花札で遊んでるんだよ、決して賭博じゃないぞ。

天道)「プロデューサー…なにしてんの?」

P)「花札ですけど…」

桜庭)「見ればわかる。何故テレビを使ってする必要があるのか聞いてる。」

玄武)「すまねぇ…俺達が花札のルール知らないばっかりに…」

天道)「は?どういうことなんだ?」

朱雀)「実は…」

〜DRAMATIC STARSの天道さんと桜庭さんがくる少し前事務所の給湯室〜

朱雀)「一狩り行こうぜ!」

玄武)「猟銃の免許持ってねぇから駄目だろ。」

朱雀)「そんなガチのやつじゃねぇよ。ゲームだよ、ゲーム!モンハン!」

玄武)「もん…はん?」

朱雀)「モンスターハンターワールドだよ。冬馬さんと志狼が一緒にやろうって誘ってくれたから玄武も一緒にやろうぜ。」

玄武)「やろうってもな……これどんなゲームなんだ?」

朱雀)「オレもやったことねぇからよくわかんねぇんだけど、プロデューサーさんが言うにははちみつ採るゲームって言ってた。」

玄武)「はちみつくらい店で買えばいいじゃねぇか。そもそもはちみつ採ってるだけのゲームなんか面白いのか?」

朱雀)「さぁ?でもみんなが面白いって言うくらいだから面白いんじゃねぇの?それに玄武も百聞は一見にしかずってよく言ってんじゃねぇか。とにかくやってみようぜ。」

玄武)「まぁそれもそうだな…。テレビ借りてやるか。」

朱雀)「それじゃ………って、プロデューサーつかってんのかよ。」

P)「今休憩中なんだからいいだろ別に。」

玄武)「昼の時間はとっくにすぎてるぞ。」

P)「おやつ休憩。」

朱雀)「サボりじゃねぇか。」

P)「休憩だって。サボってないし、ほらちゃんとお金稼いでるでしょ?」

玄武)「花札で金が増えるって……賭博じゃねぇか。」

P)「だって龍が如くだし。」

朱雀)「あ、知ってるぜそれ。」

P)「なんだ知ってるのか。」

玄武)「俺も。ヤクザのゲームだろ。」

P)「そうだな。」

朱雀)「前から思ってたんだけけどよぉ…ヤクザのゲームって楽しいのか?」

P)「楽しいぞ。通行人に喧嘩売られたり、人殺しの濡れ衣着せられたり。あとは無利子でポンと億単位の金貸してみたり、所持金が200円くらいになったりとか、マタギしたり、キャバクラ遊びしたり、黒服したりな。」

玄武)「楽しいのかそれは。特に前半の二つ。」

P)「楽しいよ?特に前半の2つ。まぁこのゲームは基本は暴力で解決だからな。頭は物理でしかつかわない。」

朱雀)「…話し合いで解決しろよ、大人だろ。」

玄武)「ヤクザが話し合いで解決ってのもな…。」

P)「絵的に地味だしな。(だけど君たちがそれ言ってもあんまり説得力ないからなぁ…。)」

朱雀)「そうか?よく時代劇とかで話し合ってるだろ。」

玄武)「それは悪巧みだろ。」

P)「悪巧みだな。そういう場面じゃ十中八九最中持ってきてお主も悪よのぉ言ってるし。」

朱雀)「もなかのどこが悪りぃんだ?甘いし美味いじゃねぇか?」

P)「(賄賂なのわかってないんだな…)…そうだな、もなか美味しいな。」

玄武)「(番長さん…諦めたな…)まぁもなかは美味しいとして…プロデューサーは賭場で稼いで何しようとしてんだよ。」

P)「え、キャバクラで使う。」

朱雀)「キャバクラって…そんなとこわざわざ行くために賭場で金稼ぐってただの屑じゃねぇか。」

P)「あのな、キャバクラ遊びするんじゃねぇからな。キャバクラの女の子の衣装に金使うんだよ。」

玄武)「(それもそれで大概屑な理由だな…。)あぁ、運営資金的なやつか?」

P)「そうそう、まぁミニゲームで稼ぐってもできるゲーム限られてるし、花札ならまぁそこそこ楽しからな。」

朱雀)「ふーん…。ルールとかよくわかんねーし、楽しいのかそれ?」

P)「楽しから続けてんでしょ。遊ぶつもりあるなら教えるぞ。」

玄武)「俺もよく知らねぇし。教えてくれんなら教えてくれ。」

朱雀)「モンハンどうすんだよ。」

P)「え?モンハンやるつもりだったのか?あれ一人用だぞ。」

朱雀)「は?でも複数人でできるって言ってたぜ?」

P)「オンラインに繋いでネットワーク入ったらな。それだけじゃできない。」

玄武)「なんだそうだったのか。」

朱雀)「そうなのか…。じゃぁ花札教えてくれよ。」

~回想終わり~

天道)「で、現在に至ると…」

桜庭)「なるほどな。」

P)「とりあえず天道さんと桜庭さん来たしやめるわ。」

天道)「いや、俺らも別にTV使いたいわけじゃなかったし…(なんか組合せ的についに不良っぽいコンビから不良にレベルアップするのかと思って声掛けただけだし。)続けてていいよプロデューサー。」

朱雀)「えー…まだ俺役とか全然覚えてねぇんだけど。」

P)「いや…うん…でもやめるわ。二人いるとやりにくし。」

桜庭)「なぜ僕らがいるとやりにくいんだ。」

P)「いやだって…ゲームしてると後ろから『あ、今の暴行罪。今のなら映像あれば完璧に勝訴に持ってける。』とか『その出血量でなぜ歩けるんだ?』とか『今の銃の打ち方はちょっとなぁ…』とか『そもそも拳銃は法律上持てないぞ』とか『あー…この惨状だと清掃たいへんだぞ。』とか…いちいち現実に戻される単語聞こえてきて集中できない…。」

玄武)「あー…。アニさん達の前職が仇になってんだな。」

天道)「あっ…ごめんな…。リアルだから見ててつい…」

桜庭)「まぁフィクションにツッコミを入れるのは僕が悪かったが…そもそもそういうゲームを事務所でしてる君にも問題はあるんだぞ。」

P)「家でやってても臨場感がないんだよ。いいだろ未成年いないときにやってたんだから。」

玄武)「番長さん、俺達まだ未成年だからな。」

P)「君らは龍側だからノーカンな。」

朱雀)「俺らヤクザじゃねぇぞ。」

天道)「そういう意味で言ってるんじゃないと思うぞ…。まぁ確かに事務所でこういうのできる機会なんて普通じゃないしな。事務所っていうだけに。」

P)「でしょー、流石天道さんわかってる。」

桜庭)「そうなると僕たちは構成員ということになるぞ。」

玄武)「さしずめ315組ってとこか。」

朱雀)「構成員??組??事務所からなんでそんな話になんだよ??」

P)「(そっからかぁ…)ほら事務所っていうとゲームの中の人達も構えてるでしょ?事務所でやるっていう一種の現実をまぜたロールプレイ的なのを俺は楽しんでんだよ」

朱雀)「事務所のロールケーキ…。」

桜庭)「どういう耳の構造をしたらそう聞き間違えるんだ。ロールプレイだ。つまりウチの事務所をヤクザの事務所と仮定して疑似体験的な遊びを楽しんでるんだろう。」

朱雀)「なっ…なるほど。プロデューサーさん俺はどんな役割なんだ!」

P)「鉄砲玉。」

天道)「担当してるアイドルに言うことじゃないぞそれ。」

玄武)「確かに。せめて下部組織のチンピラ程度にしてくれ…。」

P)「下部組織のチンピラに収まりたいのもどうかと思うぞ。だいたい鉄砲玉という修羅場をくぐり抜けて生きて帰って成り上がるのがいいんだろうが。」

朱雀)「よくわかんねぇけど…鉄砲玉ってことは速くて強いってことか?」

P)「いや…そういう意味じゃないんだけどね…。」

朱雀)「じゃぁどういう意味なんだよ?」

桜庭)「鉄砲玉というのは行ったっきり帰ってこないことのを指してる。」

玄武)「つまり殺しやら襲撃の実行犯で帰ってこれないようなやつを指す隠語だな。」

朱雀)「プロデューサー…オレのことそんなふうに見てたのかよ…。」

P)「そういう修羅場を経験して成り上がる朱雀が見たかったんだけどなぁ…。」

朱雀)「そっ…そうなのか??」

P)「あぁ、ゆくゆくは桐生さんみたく伝説になってほしいな。」

朱雀)「そっかぁ。……オレ鉄砲玉務まるようしっかり頑張るぜ!」

天道・桜庭)「(チョロい…)」

玄武)「(相棒…流石にチョロすぎる…)」

朱雀)「他の人達はどんな風な役割で見てたんだよ?」

P)「他かぁ…うーん、天道さんは悪徳弁護士で、桜庭さんは闇医者。玄武は物語中盤あたりでサツに捕まる爪の甘いインテリヤクザかな。」

天道)「本人に面と向かっていうか?それ?」

玄武)「俺は捕まるのか…。」

桜庭)「闇医者か……。なかなかポジションとしては悪くないな。」

朱雀)「他は?」

P)「他?他かぁ…う~ん…(流石に考えてなかったとは言えないし…)社長はとりあえず会長だろ?賢は事務所の雑務担当で中盤あたりで玄武を嵌めた今作の黒幕ポジション。」

桜庭)「山村君は事務所のバイトだぞ?そんな重要なポジション任せていいのか?」

天道)「いやあくまで設定だから。落ち着け桜庭。」

玄武)「(賢アニさんは俺の事ちゃんと嵌められるんだろうか…)」

P)「北斗と類は硲さんとこの組のケツモチで、ホストだな。類が店長で、北斗が店のNO.1。冬馬と翔太はNO.2とNO.3かな?あ、山下さんは硲さんとこの若頭ね。」

朱雀)「ケツモチ??ケツ持ち上げてどうすんだ?」

天道)「そういうことじゃなくて、ケツもちっていうのはそういう組織にお金を払う代わりに面倒事を片付けてもらう関係を指すことだ。法に触れてるような営業してる店に多い話だけどな。というか類の店はそういう店なのか…。」

桜庭)「そういう世界観なら有り得そうな話だな。」

玄武)「北斗アニさんは割とドライに片付けてそうなイメージあるからしっくりくるな。」

P)「あとは…信玄さんのとこだな。信玄さんと円城寺さんとこは武闘派の組だな。若頭は信玄さんのとこは英雄さんだな。円城寺さんとこは…まぁ若頭が不在で武闘派の二人が組内でしのぎを削ってる。」

天道)「(そこは悪徳警官じゃないんだ…)英雄は狂犬って二つ名付きそうだな。」

桜庭)「(そこは警官ではないんだな。)確かにそうかもしれないな。」

P)「(桜庭先生の方が狂犬って感じがするけどだまっとこ。)それは真島の兄さんと同じになるから却下。絶対ダメ。」

朱雀)「誰だよその人。」

P)「龍が如くの人気キャラクターだよ。真島吾朗。主人公を抑えて一位をかっさらう男だよ。俺大好き。兄さんがアイドル目指すっていうなら俺は全力でサポートしたいし、なんならうちの事務所に入所させるし、君らの担当降りてもいいや。」

玄武)「番長さんそこは下りるのはやめてくれ。というかそんなに凄い男なのか…」

P)「あぁすごいぞ、ちなみにこの人だ。」

桜庭)「確かにすごいな。ビジュアルが。」

天道)「この恰好であるいてんのか…外。」

朱雀)「見るからにやべーやつだろコイツ。」

P)「人を見た目で判断するなよ。真島の兄さんすごいんだぞ。」

玄武)「いや、人は見た目で判断するぞ。この人はどう考えても危ない人だろ。メットに蛇皮のジャケット、皮のパンツとかどういうセンスしてんだよ。」

P)「お前ら…ホントにわかってないな。お前ら兄さんのエピソード聞いたらそんなこと口が裂けても言えないぞ。今から懇切丁寧に解説してやるからな。」

~説明中~

P)「というわけで、現在の真島吾朗に至るわけです。」

天道)「確かに変な人じゃないってことはわかった。」

桜庭)「とても義理堅い人というのもわかった。僕たちは人を見た目で判断しすぎていたのかもしれないな…。」

朱雀)「……プロデューサーさんよぉ…オレ…めっちゃ感動した!こういう男は確かに憧れる!」

玄武)「あぁ俺もだ。俺も仲間のためなら片目くらい潔く…」

桜庭)「元医者としていうが、そういうは本当にやめておけ。」

天道)「というか普通にそういうことに足を突っ込まないようにしてくれよ…。」

P)「それはそうだな…。特に君らはひったくり捕まえたりいろいろ世の中にいいことしてるのはわかるんだけど危ないから程々にな。ほんとに。」

朱雀)「それは…まぁ……すいません…。」

玄武)「今後は程々にするよう気を付ける。それはそうと話を戻すが…さっきから番長さんがあげてるロールプレイの中に番長さん自身が出てきてないんだが…。」

桜庭)「確かに。君はどういう役のつもりでロールプレイしてたんだ?」

P)「俺はクラブ・シンデレラっていう346グループが経営してる1号店から3号店を仕切る夜の帝王のつもりだけど。」

天道)「組の構成員じゃないのか?!」

P)「当たり前だろ。俺痛い思いしたくないし。」

朱雀)「じゃぁ俺誰の鉄砲玉なんだよ?!」

P)「朱雀は玄武のとこの鉄砲玉だよ。玄武お前組長な。」

玄武)「え?!オレ組っ?組長??」

桜庭)「いくら何でも雑すぎるぞ、その展開。」

P)「雑じゃないですー。ちゃんと考えてますぅー。(嘘だけど)。」

天道)「それじゃ玄武の組の構成はどんな感じなんだ。」

P)「(流石アイドルになっても元弁護士…嘘ついたのバレたか?まぁその場しのぎでまた考えればいいや。えーっと登場させてないのは…)玄武のとこはホストクラブがシノギでな、それで稼いでんだよ。で、オーナーはもちろん玄武だな。店長はクリスさんがやっててずぶずぶの関係だな。ホストクラブで働いてるのは四季・春名・隼人・夏来・旬だな。まぁNo1は日によってって感じだ。玄武のとこの若頭は一希さんでインテリヤクザらしく若頭もインテリだな。で、なんやかんやあって玄武に対してリスペクト抱いちゃった
武闘派の朱雀が入ってくるんだが…玄武がサツにつかまってその真相を暴くために朱雀が奔走するんだが、そこには大きな陰謀が…っていうのが話のあらすじ。」

玄武)「そんなロールプレイ考えながらやってたのか。流石は番長さん!」

P)「(全部今思い付きで考えたなんて言えない…)そうか?」

朱雀)「ってことは…オレ主人公なのか!?」

天道)「意外としっかり考えながらやってたんだな。」

桜庭)「そうだな…。で、肝心のゲーム内容とはリンクしてるのか?」

P)「一ミリもリンクしてないぞ。そもそも今の話の内容のなかで一人も人が亡くなってない時点でだいぶマイルド世界観だからな。」

類)「今のでMild表現レベルなの??」

P)「え?!類先生いつからここに?!CMの仕事に行ってたんじゃ…」

類)「Of course!プロデューサーが設定話始めたくらいに事務所にMr.柏木と
一緒に帰ってきたんだよ☆」

柏木)「盗み聞きしてるつもりはなかったんですけど……。あの…さっきの話の中でオレいなかったんですけど…オレはなんの役なんですか?」

P)「気になるとこ…そこ??」

柏木)「はい…。輝さんとか薫さんとかは前職な感じで分かるんですけど…オレ前職的にそういうのないですし…なんかみんないろんな配役されてて面白そうだし…オレ何になるんだろうなって。」

P)「(この状況で考えてなかったって言うのもなぁ…苗字だけなら315会の古株扱いしてもいいんだけど…)柏木は…あれだ。運び屋。凄腕の。」

柏木)「いいんですかそんな役もらっちゃって?」

P)「実際にドラマなり映画なりになるわけじゃないからいいよ別に。(大体俺の行き当たりばったりの思い付きの話だしなぁ…)」

斎藤社長)「そうとは言い切れないぞ。」

朱雀)「あ、社長。」

斎藤社長)「話は最初から最後まで聞かせてもらったぞ!なかなか面白い話じゃないか!企画として進めてみたらどうかね!」

P)「(仕事がこれ以上増えるだとっ……杏じゃないけどそれだけは絶対に避けたい。というかこんな思い付きの話でそんなリスキーなこと背負いたくないっ!)いや…あの……おふざけの思い付きなので……そこまで大事にしないでください…。」

斎藤社長)「あ、もしもし。私だ。そうだ。あぁ映画の件なんだがいい題材があるんだが…そうか、引き受けてくれるのか!それではよろしく頼むぞ!プロデューサー、今ちょうど話がついたぞ!」

類)「流石Boss☆手が早いや!そうと決まればみんなに連絡回さなくっちゃね☆」

P)「おい、類マジでやめろ!お前らも止めてくれ!!」

天道)「俺らとしては…なぁ?」

桜庭)「どんな形であれ仕事があることはいいことだ。」

柏木)「プロデューサー…オレかっこいい運び屋になれるようがんばります!」

P)「頑張らないで!そういうことはちゃんと止めて!!」

朱雀)「プロデューサーさん!俺主役頑張るからな!」

玄武)「俺もだ粉骨砕身の覚悟で役に挑むぜ。」

P)「挑まなくていいからちゃんと止めて!ほんと社長いい加減にしてください!!」

斎藤社長)「安心したまえ、今の流れは君に来ている!それじゃ頑張り給え!」

P)「ちょ…どこ行くんですか社長!!帰らないでください!!社長!!」

こうしてプロデューサーの仕事がまた一つ増えてしまった。
プロデューサーはこのことを教訓に事務所でそういうゲームをやるのはやめようと心に誓った。

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