農業廃棄物とコスメの関係
鹿児島県南大隅町のフルーツの例。
タンカン(マンダリン)は、年間出荷高270t。そのうち約5%の約10t以上がキズや形が小さいことから規格外品として廃棄されます。
パッションフルーツは、年間出荷高15t。そのうち約10%以上の約2t以上が完熟不良、キズ、あと「シワ(画像)」によってJAに出荷されたものが返品され規格外品として廃棄されています。
その他、柑橘類のシラヌヒ(デコポン)や、ポンカンなどは、まだ実が小さいうちにより大きな実をつけるため「摘果(摘花)」されます。この摘花果実だけでも1軒の農家さんから約200kg以上廃棄されております。
このパッションフルーツなんかは「シワ」だけで選果場から返品されたとのこと。ちなみに、シワは完熟の印ですぐに食べたら甘くて美味しい証拠なんですが・・・
やっぱり規格が厳しすぎるのではないのかな・・・
高度成長期では大量生産、大量消費の名のもとにたくさん消費することが世の中のためになって経済が豊かになるという時代がありました。
そしてたくさん生産する中で、農産品も工業規格のように厳しい基準を設けて来たため、きれいに揃ったものしか受け付けられない背景があるのも確かです。
以下に示すのは「キュウリ」の出荷基準書です。
こんな基準書を見ながら農作物を生産しないといけないのが現状です。
どう思いますか??
私は、昨今メディアでもちょっとしたムーブメントになっている、SDGsの観点からこのような農業を見ると、やはり時代の流れに逆行しているとしか思えないんです。
形に拘るより、むしろどんな生産者がどんな栽培を、どんな気持ちで行って出荷されたか、そっちのほうがよっぽど気になります。
この規格書に沿った農産物と、多少形が不揃いでも生産者の顔が見えたり、作付け記録が見える農産物と、どっちが美味しそうに思えますか。
私達は、コスメの製造を通じて農業廃棄物ゼロを目指す活動を行ってますが、現時点では、圧倒的な廃棄物の量を目の当たりにして、それは理想論であり、もしかしたら偽善行為と取られることも覚悟しています。
でも、必ず農業生産者とそれを取り扱う流通業者の価値観が変わり、近い将来、本当にお店に出せないものだけが私達のコスメなどに再活用され、農業生産者、流通業者、消費者の第一基準が「美味しくて、健康的で、サスティナブルな農産物」であることとなり、「見た目や形はその次」となる日が来ると信じてます。
そんな日が普通になるまで、今のような活動(規格外の買取り)を持続し、まだまだ食べれるものからこんなにも楽しいコスメが出来たよ!と生産者を励まし続けられたらいいと思いってます。
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