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ボストン留学記(ハーバードケネディスクールで公共政策を学ぶ)〜出国準備編

前回に続き、大学院留学に際して出国前の話を書いていきます。なお、以下に出てくる注意事項については、あくまで私が渡航した2024年夏時点の情報ということに加え、詳細な条件については(頻繁に情報が変わりうるのと、大まかな流れを知っていただくというブログの趣旨上)記載していませんので、その点は留意していただければと思います。


ビザの取得

様々な媒体に色々なことが書いてあると思いますが、最新の状況は米国大使館のホームページを参照してください。大学院留学の場合、基本的にはF1(学生)ビザかJ1(訪問)ビザになると思います。いずれを選ぶか学校からも特段指定はないので出願時にはあまり違いが分からず直感的にF1を選択したのですが、個人的に感じた主な申請後の違いは以下のとおりです。
・米国滞在期間(F1は5年間、J1はプログラム開始の30日前〜終了30日後なので修士留学の場合は学校に所属する期間とほぼ同一)
・申請料(2024年時点ではF1の方が高額だったかと)
・滞在中の労働(J1の方が、報酬が生じる学内のアルバイトをしやすい)
3点目は渡航前あまり気にしていなかったのですが、SSNを取れるか否か(=米国のクレカを作れるか否か)に関わってくるので、卒業後に米国に残って働けるOPT、Optional Practical Trainingなどの制度を利用しない場合、卒業したらすぐ日本に帰る場合はJ1ビザの方が滞在中は便利なのかもしれません。
 なお、ビザを取得するには、UIがお世辞にも良いとは言えない米国政府のオンラインのサイトで(膨大な)質問に答えた上で必要書類を印刷し、大使館での面接を受けることが必要です。面接は、対応する職員によってかなり違うようですが、私の場合は「Are you studying at Harvard?」という質問に「Yes!」と答えただけで済みました(記載のとおり、やり取りは英語です)。むしろ、赤坂の米国大使館に入るまでの方がセキュリティチェックなど大変でした。持ち物などは最新の情報を正しい(公的な)ソースから確認してください。
細かい手続きは端折りますが、如何せん手続きに無用な手間がかかるので、無事発行されると謎の達成感があります。ちなみに、ビザ(が添付されたパスポート)の受け取りは郵送または自分で取りに行くことの二択でして、郵送の場合は数十ドルかかる、取りに行く場合は無料ですが予約して四谷の雑居ビルに赴くことになる、と最後まで一筋縄ではいきません。

引越し、家探し

 これが一番大変でした。留学前、私は6年間以上都内で一人暮らししていたので家に物が多い。しかも国内の引越しと違って簡単に家具などを運べないので、相当覚悟を持った断捨離が必要です。私は都内から遠く離れた実家に段ボールを10箱は送り、貸倉庫のサブスクやワインの保管サービス等も使っていますので、運送業界にそれなりに貢献しています(全て無事届けていただきありがとうございます)。引越しは土壇場で色々処分、譲渡したので友人に相当迷惑をかけましたが、合計いくら分の衣類や雑貨を捨てたんでしょうかね。。その後、郵便局で「不要衣類引取りサービス」と書かれた広告を見て悲しくなりました。リサイクル大事。23区はゴミ出しが無料なのですが(ありがとうございます)、日々それなりの量のゴミを捨てるのは結構罪悪感ありました。
 懺悔みたいになりましたが、家の引き払いはこのくらいにして、ボストンの家をどう探したか。まずは学校からの案内や同じ学校の先輩の教えを参考にしましょう。寮があるならばそれも一案。ケネディスクールの場合は寮がなく、大学提携のマンションはあるのですが、それも競争率が高い割に値段が安くないので私は賃貸で住むことに決めました。土地勘がないので最初戸惑いましたが、学生はFacebookや人伝てに探すことが一般的のようです。ちなみにボストンのハーバード周辺で普通にアパートに住むと、シェアハウスでも平均$1,500くらいはするかなという感覚です。ボストンの住宅事情についてはまた別途書きます。

荷造り

荷物を全部アメリカに持っていければ楽なのですが、そんなに人生は都合よくありません。というのも2つ理由があります。
①規定上米国に持ち込めないものがある
②自分で運ぶには物理的な限界がある
 1点目は、例えば生鮮品(果物や野菜に加え、米も生の状態だと難しいはずです)や肉類が含まれているもの(生肉やソーセージはもちろん、肉が含まれているレトルトカレーや粉状の鶏がらスープ等もダメ)アメリカの税関は結構厳しいらしいです(私が到着時に見た限りでは、周囲に特段止められている人はいませんでしたが)。どこかでまた紹介しますが、アメリカも先進国、かつ生活する日本人も多数いるので、あらゆるものがスーパーや通販でそれなりに手に入ります。無用なリスクを抱えて不安な渡航をするor到着時に税関で悲しい思いをする必要はありません。
 とはいえ、私も初の米国滞在で心配していたので、大量のサバ缶・粉末野菜スープ・麺類・出汁の素などをスーツケースに入れて持ち込みました(そしてこれが②に響く)。
 ②で書いたのは、特に単身で渡航する場合、物理的に運搬できる量には限りがあるということです。私も痛感しましたが、飛行機(エコノミークラス)で無料で運べるのは預入れ荷物23kg以内×2個と手荷物1,2個です。そして、空港へ/からの移動も考えると、どんなに頑張っても2本しかない自分の腕のキャパシティも考慮しなければいけません。大きなスーツケース(23kg)を2個抱えて、かつリュックを持った状態で山手線に乗ったり、バリアフリー化されていないボストンの地下鉄で右往左往するのはやめましょう(自戒)。
 最初私はスーツケース3個・紙袋も6個くらい私物を詰め込んで酷暑の都内をうろうろ(一度には運べないので車や人の手を借りたりロッカーに入れたりしながら)していましたが、明らかに体力とお金の無駄でした。余裕を持って身の回りは整理してください。。
 その上で、持ちきれないけどアメリカに持って行きたい!捨てるのは惜しい!というものは別途送りましょう。

アメリカへの発送

これまた結構大変です。日本郵便のサイトを見ると送り方が詳しく書いてありますが、簡単にまとめると
・船便:安いが時間かかる(数ヶ月単位)
・航空便:速いが高い(数万円単位)
ということで、何を優先するかだと思います。私は、船便の紛失リスクについて知人から聞いたので、航空便を選択しました。船便にせよ航空便にせよ、国際小包を送る場合、品目を細かく記載する必要があります。海外に荷物を送る時は「貿易」とみなされると関税がかかる物品があるので、仕方ないですね。また、上記の送れない物品には注意してください。以前はヤマト運輸が「留学用プラン」なるサービスを提供されていたようですが、2024年7月現在は休止となっていました。

お金まわり(両替・銀行・カード)

 両替は、円安の影響をかなり受けました。事前に様々なところにドルを送金する必要もあったので、ソニー銀行、SMBCプレスティアとWiseを併用して円からドルに両替、送金しています。両替や送金の手数料が各社違うので、目的と仕組みをよく知っておくことが重要です。また、海外口座に送金する場合、先方口座の登録にも時間を要するので準備は前もって進めておいた方が良いです。
 銀行は、現地に到着してから口座開設が可能です。私はChaseを開設しましたが即日で口座が手に入りました。
 カードについては、米国は基本カード社会なので最初から作っておいた方が楽だと思います。米国のクレカは原則、米国内でのクレジットヒストリーがたまっていないと審査に落ちるので、最初はANAカードUSA、JALカードUSAといった日本で作れる海外カードに申し込むか、AMEXであれば日本のヒストリーを引き継げるのでそれを使うかの二択かなと思います。

様々な人に会う

 もう長くなったのと超個人的なので割愛しますが、本当に大事。皆さんありがとうございます。

 長々と書きましたが、必要な準備としてはひとえに、全体像を把握した上で、前もって準備を!ということに尽きます。あとはあらゆることに対する広い心(USのホームページがどんなにイケてなくても動揺しない)と感謝の心ですね。

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