では、彼らは歌い踊っている。MVだけでいくらでも白米が食える!
……と思っていたがまさか本当にここから1年半ほどマジの無燃料生活を強いられるとは思わんだろうが。
②ライブ(2019年7月)
バトル・オブ・@チバ。オールスタンディング3万人。狂気でしかない。超TOKYOでのアバターの衣装を着用して歌ったり踊ったりする、ザラ(HiGH & LOW THE LIVE)的な2.5次元系ライブ。2021年までライブ円盤が発売されず、集団幻覚呼ばわりされていた。
超かっこいいライブ円盤視聴中、各グループの紹介時にサルトビ(浦川翔平)がクルンと一回転するのが格ゲーのキャラ選択・挑発ムーブみたいでいいな〜って毎回巻き戻す。
③小説第1巻発売(2021年2月)(え、小説!?)
え、小説!?!?!?
④CGアニメ版MV公開(2021年4月)
ほぉ〜。顔、似てる似てる。「ん?」てCGモデルもあるけど仮面ライダーもだいたい動いたらかっこいいもんね。
チーム曲をひっさげて音楽番組に出演し、アルバムも出した。
金にモノ言わせたキャスティングの、アニメ版声優発表第1弾も行われた。メンディー(CV:木村昴)。
⑤展覧会にて図録・各種グッズ発売、小説第2&3巻発売(〜2022年2月)
東京・大阪・名古屋で行われた展覧会では新旧衣装や設定資料を見ることができた。立ち絵グッズも買えた。
まだアニメも始まってないのに「キャラクターガイドブック」的な図録が出た。本当になんなんだ……。 公式サイトにも載っていない、まだどの媒体でも明らかにされていない10の質問的なデータを見ることができる。
⑥(祝)BANDAIよりウエハース(カード付)発売決定!!!!!(先週)
https://p-bandai.jp/item/item-1000172185/
もはや何も言うまい。
次はアニメ化発表かと思いきや、ウエハース発売決定。こうして幾度となく「アタシもうBOTくんの考えてること分かんないよ……!」と言いながらも我々はここまできてしまった。
オタクがバルジ大喜利をやってる間に、LDHはせっせとBOTをこさえていたようだ。そんなBOTの後ろ姿に、ハイローの面影を見たい人もいるのではないだろうか。
BOTから感じる強烈なハイローっぽさは、キャラ設定上でのギャグセンス。
「縦笛兄弟」「カニ男」「コブラのイノキのモノマネ」
「キサラギの腹踊り」「リスの五郎」「結婚願望が強いスキート」
平沼ノリさん秘伝(たぶん)、レトロな香りのスパイスが匂い立つ。
ではBOT記事らしく唐突にオタク的見どころを紹介させていただきます。
見どころ①『MVがカッコいい』
ぜひ公式YoutubeチャンネルでMVを視聴していただきたい。
ひとつ見ればピンとくるはずだ。新しいのにどこか懐かしい、BOTの世界。これは前世の記憶……?DNAレベルでオタク好きのするバイブスがある。
アニメ版のサイバーパンク感はもちろんのこと、実写MVのカラオケでV系の曲入れた時に出てくる映像みたいなMV(↓)とか、魔法陣とか廃墟とかネオンとか砂漠とかの美少年映えするロケーションとかね。
ぶっちゃけMVを見ただけではストーリーはよくわからない。しかし、カッコイイということだけはしっかりとわかる。LDHはカッコイイのプロなので、その点に関しては超YEAHなのよ。
それにしても、まだアニメになってないのに、さも「ノンクレジット版ED」みたいな顔をした止め絵横スクロールMVがYoutubeにUPされているのが謎だ。この大団円感。
アニメ始まってもいないのに、やりきった感を醸し出すな……いや……全然いいんだが……。
見どころ②『ご本人様によるキャラメイク』
オタクに1000000%刺さるポイントはズバリここ。
世界観を監修した「佐藤大」(カウボーイビバップ、攻殻機動隊、エウレカセブンに関わっている方)のネームバリューは物凄いアピールポイントになるが(特に海外Netflix向けに)、そこよりもキャラメイクのプロセスで発生した「生き別れの妹がいる設定が大渋滞しかけた」「男の子たち、自キャラの名前ZEROにしがち」というエピソードの方が訴求力がある気がする。
Jr.EXILEに所属する38人の男たちが自らのキャラクター設定を考えた、というだけで妙にソワソワしてこないか!?
ここがかなりのストロングポイント&イカレポイントだぜ!!!!
というわけで、公式HP&展覧会で発売された図録を開いてみる……。
服の上からでもわかる鍛え上げられた筋肉のような、キャラプロフィールから漂ってくる「陽」のオーラ。
見事に事務所の筋肉質な社風が反映されている。ダウナー系もいるが少数派、もしくはダウナーに見せかけて陽の要素が割とある。平均LDH筋肉男性がアイデアを出してキャラ作りをしているので、キャラ設定が似通うのだろう。好きな食べ物「ちゃんぽん」かぶりはいくらなんでも稀有すぎて笑ってしまったが、肉が好きとか、向上心があるとか、家族や仲間を大切にするとか、強いとか、格闘技や武器の使い手とか……。なんかホント真っ直ぐでいいやつだな、お前ら……。
それでいて、あの頃の俺たちのような懐かしい設定がふりかけられており、オタクは黒歴史をほじくりかえされて悶えること間違いなしだ。
自分の血を見ると眠っている力が目覚めちゃったりするし……亡くなった妹を蘇らせる方法を探しているし……聖書を持ち歩いて愛読していたりするし……水色の毛並みを持つ馬を愛馬とし、伝説の剣を探し求めているし……?(注:近未来SFモノです)
そんなどこかで聞いたことがあるようなないようなおふくろの味とでも言うべき味付けがされているものの、同時にJr.EXILEという素材の味を生かしすぎた結果、心配になるくらい多キャラモノのセオリーから逸脱している。
集合絵をパッと見てわかるのが、メガネキャラと長髪キャラの不足。セフィロスも轟も小田島もいない。ザワの興行収入のうち5億はメガネキャラが稼ぎ出したというもっぱらの噂なのに(嘘です)。Jr.EXILEのメンバーの容姿をトレースしているためこうならざるを得ない。
また、本人の使用頻度に関わらず、出身地の方言がキャラに取り入れられている。よって、何人か方言キャラがいる。
「与那嶺瑠唯」(おっとりした沖縄なまりの人)がオラオラ口調で話し出したら怖くて泣いてしまうところだったから、実際の口調とは違うにしろ、出身地のなまりや穏やかな口調が採用されていて何だかほっとした。
……って、つまり超OKINAWAとか超OKAYAMAとか超OSAKAがあるってこと!?!?!?いや、みんな超TOKYOに超JOKYOしてきたってことか……!?
話が脱線した。方言キャラというのは多キャラモノのノルマである。しかしBOTの場合、ここで「大阪弁かぶり」という通常では発生しえないバグが起きる。しかも1チームに大阪弁2人と岡山弁1人と沖縄弁1人と江戸っ子1人(???)が密集している。最初は衝撃を受けたが、なんかもうこういうのに慣れてきてしまって正常な判断力を失ってきた。
どうやら、BOTは普通のキャラカタログものとしてやっているのではない。Jr.EXILEをMUGENにするための二次元化なので、以上のことは一切問題にならないのだ!バランス調整のためにまんべんなく様々な属性のキャラクターを用意したりはしていない。いくらか「チームのメカ担当」みたいな割り振りはあるにしろ、リアルのアーティストたちが、誰に忖度するでもなく己のかっこいいと思う要素を盛り込んだキャラを作っている!「俺が主役だ」と!「これが俺たちだ」と!誰に忖度するでもなく己のかっこいいを追い求める姿に痺れるぜ〜〜〜〜!
それにしても数年前に考えた設定で延々と自キャラを動かされるという事実……変な汗が出るぜ。
見どころ③『Jr.EXILEを履修したおじさんによるファンフィクション』
小説第1巻を読んだ当時、ちょっと心配した。
小難しいSF世界観を説明しながら、同時に38人のキャラを動かすなんて大変すぎる。それにアーティストはイメージ商売だから、キャラにさせていいこと悪いことがありそうだ。かっこよくないのはまずNG、裏切りや大怪我、泣ける戦線離脱シーンなどのドラマチックな話は難しいかもしれない。そんな作品、面白いのか?
なにより、小説版の執筆者先生は小説のプロかもしれないが、Jr.EXILEのプロではない……。
一応、LDH側の監修がある。そして本人がアンケートやヒアリングを通じてキャラ設定に意見しており、外見も本人に似ている。だが、3次元の彼らがそっくりそのまま2次元の世界で活躍するわけではない。3次元のアーティストのファンはどこを楽しめば良いのだろう?
……そう思っていた。
しかし第2巻あたりから、月島総記先生がJr.EXILEを「履修」して書いているのをうっすらと感じ始めた。そして第3巻からは、ビシバシと感じる!!!先生がJr.EXILEを履修している、もしくは”させられている”のを!!!!
「小森隼」がおしゃべりだったり、「数原龍友」が筋肉キャラだったりするというような公式プロフィールの情報。それ以上の情報が、小説に反映され始めたのだ。リアルのエピソードや普段のふるまい方などが小説に反映されている。
「川村壱馬」には熱があったのにも関わらずMV撮影をやりとげたというエピソードがある(インタビューより)。小説の中では「ルプス」は高熱があったにも関わらず任務をやりとげたというエピソードになっている。
また、プロフィールデータではわからない「浦川翔平」の安定しない芝居がかった口調が「サルトビ」の口調として採用されているので、月島先生もせっせとCLを視聴しているのだろう。
公式のキャラ設定を読む限りでは別人のように見えるのに、小説を読んでみるとどこかに本人を感じさせる要素がある。
さらに、現実のエピソードやグループ内での立ち位置を解釈して、うまくキャラクターの性格やバックストーリーに組み込んでいる。
「リュカ」が周りとの実力差で苦労してきたというエピソードは、ほとんど未経験でオーディションに合格した「吉野北人」が合宿や武者修行で周りとの力の差に苦労したエピソードと似ている。
……これはファンフィクションだ。
数奇な運命によりJr.EXILEを履修させられたおじさんによる、ファンフィクション。
ん〜〜〜ワクワクするぜ!
BOT、ハイローと同じことをするわけではないに決まっている。これまでのLDH作品の弱み(そして強み)だった設定のガバガバ感を緻密な設計ができる「佐藤大」と原作小説の月島総記の採用によりカバーしようとしているし、全員主役感は今のところうまくいっている。そしてアニメやゲームなどの展開を狙いさらに二次元系のオタク層を囲い込みにかかっている。
小説は第3巻まで刊行されているが、読むハイローといった感じで、辛口でいうとストーリー自体のおもしろさはまだ見えてこない。しかし、マルチメディア展開が前提なのでこの先十分に期待出来る。たとえば舞台ETERNALを担当された脚本家の方が舞台BOTの脚本を書くということもあるだろう。そういった展開の中で語り継がれる名エピソードが生まれる可能性があると思っている。
小説には特殊能力や重火器、拳を使った白兵戦やカーチェイスが盛りだくさんなので、アニメ化がうまくいけばかなり見応えのある映像作品になるだろう。
ただ、ハイローは実写であれをやっちゃうところにロマンがあったから売れた部分もある。LDHがどれだけ二次元という不慣れな環境で戦えるのか、気になって仕方がない。既に十分いろんな意味でワクワクさせられるとはいえ、世界観やキャラの作り込みを重視している割にはモデルが実在のアーティストであるがゆえの表現上のハンデを背負っていそうなところが気にかかる。BOTは目の肥えた日本のアニメ市場に爪痕を残せるのだろうか?
欲を言えばマガジン系列のWeb漫画でエピソード0を連載し、なかよし系列のWeb漫画で「BOT学園」をやってほしい。
それからソシャゲもね。38人分のシナリオ、綺麗なカードイラスト、エクストのような箱庭要素……。
なんて夢のある作品なんだろう、BOT!
アニメが始まる前の今がチャンス!
みんな一足早くドボンしてライバルに差をつけろ!