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第3回:効果的な質問の作成法

第3回:効果的な質問の作成法


これまでにプロンプトエンジニアリングの基本とルールについて学んできました。
今回は、AIから望む応答を得るための「効果的な質問の作成法」について掘り下げていきます。効果的な質問を作成することは、AIに正確な指示を与え、価値のある情報を引き出すために重要です。

ポイント1:開かれた質問と閉じられた質問を使い分ける


質問には、「開かれた質問」と「閉じられた質問」の2つの種類があります。効果的に使い分けることで、AIから得たい情報のタイプに応じた回答が得られます。

• 開かれた質問:より自由で幅広い応答を促す質問です。例として「DXが企業にどのように役立つか教えてください」など、具体的な回答ではなく、広い視点での情報を引き出したい時に使います。
• 閉じられた質問:具体的で短い答えが得られる質問です。例として「DXの導入メリットは何ですか?」など、限られた答えが欲しい時に使います。

例:

• 開かれた質問:「AI導入で企業が直面する課題について教えてください。」
• 閉じられた質問:「AI導入のコスト削減効果はありますか?」

状況に応じて、どちらの質問形式が適切かを判断しましょう。

ポイント2:フォローアップの質問で深掘りする


初回の応答に満足できない場合や、さらに詳細な情報が必要な場合には「フォローアップの質問」を活用しましょう。これにより、AIがさらに詳細で具体的な情報を提供しやすくなります。

例:

• 初回の質問:「DXの導入によって得られる主なメリットは何ですか?」
• フォローアップの質問:「そのメリットが具体的にどのように企業の成長に貢献するのか、具体例を教えてください。」

フォローアップの質問を通して、より深い洞察を得られます。

ポイント3:情報の枠組みを指定する


質問の枠組みを具体的に示すことで、AIがどの観点から答えるべきかが明確になります。例えば、ビジネス面、テクノロジー面、マーケティング面など、特定の観点からの答えを指定することで、より焦点の合った応答が得られます。

例:

• 枠組みを指定しない質問:「AIの利点は何ですか?」
• 枠組みを指定した質問:「ビジネス面でのAIの利点は何ですか?」

枠組みを指定することで、AIが応答を特定の視点に絞り込みやすくなります。

ポイント4:AIに要約やポイントを求める


長い説明が必要な場合もありますが、要点だけを知りたい時には「要約」を求めると効果的です。特に情報が多いテーマについては、要約を求めることで、重要なポイントを短時間で把握できます。

例:

• 質問:「生成AIの導入で企業が得られる主なポイントを3つ教えてください。」

このように、要点を指定すると、必要な情報が整理されて出てくるため、効率的な情報収集が可能です。

ポイント5:クリエイティブな回答を促す質問をする


生成AIは創造的な応答を得意とするため、クリエイティブな回答を引き出す質問も効果的です。例えば、アイデアのブレインストーミングや、新しい視点を求める場合には、AIに「アイデアを考えてもらう」「新しい視点で答えてもらう」といった指示を含めるとよいでしょう。

例:

• 質問:「中小企業がDXを推進するためのユニークなアイデアを3つ提案してください。」

このように指示を含めることで、AIがより創造的な応答を引き出しやすくなります。

ポイント6:プロンプトを段階的に詳しくする


初回のプロンプトで十分な応答が得られなかった場合、プロンプトを少しずつ詳しくし、段階的に情報を追加していくと、AIからより的確な回答が引き出せます。はじめはシンプルな質問から始め、回答に応じて具体性を増すことで、AIが理解しやすい流れを作ります。

例:

1. 初回の質問:「生成AIを導入するメリットは何ですか?」
2. 追加の質問:「ビジネスプロセスの効率化にどのように役立つか詳しく教えてください。」
3. さらに追加の質問:「中小企業における具体的な成功事例を挙げてください。」

段階的に質問を詳しくしていくことで、AIに対してより深い応答を求めることができ、初回では引き出せなかった情報も得られる可能性が高まります。

ポイント7:AIの役割を明確に指定する


生成AIは、指定された役割に基づいて異なる応答を生成できます。例えば「アドバイザーとして回答してほしい」や「マーケティング担当者として回答してほしい」と指定することで、AIが役割に応じた応答を提供します。役割を設定することで、応答のスタイルや内容が変わり、より的確な情報が得られやすくなります。

例:

• 質問:「マーケティング担当者として、生成AIを使って商品を効果的に宣伝する方法を教えてください。」

このように役割を指定することで、回答のトーンや内容がその役割に沿ったものになり、具体的かつ実践的な応答が期待できます。

まとめ


効果的な質問の作成法を学ぶことで、生成AIからの応答の質が大幅に向上します。開かれた質問と閉じられた質問の使い分け、フォローアップ質問による深掘り、枠組みや役割の指定など、さまざまなテクニックを活用することで、AIとの対話がより充実したものになります。これらのポイントを活用しながら、AIに対してより効果的な質問を投げかけ、必要な情報を的確に引き出せるようになりましょう。

次回は「クリエイティブなプロンプトの作り方」について詳しく解説します。AIを活用して創造的なアイデアを生み出すテクニックをお楽しみに!



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