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03. 低糖質ダイエットで20キロ痩せたら見えたこと~習慣化と成功体験

自覚、というのは他者があって初めて成立する。家族は他者になり得ず、私生活に無関係だと切り離せば同僚もまた自身に影響を及ぼす他者にはなり得ない。
そういったロジックに拠って、私には自覚を呼び起こす様な他者が暫くの間存在せず、従って自分の外見を着飾ることに無頓着な時間が続いていたある春の日、事件は起こる。

職場でHP用の集合写真を撮るという。
おひとり様が長いと被写体になる機会は消滅する訳で、数年振りに写った写真には"知らない自分"が写っていた。

口角を上げたことで押し上げられた頬の肉。
重い瞼にたるんだ目。
スーツの上からでも分かる厚みのある身体。

対照的に、横に並ぶ後輩の顔の小ささたるや。

愕然とした。
いつの間にこんなに肥えたのだ。
馴染みの店で食事をしていたら、数日前に別れた元恋人が自分の友人と手を繋いで入店してきた時に匹敵する衝撃だった(実体験)。

痩せよう。

誰かに何かを言われた訳ではない。誕生日でもない。他人にとっては何もない普通の日に、1枚の写真が私を動かし始めた。

【原因は何か】
155cm、62㌔、体脂肪率36%
これが当時の身体スペックである。適正体重は52㌔、数値的に肥満体型だ。約10年前、体重は46㌔程だった事を考えると、毎年2㌔弱順調に肥ってきた計算になる。原因は明確だった。
・3食白米
・大食い(大盛、他人の残しを食べたりする)
・米菓好き(せんべい>ケーキ)
・ビールと日本酒
・デスクワークによる運動不足
ストレス解消が食べることに直結した結果の肥えである。なんのことはない、自業自得であった。

【低糖質ダイエットを知る】
YouTubeは偉大である。効果的なダイエットを求めてネットの知恵をさまよった結果、YouTubeの低糖質ダイエット動画にたどり着いた。レシピや効果が視覚的にわかりやすくまとめられていた。上記の肥満原因を意識的にやめた上で試行錯誤を繰り返し、自分に合った方法として確立したのが以下。

・白米、パン、麺(=小麦粉)は食べない
・1日の糖質摂取量を50g前後に制限
・タンパク質をしっかり摂る
・夜は食事量を抑える
・毎日水を1.5㍑は飲む
・間食はNG、どうしてもならこんにゃくゼリー
・禁酒

活躍したのは、オートミール・ザバスプロテイン・サラダチキン・糖質0麺・おからパウダーといった高タンパク低カロリーの食材。これらを主食に、野菜を副菜にして3食の献立を組み立てていった。
効果が出始めたのは、初めてから1ヶ月たった頃。4キロ減の結果に手応えを感じてからは、毎月順調に減量していった。

【運動は絶対にした方が良い】
食事制限だけでやせる!というハナシを目にするが、それは多分若くて新陳代謝が良い人にしか通用しない。ある年齢を超えたら、やせるためには運動は必須だと感じた。本来汗をかくことは大嫌いだったが、意識を変えて走りに走った。毎週末、土日8キロずつのジョギング。脂肪燃焼ドリンクを片手にひたすら走る。最初は苦しいだけだったが、気がつくと走らないと気持ち悪いと感じるようになった。

【半年で20㌔やせてみた】
6月あたまに初めて、11月下旬にダイエットを終えた。結果は、42.5㌔、体脂肪率20.5%まで減量できた。肥満から一気に低体重である。現在のスペックは以前とは反対に痩せすぎで健康的とは言えないかもしれないが、服のサイズがLからXSになり、脂質異常が解消され、血糖値も下がった良い面がある事は事実だ。また、身体が軽い。そしてなにより、思考がポジティブになった。その理由としては、見た目が改善されたという以上に、自分で定めた目標を努力によって達成できたという充実感が大きいと感じている。月並みな感想だが、やればできるという成功体験は自己肯定に必須なのだと経験をもって知ることができた。

【習慣化とTry&error】
「習慣化」がライフスタイルやビジネスの場で注目されているが、ダイエットもまた同じ方法論で語ることが出来そうだ。

・ダイエット食を平時の食事にする
・運動を生活に組み込む

この2点がクリアできれば、苦行になることなくダイエットは成功する。辛いことを人は続けられない。辛くないぞ、これは普通なのだと身体と脳に覚え込ませることが大切なのだ。
それと、もうひとつ大切なのは「自分に合った方法を見つけること」。ダイエット方法やレシピは巷に溢れているが、そのどれもが自分に合うわけではない。オオバコ(サイリウム)が低糖質レシピでは重宝されているが、私には合わず体調を崩してしまった。一度失敗したら諦めるのではなく、様々な情報を取捨選択して自分に合った方法を獲得する。それがダイエット成功の近道だ。

【おわりに】
ダイエット成功の後も、炭水化物の摂取量を抑え、栄養・カロリーコントロールを習慣化し続ける事を自分に科している。その中で少しずつではあるがケーキやピザを食べ始め、現状を維持しつつ食生活を楽しむ事が出来るようになってきた。リバウンドは確かに怖いが、それもダイエットを習慣化できていれば乗り越えられる壁だと感じている。過ぎた甘やかしは罪にしかならないが、辛さを覚えない適度な緩さが何事も成功の秘訣かもしれない。

※紹介した方法はあくまで個人の体験に基づくものです。全ての人に効果があるとお約束できるものではありませんのでご了承ください。また、現在の体重等は筆者自身にとっては問題がありませんが、一般的に推奨される体型ではありませんことをお断りしておきます。


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