09. Yahoo!ニュースからの卒業。アプリをアンストして頭をリセットする。
1日に何度もYahoo!アプリを起動してニュースをチェックしているひとへ。アプリをアンインストールして、世界の見方を変える挑戦中、という閑話。
ある日のこと、30分おきにYahoo!アプリを起動している自分に気づいた。30分で世界がそう大きく変わるわけはないのに、何度も画面をひっぱっては目新しいNEWSを探し、変わり映えしなくなったことが確認できたら、やっとのことでスマホの画面を暗くする。1日に何度もこの動作を繰り返す。
僕はそんな自分が急に怖くなった。Yahoo!が自分の脳を、思考を支配しつつあるのではないだろうか、と。Yahoo!トップの出来事が日本や世界の重要事項だと思うように誰かに仕向けられているのでは、と。
「うわ、こいつやばいよ………」そんな風に思ったあなた。ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。
Yahoo!トップに載ったNEWSは、自然と多くの人が目にするし、たくさんのコメントがついていく。最近じゃ、コメントの数(バズり具合)が見出しを見るだけで分かるようになった。このNEWSが多くの人に読まれているんだ、それほど重要なんだ、とYahoo!を訪れた人が一目で分かるこの仕組みは一見親切そうに思えるけれど、ものすごく怖いと思う。
怖さのひとつは、情報の重要さや正確さの判断をマスの意見に委ねてしまえること。多くの人が賛同するからそのNEWSは正しく重要だと決めつけて、自分で本質を考えることを無意識に投げ出している。
でもそれ以上に怖いのは、Yahoo!のトップにどのNEWSを載せるのか、判断しているのが誰か知ることができないということ。
Yahoo!の精鋭編集者が国内外のニュースからそのときの状況に応じて選んでいるというけど、そんな名前も明かしていない人々の意図に自分の世界が知らんうちに左右されているかもしれないという現実。これってとてもリスキーなんじゃないの。
そんなことを考えて考えて、さくっとYahoo!アプリをスマホからアンストした。以外とアイコンは存在感があったようで、画面がいくぶん寂しくなった気がしなくもない。
じゃあ、Yahoo!以外からニュースを知ろうとした場合、どういった媒体があるんだろう。色々と探して読み漁った結果、次のWEB媒体を巡回してニュースを知ることにした。
1.日経新聞 2.東洋経済オンライン 3.Twitterでニュースアカウントをフォローしてリスト化
一週間試してみて強く感じたのは、くだらないニュースがほとんど出てこないという新鮮さと喜び。僕的なくだらないニュースっていうのは、主にゴシップ・芸能ニュース。非建設的なので普段から遠ざけているのだけれど、それが見出しにも出てこないのは爽快だ。このルーティンなら、社会人として必要最低限押さえておくべき事柄もさらっと把握できる。ローカルニュースに関しては、Twitterの方が速度感あり。そしてそして、見出しにあのうんざりハートマークがない。いやあ、もっと早く気づけよ僕。
思えば、Yahoo!はネットが一般に普及し始めた初期に登場した画期的なポータルサイトだった。けれど、さまざまなSNSの登場によってYahoo!の存在価値は年々色褪せてきていた。検索ブラウザの主流はGoogleになり、検索でYahoo!を使う人々はある年齢以上の階層に限定されている。生き残りをかけたYahoo!は、表示や機能をブラッシュアップ…というよりSNSにすり寄る方向に舵を切った訳だけど、残念なことにそれによって以前はまだ保たれていたニュースの公平性は失われた。おそらく、僕はそこに嫌悪感や怖さを抱いたのだと思う。
重要なニュースだから多くの人が反応するんであって、多くの人が反応しているから重要なニュースって訳じゃない。
これ大事。
自分で考える力を保つ、養うことは本当に大切なことだ。多くの人が賛同する方向が必ずしも正しいとは限らないと理解することもとても重要だ。ニュースサイトが謎基準で提示してくる事柄をただ受動的に飲み込む作業を続けている間は、これらのことには気づきにくい。便利さの使い方次第で自分の脳の風通しはいくらでも良くできるし、いろんな世界がのぞけるようになるよってハナシ。