働き蜂のために働くお仕事(つまり蜜じゃない)
分蜂期を終えたNo.1群の巣板を整理すべく重箱の上段を切り離す作業。
養蜂家にとっては常識であるが、ミツバチの巣板の用途は
上部:貯蜜層
中部:花粉層
下部:育児層
とレイヤーになっている。
重箱式の巣箱はその上部の貯蜜層の一部を頂戴するという方式であり、巣板の全てを取り去ってしまうような古典的な養蜂形態と比較するとミツバチにとっての負担は少なく、より持続的だと考えている。
但し出来る限りの持続性を担保するためには、やはり生態についてある程度の知識に基づいた管理が必要。
年越しの3群をNo.1~3と名付けたのは今期に入ってからで、その理由は群の勢力順。今日の巣箱は最終的に6段積み上げることになっていました。
高く積み上がるほど良いかというと必ずしもそんな事はなくて、特に分蜂後のこの時期は上部の蜜を貯める巣房が空になることでスムシ繁殖のリスクが増えたり、大き過ぎる巣碑が働き蜂たちにとっての負担が多過ぎたりと心配すべきことがあります。
そこで、今日の作業は採蜜が目的ではなく巣箱の内部の巣板を健全に保つことが主旨で、内部を確認しつつ上部の数段を切り取るというものでした。
屋根を外し、天井スノコを丁寧に切り離して見えた巣碑の断面は見るも無惨で適切な作業タイミングだったようです。
庭のミントの葉を摘んで、この匂いを嫌う蜂を下段に追いやります。
あくまで優しく。
師匠主催のワークショップで作成したワイヤーで重箱間を切り離します。
蜂達にとっては青天の霹靂のような事態で大騒ぎとなりますが、ここはとにかく慌てず騒がず。
本巣に戻ってもらうように誘います。
なるべく蜂たちの自主的な動きを前提とするのが理想ですが、なかなかそれが難しいのです。そこでこのよう↓になります。
ネロもやってきました。刺されるなよ~(笑)
頭隠して
尻隠さず。いやぁ~ミツバチって可愛い🐝
取り出した巣板は文字通り巣っ空カン。
狙い通り蜜も卵もありません。
二段目には少しだけ蓋をされた巣房がありました。ほんの少しの蜜が頂けそうです。
上から3段目、花粉の詰まった巣房が出てきました。これより先は育児層となる可能性があるので手出し無用。キラキラしているのは蜜ですが、まだ蓋をされていないので糖度が低くさらさらの状態です。
ミツバチ達はその体温と羽ばたきによって花蜜の水分を飛ばして蜜の糖度を高めハチミツに加工しています。単に糖度を高めるだけではなく非加熱のハチミツにはミツバチ達が媒介する複数の酵素が詰まっています。育成に必ずしも薬剤を必要としない日本ミツバチのハチミツは無添加非加熱が基本です。
手袋に付いた蜜を舐める蜂達。日本ミツバチは本当におとなしいですね。西洋ミツバチであれば手袋の上から刺されています。
ケース一杯の巣板は蜜蝋にする予定。
沢山の巣板から精製できる蜜蝋はほんの少しで、蜂蜜より貴重なのでは?と思うほどです。
その昔、貨幣の代わりにされていたとか。色々と使い道も有るので解る気がします。
6段→3段にサッパリとしたNo.1群の今後に期待!
No.2群もゴールデンウイーク明けに同様の作業予定です。