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#13 私たちが花びらと呼ぶもの③

"花びら"、つまり1つ1つの花が全て舌状花になったら、どうなるのか。
写真のキク(ピンポンマム)は、まさにそのような花の形をしています。

舌状花がたくさんあつまると、ボリュームが出て、全体として豪華に見えるようになります。こういった花の形を"八重咲き"と呼び、様々な植物の花で八重咲きの品種が作られています。

では、植物目線だと、八重咲きってどうなんでしょうか。

ほとんどの場合、舌状花の雄しべや雌しべは退化して小さくなり、本来の機能を失っています。つまり、舌状花は生殖機能を持たない花なのです。
八重咲きになるということは、1つの植物の中で咲く花全てが、交配できない花になるということです。

植物は交配して種を作って子孫を残すために花を咲かせています。けれど、八重咲きの花はその機能を持ちません。
ということは、八重咲きの花をもつ植物は、普通の一重咲きの花をもつ植物と比べて、自然界での生存競争に弱いということです。

道端に生えている雑草の花を見てみて下さい。八重咲きの花がどれくらいあるでしょうか。八重咲きの花は、人間によって選ばれ、大切に守り育てられています。なので、温室育ちのお嬢様みたいなものなのです。

次回もよろしくお願いいたします。

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