【Y.S.C.C.】手番の来ない詰め将棋から感じる暗闇~J3 第6節 vs AC長野パルセイロ(2020.07.25)~
こんにちは(普通)。
さて、このレビューを書くに先立ち、シュタルフ監督への思い、メッセージをバーッと吐き出させていただきましたが、あとから見返してみるとまあなんと文才の欠片もない・・・ってなりましたよね()
でも、あれが今の僕から発することの出来る率直な思い、メッセージの全てだと思います。というか正直色々言いたいけど感情が先行してしまうので、あれ以上は上手くまとめることはできませんでした。
福島戦をもうすぐあとに控えてるんで、急いでこのレビューを仕上げなければいけないのは重々理解してましたが、あの長野戦の試合中の気持ちをずっと消化できず、今日の今日まで更新が遅れたんです。非常に申し訳ないですほんとに(楽しみに読んでくれている人がいれば)。
とにかくレビューしましょ。悲しみがぶり返す前に書き上げたい。
【明治安田生命J3リーグ 第6節 AC長野パルセイロ vs Y.S.C.C.】
AC長野パルセイロ 4 - 1 Y.S.C.C.
得点経過
11分 失点
24分 失点
30分 失点
37分 柳 雄太郎(←佐藤 祐太)
42分 失点
スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 4 土館 賢人
DF 3 宗近 慧
DF 11 宮本 拓弥
MF 7 宮尾 孝一
MF 19 和田 幹大
MF 6 佐藤 祐太
MF 8 吉田 明生
FW 9 大泉 和也
FW 10 柳 雄太郎
FW 18 音泉 翔眞
SUB
GK 16 佐川 亮介
DF 22 尾身 俊哉
DF 23 船橋 勇真
DF 25 西山 峻太
MF 26 植村 友哉
FW 27 古山 蓮
FW 28 オニエ オゴチュクウ
選手交代(Y.S.C.C.のみ)
HT MF 8 吉田 明生→FW 28 オニエ オゴチュクウ
HT FW 18 音泉 翔眞→DF 25 西山 峻太
HT FW 9 大泉 和也→DF 23 船橋 勇真
66分 MF 6 佐藤 祐太→FW 27 古山 蓮
74分 FW 10 柳 雄太郎→MF 26 植村 友哉
スタメンに和田、柳が入ったのと、蓮がベンチ入りしていること以外は特に変わったことはないですねと言いたいですが、誰も最終ラインにまさかチーム得点王の拓弥を入れてくるとは思わなかったでしょ。確かに去年は水戸でもDFやってて、今季の練習でもやってた形とはいえ、初勝利を収めて流れに乗るタイミング、しかも本人もチーム内得点数トップの状況でこれを使ってくるとは思いもしなかったです。
スタートのフォーメーションは継続して3-4-2-1。もうこれで今シーズンは貫くんでしょうねきっと。沼津にも勝利したから自信をもってこのフォーメーションで行けると考えてるのではないかと思います。
並びは前述の拓弥のDF起用を含め、変化をつけてきました。右から土館-宗近-宮本の3バックに、中盤が大泉-和田-宮尾-音泉。シャドーに吉田と佐藤が入り、1トップは柳。10番を1トップに置く大胆な配置。対する沼津は4-1-2-3で、前線に枚数を掛けつつ4バックでしっかり守る感じです。というか正直これだけ見ると割と3バックじゃなくて4バックの方がいいんじゃね?と思うようなミスマッチに見えなくもないんですよね。ちょっとこれサイドに振られたりすると普通にマーク外れる選手が出てきそうだとは感じました。
で、試合始まってみると長野のペース。完全に長野のペース。圧倒的に長野のペース。
最初の5、6分はずっとボールを持たれ、自陣に鋭いボールを次々送り込まれ、ゴール前でフィニッシュに持ち込まれそうになるか、完全にフィニッシュまでやられるか。本当に辛うじてギリギリのところで失点を回避できてるだけの流れです。
それでも8分、ショートカウンターから明生が真ん中をドリブルで運んできたボールをペナルティーエリア左で受けた前節大暴れの音泉がダイレクトでシュート。しかしこれは長野のGK小澤のファインセーブに遭い、ゴールならず。それでもここからようやく流れを戻せる予感がしました。
予感だけでした。まさかここから地獄が始まるなんて思ってもいませんでした。
初シュートからわずか2分、長野が最終ラインで組み立ててから鋭い縦パスを中盤に。そのままスルーパスで左サイドに展開されると、なんとアタッカー3枚に対してディフェンダー4枚もいるにも関わらず、ボールホルダーがフリー、しかもフリーマンがペナルティー内に2人も、つまりアタッカーが3人全員フリーという珍妙な光景が生まれます。ほんとに意味分からん。
結局佐相が中に折り返したボールを大外から入ってきた三田に押し込まれ、先制されます。
11分 長野 1-0 Y.S.C.C.
いやほんとにどうしたってくらい呆気ない形の失点を喫し、これでなんと5試合連続失点。ちなみに開幕戦以来クリーンシートがありません。
まあ仕方ない、気を取り直して同点に持ち込もうと言いたいところですが、ボールを持っても長野の前線に激しく素早いプレスを掛けられ、全く状況を打開できる要素が見当たらない。しかも長野のプレスって、全体が高い位置を取ってプレスしてくるんですよね。当然攻撃に持ち込もうなんて状態にはならず、ボールを持っても後ろでジタバタするだけに留まります。
そうこうしているうちに22分にはスルスルとペナルティーエリア内に侵入され、左から合わせられてまたしても失点・・・と思いきや、なんとかオフサイドで免れます。それにしても今日なんで相手こんなにフリーになってんの?
と言ってるうちに23分、フリーキックを起点に右サイドで揺さぶられ、中に良いクロスをふわっと上げられます。とりあえず中はマーク足りてるからクリア・・・というところで、だからなんで簡単にマーク剥がされんのよ!
はい、力強いしいい動きでしたね。あんな綺麗に合わせられたら大内もノーチャンス。それ以前にディフェンダーが簡単に振り切られすぎだろ。
24分 長野 2-0 Y.S.C.C.
どうなってんねん今日の守備。
とにかくこの試合の長野のチャンスシーンを全部見てもらえると分かるんですけど、必ず誰かしらがフリーになってますから、恐ろしいでしょ?
さて、おみずごっきゅんタイムにシュタルフ監督は何を伝えたんでしょうか。ここで修正できないとそろそろヤバいけど。
と言いつつ始まってみると、ハイプレスに苦しみ、後ろでパスを繋ぐだけの時間が続きます。しかも相手の激走によってミスを誘発され、パスミスからあわや3点目という超絶好機まで与える始末。枠外してくれて助かった。それにしても長野の3トップ、よく走るなぁ。勿論このシーンでも2人がフリーになってました。数的優位を作る意味よ。
とにかく長野に後ろで回されてもすぐに縦パスを中盤に当てられ、Y.S.C.C.のギャップを突きながら細かくパスを回され、最後は大きな展開でスペースに出されてビッグチャンスを創られるという繰り返し。いや同じ光景を前半だけで何回繰り返すんですかね。そもそもこんなに軽快にパスが回る長野の前線を見ててむしろ長野サポの方が失神してそう。
そうこうしているうちにこの形から一気に右に展開され、いやなんで誰もそっち見てないの?ドフリーでやすやすとエリアに入られ、最後は鮮やかにファーサイドへ流し込まれて3失点目。
30分 長野 3-0 Y.S.C.C.
よし!3-0は危険なスコアだって義務教育で習わなかったか?それにしても何を修正したのか本気で知りたいです。
あとはひたすら同じ事をされます。空いたスペースやフリーマンを徹底的に使われ、何度跳ね返してもセカンドボールは長野の選手に渡り、また同じようなチャンスを創られ・・・これ完全に詰め将棋かなんか見せられてますかね?
と言ってるうちに、珍しく敵陣にボールが行き、コーナーを獲得。一瞬のうちに相手の隙を突くことに関してはY.S.C.C.も割と上手だと思いますけどね。
このコーナーでなんとサインプレー!受けた祐太が中にグラウンダーで折り返すと、フリーになっていた柳がダイレクトで右足一閃!ブラインドになったGKの反応よりも先にゴールに流し込んでGoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooal!!!
37分 長野 3-1 Y.S.C.C.
3-0は危険なスコア。これ義務教育な。
それにしても今年はセットプレーで多く点を取ってますからね。いろんなバリエーションを用意してると思いますが、それを実戦できっちりとモノにできるあたり、さすがシュタルフサッカーですね。
さあここから反撃開始。相手にボールを持たれてスペースを突かれ、フリーの選手にもうこの光景何回目やねん。ええ加減にせぇ。
そして得点から5分も経たないうちに、またしてもお馴染みの光景が。
最終ラインからの縦パスを素早いプレスでカットされると、そこから一気にカウンター。はい一気に上がってくるオレンジの集団。なんか白い集団も追送してますねー、ところでファーに1人ヌルっと入ってきてるけど見えてる?
そのままファーに展開さっきから同じこと何回やんねんおい。当然フリーでGKと1vs1になるとかほぼ詰んだでしょ。まーた鮮やかに流し込まれました。さっきと同じコース。
42分 長野 4-1 Y.S.C.C.
3-0は危険なスコアって言った奴誰だよ出て来いよ。
そのままアディショナルタイムを経て前半終了です。試合自体が終わりでもいいくらいに酷い。
というか4バックにしないとこの前線に対応できるわけがないんですよね。多分後半に向けてそこは確実に修正してくると思ってました。どれだけ失点のリスクを減らして1点ずつ返しに行くかを考えると、ここで4-4-2に切り替える方がハイプレス対策にもなるんでね?とか考えていたんですが。
ハーフタイムで3枚替えです。和也、音泉、明生を下げて、オニエ、峻太、船橋がIN。まあこれで4バックにする準備は出来たでしょう。
蓋開けてびっくり、なんと3バックのまま。正気か?
雨脚も強まってきた後半、しかし展開は前半と全く同じ。ボールを持って揺さぶる長野。セカンドを拾うのも長野。変わったのは、押し込まれすぎて必然的に両サイドが最終ライン近くに落ち、5バック気味になっている点。バックラインを厚くしたんじゃなくて、両サイドがただ押し込まれてるだけなんですよね。
なんか以下略でいいすか?ほとんどやってること同じだから(いいわけねぇだろ)。
とにかく66分に蓮が投入されるまで全くやってることに変化なし。ひたすらボールを持つ長野と耐えるY.S.C.C.。ボールを持っても長野の強度の高いプレスで潰される。攻撃面での前半との違いは縦への意識を持つようになり、カットはされるけど縦パスをするようになったことくらいです。
しかし蓮は空気を読まない。いい意味で。
今シーズン初出場の27番は、相手の最終ラインでのパス回しにも徹底的に追いに行きます。長野の前線にやられまくってたハイプレスを、蓮がしっかりやり返してる。
撃たれるわ撃たれるわで、かろうじてディフェンダ―がブロックして弾き返すのがやっとの展開が続きます。マジで手番が回ってこないだけの詰め将棋。
何も変わらないまま、アディショナルタイムには滅茶苦茶完璧なシュートが枠を捉えるも、大内が超ファインセーブ!これだけ点差をつけられても集中力を切らさなかった彼を讃えるしかないでしょう。
結局このまま試合終了。いやー、なんて言えばいいんですかね。
これだけ同じミスを繰り返しまくってやられてて、修正する方針が見えなかったのか?と思いますが、それ以前にミスを責めることができる状況かどうかさえも怪しいです。
長野戦のポイントは2つ。拓弥の最終ライン起用と、そもそも3バックで長野相手に挑んだ理由です。
正直、これまで選手がマルチで様々なポジションをこなすことに関してはそこまで否定的ではありませんでした。むしろ歓迎してきたと言ってもいいでしょう。
ですが、この試合に関してはマジでわけがわからないとしか言えない。しかも初勝利を挙げて、さあ連勝していこうという試合でこの采配をしたことを、果たしてチャレンジと呼んでいいのか。
むしろチャレンジをするのであれば、4バックで無失点に抑えるためのチャレンジをして欲しかったのが本音です。相手に応じてどういうサッカーをしていくか、その幅を広げるチャンスでもあったと思いますし、少なくとも4バックで試合に入っていれば失点も少しは抑えられたでしょう。
どう見てもこの試合は選手が困惑しているようにも見えました。とても飲水タイムやハーフタイムくらいではどうにもできる状況ではなかったんだろうと容易に想像できますし、何よりも後半もブロックやスーパーセーブがなければあと3点は確実に決められていたでしょう。
次の福島戦、中3日というハードスケジュールになります。その3日間でどうこうできるかと言われると分かりません。しかしそれでもやれることを全てやり尽くしたうえで勝利のために戦ってほしいです。
そして、シュタルフ監督にはもっと勇気をもってフォーメーションを変えることは「逃げ」じゃないと言いたいです。フォーメーションを固定したうえで、戦術的可塑性を持ちながらも選手のマルチ性を有効活用するやり方は理解できますし、やりたいことはそれなりに分かります。攻撃のためにどんなことをすればいいのかもデザインされていて非常に面白いですし。
でも、「面白い」「あと一歩」「惜しい」という言葉を負けた試合後に毎度口にする虚しさよりも、「スタイルを変えて勝利出来た」「勝ちがまた1つ増えた」「順位がまた1つ上がった」という喜びを感じたいです。選手と同じで、僕らも自信が必要なんです。
この声に対する答えを、明後日の福島戦で見せてもらいたいと思います。
Thank you for your support! 是非このnoteを楽しんでいただけると嬉しいです、