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【No No Girls考察】KOKOちゃんの”天井”
旅とは全然関係ないんだけど、この数カ月注目し続けてきたNo No Girlsについて語りたい。金曜日が来るのが毎週遠すぎて、何回も同じ映像を見返していて、これが沼なのか…と心底感じている。
No No Girls THE FINAL が2025年1月11日横浜 K アリーナで開催されました。福岡から参戦したかったけど、諸々4万くらはかかっちゃうので夫を説得しきれず1月12日のYouTube放送での鑑賞となりました。ぴえん。
最終審査のグループ分けがされた回(#12)のYouTubeコメント欄は「NAOKOとCHIKAの歌強、KOKOとKOHARUのダンス強を組ませたか」的な趣旨で溢れていた。そこから"天井"を考察したい。
※オーディションなので対比していますが、全員に感情移入しているくらい大好きなので、勿論貶める意図はありません。
最終審査グループ分けの意図
最終審査グループ分けの意図をちゃんみなは「ちょっとバラつかせてみた」と言っていた。
つまり、歌組とダンス組で分けたのではない。
7000人から選び抜かれた10人は、得意不得意こそあれど、ガールズグループとしては歌もダンスももうデビューには十分なレベルにはあるはずだ。
最初のSKY-HIとちゃんみなのインタビューの通り、最後はガールズグループをつくるための人間力を見る審査だったと私は思う。あくまで個人としての人間力を指すのではないということは強調したい。
ちゃんみなは、チームを丸くするリーダーとしてAにはKOHARUを、BにはNAOKOをバラけさせたのだと感じた。そしてもうひとりのリーダーとしてAにKOKO、BにCHIKAを。
あとはもう言うまでもないだろうが、柔らかい声にJISOOとFUMINOを、高音ラッパーにMAHIMAとKOKONAを、低音ラッパーにYURIとMOMOKAをバラけさせた。
”天井”とは
ガールズグループを作るという性質上、KOKOがメンバー入りをすることを想定した時、KOHARUの持つ"チームを丸くする力"を学び取ってほしかったのかな、と思う。
すばりKOKOの”見えそうな天井”とは、他者を受容するスペースの少なさだと感じた。表裏一体とはよく言ったもので、それはKOKOが既に完成している正の側面を持つ故の、負の側面に思える。
Hulu版5次審査(#9)の時、Aチームはチームメンバーが同列ではなかった。
NGの振付の指導者と化したKOKOがいて、それに気を使いまくりながら案を出すCHIKAがいて、その他の5人がいた。
KOKOはどの審査でも「自分のチームは自由人が多い。1人がいい時は1人で、みんなでやる時はやる」と言っていた。KOKOは迷いがない分、自然と指揮する側になる。チームというのはリーダーで方向性が決まる。KOKOの作る"自由人"チームは、「実力者の集まった個人の集団」のようなチームが出来上がってしまうのではないだろうか。
それは審査後のちゃんみなのコメントに現れていたが、丸くないチームに必ず聞いていた。「どうやって練習した?」と。
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5次審査ちゃんみなの中間スペシャル指導では「振り付け誰がやったの?」と聞かれると迷わず「私(KOKO)とCHIKAが中心、それとKOKONA」だと答えた。
一方BチームはNAOKOとKOHARUを中心に作ったコレオだったが、ちゃんみなの「誰がやったの?」という問いに、NAOKOもKOHARUも「自分だ」とは言わなかった。代わりにりょんりょん先生が「みんなでやったって」と言っていたので、カメラに映っていないところでそういう説明をしていたのだろう。
オーディションにおいて、事実でアピールしたことは不正解だとは思わない。だだ、こういう些細な違いがチームの丸みを形作っていくのだと感じた。
5次審査ではNAOKOにはKOHARUがいて、KOHARUにはNAOKOがいた。2人を中心にできた5次審査のBグループの総評(#12)はちゃんみなとSKY-HIの言葉が物語っている。
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そして最終審査ではチームを丸めることのできるふたりを「バラけさせた」。
伝えることに迷うCHIKAには、伝えるのが上手なNAOKOを。
ひとりで完成しているKOKOには、全てをチームに還元するKOHARUを。
グループを丸にするということ
Hulu版のDrop振り入れ(#14)では、最終審査Aチームが、振付担当であるReiNaの指摘を受けて話し合うシーンがある。
KOKOは指摘を受けすぐさま課題を見つけてメンバーに共有する。「ソロとかセンターじゃない時に自信がなさそうだ」と。
それをKOHARUが「なるほどね、なるほどね。確かに、確かに。じゃあ、それを全体的にやろう。楽しく」と受容し、「でも」と続けて、特定の振付だけは全員で能面みたいな表情にすることをチームで統一したい、と提案した。
すごく興味深いと思った。
ReiNaの指摘は「表情をつけた方がいい」「この人目で追っちゃうなってポイントをつくる」「絶対にここだけは爪痕を残すパートをつくる」というものだった。
どちらかと言えば、個人各々にフォーカスしようという指摘だったように感じた。
KOKOも個人にフォーカスして、"この部分が問題だからきちんと表情管理をしよう"という提案だった。正しい課題設定をすぐに見つける。
その中でKOHARUは"チーム"で統一する瞬間をつくろうと提案した。しかも楽しい表情で統一するのではない。能面みたいな表情で統一しよう、と。
これなんだ・・・!!!!と感じた。
カメラに映ってる中でKOHARUは
・人間を知るところから始める
・人が喋ってる時は相手の顔を見る
・人が喋ってる時は手に持ってるものを置く
・メンバーがひとりになったら気を配る
・なんかいつも練習してる
・肉を焼く役は当然のようにやってる
・手紙はひとりひとりに当てて書く
・最終審査、メンバーの枠が埋まって行く中、笑顔で合格者に拍手を送る
こういう細かな所作に私は感動した。
19歳でこれをやるには計算ではし尽くせない。身体に染み付いている性格だと思う。
そしてDropの時のこうしたチーム全体のことを考えたアイデア。その上で能面で統一するというクリエイティブ力。
これら全てがちゃんみなの最終審査のKOHARUの総評に繋がるのだと、しみじみ納得してしまう。
KOHARUが頑張ってくれたから、私の考えだったり、私の意図、そういったものがみんなにちゃんと伝わってくれたと思ってます。私の代弁者になってくれた。
さらに言えば、ちゃんみなはKOKOを諦めないために、KOHARUと組ませたのだと私は思っている。5次審査のダンスレッスンのように、お互いに勝手に触発されることを信じて。
ちゃんみなの語る"強さ"
KOKOとちゃんみなの1on1個人面談(#14)にて、KOKOが目立ち過ぎていじめられていた過去を告白する。ダンスの先生からも目立つことを咎められたと言う。
いじめられた子どもはどうなるか。
ぐちゃぐちゃにされて人との関わりに怯えるか、ひとりで完結するマインドを獲得するかになると思う。少なくとも私は後者だった。KOKOもそうだったのではないか。
告白を受け、ちゃんみなも自分がいじめられた経験からKOKOに語りかける。
"見てなさいよ"と振る舞えるKOKOは強い。自分も似てるから言うけど、と前置きして言ったのが次の言葉だ。
強いことって、逆に弱い。
いじめるつもりも攻撃するつもりもない人なのに、私はその人から攻撃されないように前もってガードしちゃうことがある。
ちょっと常にトゲを見せてる状態。他人に対して。
私はそれが今思うとすごく無駄だったと思う。
トゲがないことが本当の強さだとちゃんみなは言う。
私のこと傷つけていいですよ。やり返さないですから。私は私のことに集中してますね。っていう余裕感がひとつの成長だと思う。
経験からくる本物の言葉。
KOKOもここに行き着いたと思う。だからこそひとりで完成されているように映るのだと思う。しかしちゃんみなが繋げた言葉は「KOKOもそういう優しさが受け止められるようになるといいね」だった。
ちゃんみなにはKOKOのトゲが見えていたのだ。5次審査後も「いろんな感情になる練習をしなきゃいけない」と言った。
少なくとも私は、他人から攻撃された経験を以って、他人からは受け取らず、自分で感情をコントロールすることが心の安定剤だと気付いた。それこそ、いろんな感情になる方がつらかった。
最終審査、KOKOが見送られた理由に「声が枯れていた」とか「想像を超えなかった」という人たちがいる。しかし、ちゃんみながKOKOに伝え続けたメッセージは少なくとも歌やダンスに関するものではない。
傷付いてきたその心に、仲間の感情を受け取る余白をつくってKOKO自身を癒し、また仲間に返す。私には、人間同士のそういう優しい循環を生み出そうとしているように見えた。
さいごに
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どんな理由で3人が見送られたのかはまだ分かっていない。
今日解禁のYouTube版(#15)で分かるかも知れないし、次回まで分からないかも知れない。どちらにしろフィードバックの時間はあると予想している。
ただとにかく、No No Girlsに沼っている私はGirlsに感謝しかない。ちゃんみなが好きなだけで見始めたけど、気付いたらGirlsひとりひとりが好きになっていた。
とりわけ、KOKOとKOHARUが対照的で、気になって仕方がなかった。現在のHulu版最新話(#14)、先述したDrop振付の場面では、ふたりが信頼し合っているように見えた。KOKOの天井はなくなりつつあるのかも知れない。
あぁ...Girls達の幸せな未来を願わずにいられない...。
そして今日の20時(#15)が楽しみで待ちきれないよー!!!