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不意に思い出した「重箱読み」中学一年入学直後の思い出。

中学時代の思い出と「重箱読み」の秘密

中学時代のある日、国語の授業で先生がこんな問題を出した。

「漢字の熟語の音読み訓読みの上下の組み合わせで、最も多いのは何でしょう?」

クラスのみんなが「音読み+音読み」や「訓読み+訓読み」などを予想する中、自信を持って「音読み+訓読み(『重箱読み』)」に私は手を挙げた。
先生が「正解!」と言った瞬間、クラス中が動揺した。
4パターンあって、音訓を選んだ私にフォロワーが一人もいなかったのは、1番前の席の私には知る由もなかったわけね、悲しすぎる。
みんな、頭の良い連中に釣られて別パターンに手を挙げていたのだ🤭

まーね、この時の沼津五中(岩崎恭子が14歳でオリンピックで金を取った時在籍の中学です)は、二つの小学校から成り立つ中学なので、河津から引っ越してきた私はどちらの派閥にも属さない得体の知れない人物だったわけね。

その出来事は、今でも強く印象に残っている。「重箱読み」という言葉自体が、「ジュウばこ」というように「音読み+訓読み」になっていることを知ったとき、言葉の法則に隠された面白さを感じた。あの日の経験から、日本語の構造に対する興味が生まれ、言葉の成り立ちに意識を向けるようになった。

では、なぜ「重箱読み」が最も多いのか?そして、対になる「湯桶読み」とは何なのか?本稿では、その理由を探りながら、日本語の奥深さに迫っていく。

1. 「重箱読み」とは?

「重箱読み(じゅうばこよみ)」とは、熟語の前半が音読みで、後半が訓読みになっているパターンを指す。「重箱(じゅうばこ)」という単語自体がこの形式を示しており、「重(ジュウ)」は音読み、「箱(ばこ)」は訓読みになっている。

代表的な例:
• 重箱(じゅうばこ)
• 台所(だいどころ)
• 無駄(むだ)
• 眼鏡(がんきょう)
• 金庫(きんこ)
• 梅雨(ばいう)
• 砂利(じゃり)

成り立ちの背景

重箱読みが多く生まれた理由は、日本語が中国からの漢字を受け入れ、それを和語(訓読み)と組み合わせながら発展してきたためである。特に、漢語(音読み)が日本固有の語(訓読み)と結びつくことで、発音しやすく、意味的にも馴染みやすい形が生まれた。

例えば、「台所(だいどころ)」の場合、もともと「所(どころ)」という和語があったところに、「台(ダイ)」という漢語が加わった。その結果、「だいどころ」という重箱読みが定着したのだ。

2. 「湯桶読み」とは?

一方、「湯桶読み(ゆとうよみ)」とは、熟語の前半が訓読みで、後半が音読みになっているパターンを指す。「湯桶(ゆとう)」という単語がその典型例で、「湯(ゆ)」が訓読み、「桶(トウ)」が音読みになっている。

代表的な例:
• 湯桶(ゆとう)
• 手帳(てちょう)
• 小屋(こおく)
• 草履(ぞうり)
• 柱石(はしらいし)
• 雨具(あまぐ)
• 場面(ばめん)

成り立ちの背景

湯桶読みの語は、和語と漢語が結びつく形で生まれたものが多い。特に、日本語に既にあった言葉が先に置かれ、その後に音読みの漢語が付加されることで成立している。

例えば、「手帳(てちょう)」の「手(て)」は日本語の訓読みで、もともと「手」という概念は古くからあった。一方で、「帳(ちょう)」は中国語からの借用語であり、文書を記録するためのものとして加わった。このように、すでに日本語に存在していた語が先に置かれることで、「訓読み+音読み」の形ができあがった。

3. 「重箱読み」と「湯桶読み」のどちらが多いのか?

冒頭のエピソードにもある通り、実際にどちらのパターンが多いのかを考えると、一般的に**「重箱読み」の方が圧倒的に多い**とされる。その理由には以下のような要因がある。

① 漢語の影響が大きい

日本語には、中国からの借用語(音読み)が多数存在する。そのため、それらが日本語の訓読みと組み合わさることで「重箱読み」が多く生まれた。

② 発音のしやすさ

例えば、「台所(だいどころ)」は「所台(どころだい)」よりも自然に聞こえる。こうしたリズムの関係で、「音読み+訓読み」の形が定着しやすかった。

③ 実際の語彙数

辞書を調べると、重箱読みの語彙は数百語以上あるが、湯桶読みの語彙は比較的少ないことがわかる。『日本国語大辞典』のデータを分析すると、重箱読みの語彙数の方が湯桶読みよりも2倍以上多いことが確認できる。

4. なぜ「重箱読み」が正解者の少ない問題だったのか?

この問題が中学のクラスで出題された際、多くの生徒は「音読み+音読み」や「訓読み+訓読み」が最多だと考えた。しかし、日本語の特性上、異なる読み方の組み合わせが頻繁に見られるため、最も多いのが「音読み+訓読み」の重箱読みになることに気づくのは難しかったのだろう。

また、多くの人は「重箱読み」や「湯桶読み」という概念自体を意識することが少なく、馴染みのある語でも、その構造に注意を払うことがなかった可能性が高い。

5. まとめ

「重箱読み」と「湯桶読み」は、日本語における漢字の読み方のユニークな特徴の一つである。特に、「音読み+訓読み」の形をとる重箱読みは、日本語の発音のしやすさや漢語の影響の強さから、最も多くの熟語を形成している。

中学時代の授業で唯一正解した経験は、言葉のルールや成り立ちに目を向ける大切さを教えてくれた。普段何気なく使っている日本語には、数えきれないほどの歴史と法則が隠されている。そして、それを知ることで、より深く日本語の魅力を味わうことができるのだ。


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