【Y.S.C.C.】矢吹丈のように、カウンターパンチも上等で~J3 第7節 vs 福島ユナイテッド(2020.07.29)~
どもー(適当)。
やっぱ勝った次の日って最高だわ。しかも平日にこれやられちゃうと次の日マジで頑張れるわ。
まあ実際かなりヒヤヒヤする試合ではあったし、ヒリついてたのも事実ですが、それでも客観的に見ても今シーズンここまでの7試合の中ではベストゲームに近いと言っていいでしょう。
僕は前節のあと、シュタルフ監督に向けてこんなメッセージを書きました。
この問いに対する答えをピッチの上で見せてくれることを願いながらこの試合に臨んだんですが、果たしてどうだったのか。とりあえずは試合を振り返っていきたいと思います。
【明治安田生命J3リーグ 第7節 Y.S.C.C. vs 福島ユナイテッド】
Y.S.C.C. 2 - 1 福島ユナイテッド
得点経過
5分 失点
17分 宮本 拓弥
90+1分 佐藤祐太
スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 23 船橋 勇真
DF 4 土館 賢人
DF 3 宗近 慧
DF 7 宮尾 孝一
DF 26 植村 友哉
MF 25 西山 峻太
MF 6 佐藤 祐太
MF 8 吉田 明生
MF 9 大泉 和也
FW 11 宮本 拓弥
SUB
GK 16 佐川 亮介
MF 10 柳 雄太郎
MF 19 和田 幹大
FW 14 金子 大晟
FW 15 ピーダーセン 世穏
FW 18 音泉 翔眞
FW 28 オニエ オゴチュクウ
選手交代(Y.S.C.C.のみ)
62分 MF 25 西山 峻太→FW 18 音泉 翔眞
77分 MF 8 吉田 明生→MF 10 柳 雄太郎
85分 FW 9 大泉 和也→FW 28 オニエ オゴチュクウ
85分 FW 11 宮本 拓弥→FW 15 ピーダーセン 世穏
スタメンをまた戻し、現状のベストメンバーと言う感じでしょうかね。拓弥もトップに復帰。それにしても最初の公式発表見た時には5バックやんのか!?と思いましたけど。しかしベンチのなんと異様なことよ・・・なんですかこの攻撃的過ぎるベンチは。大晟も今シーズン初のメンバー入りをして、FWがなんと4枚、しかもMFも攻撃的な選手が2枚、あれ?DFいないのな。
スタートのフォーメーションはずっと継続して3-4-2-1。おう、どうしてもこのフォーメーションで行くのな。前節の長野戦で大敗したけど、それでもこのフォーメーションを信じるのな。
並びはオーソドックスに戻しました。右から船橋-宗近-植村の3バックに、中盤が西山-土館-宮尾-大泉。シャドーに吉田と佐藤が入り、1トップは宮本。どれがオーソドックスなのか分からんけど既視感あるしこれだと思う(適当)。対する福島は4-1-4-1で、サイドに持っていかれたら一気にピンチになりそうで怖い。それでも4バックじゃなくて3バックで行くんですかね?正直マジで見るだけで怖いこのマッチング。長野戦の二の舞にならないかが本気で心配でした。ところでトカチとイスマイラって誰?ここJ3だよ?
さぁキックオフ。開始早々から球際激しいな。雨降ってるのもあってちょっと止まり切れない現象が起きているようです。
しかし開始1分ちょっとでいきなり明生さんどんなプレーしてんねん。ありえん凄いドリブルからのシュート、そのこぼれ球を更にファーにいた和也がシュート、DFにブロックされたところを更に繋いで最後は孝一!これもDFにブロック・・・あれ?なんか初っ端からめっちゃ撃ってない?
いや、明らかにこれまでの6試合よりもゴールに対する意識が変化しているのでは・・・?
と思っていたんですが、4分に福島コーナーキックを与えると、ここから決定機を創られます。うーん、大内よく止めた。
しかもこの一連の流れでクリアしきれずにパスミスが出ると、これを左に展開され、トカチから吉田へ。対面の峻太が完全にトカチに気を取られてる後ろから吉田が侵入。一発で速いクロス。そして中には上手く孝一のマークを外してゴール方向に体を入れてくるイスマイラ・・・。
5分 Y.S.C.C. 0-1 福島
絶賛、6試合連続失点中。
うーん、この時間での失点はちょっとキツくない?イスマイラの入り方は確かに良かったけど、その前のクロスを上げさせる前になんとかできなかったかなぁコレ。
とはいえまだ85分以上時間は残ってるんで、まあ気を取り直していきましょうや。ここから取り返せばOK。前半はまず追いついて折り返せるようにしたい。
とはいえ先制した福島の勢いは止まりません。次々チャンスを創ってきます。11分にも逆サイドからの低いクロスにイスマイラが合わせそうになり、何とか船橋がクリア。合わせられてたら確実にもう1点でしたねこのシーン。
しかし福島のこのシュートを最後に、今度はYSが主導権を握ります。さぁ反撃開始。
敵陣に持ち込み、和也のクロスを拓弥がヘッド!これは残念ながら左のポストを直撃してゴールならず・・・も、すぐにまた明生のクロスに今度は祐太が頭から飛び込む!・・・も、今度はワンバウンドしてクロスバーの上。んー・・・いいチャンスをここまで立て続けに創れたけど決められないのは悔しい。
直後には福島の中盤のパスミスをかっさらい、拓弥が中央から強烈なシュート!・・・も枠外。それにしても何となく福島のパスミスに対して容赦なく行ってますね。とにかく今日はその点含め全体的に集中できてますかね。
とにかく後ろから丁寧にビルドアップしてくる福島に対して、Y.S.C.C.はハイプレスで徹底抗戦。前線の選手からボールを追い回し、徐々に福島を追い詰めていきます。
さあ相手のパス回しに余裕がなくなってきたタイミングで、中盤から最終ラインにボールが渡り、遂に高い位置で最終ライン間でのパスミスが発生!キタ!拓弥が突っ込んでいく!そのまま独走!もういい自分で決めてこい!
GKファンティーニとの1vs1。これはもう確実に仕留めた。GKの動きを見ながら、丁寧だが鋭いグラウンダーのシュートが右隅に向かって流れ・・・Goooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooal!!!!!!!!!!
17分 Y.S.C.C. 1-1 福島
絶賛、6試合連続得点中。マジで一瞬の隙を見逃さなかった拓弥を褒め称えたい。
何よりもそのまま自分で独走し、フィニッシュまで仕上げちゃうんだから本当に彼は生粋のストライカーですね。自分で決めてやるっていう強い意志、そしてゴールを決めるまでの一連の高い技術、どこか去年の11番を背負っていた進昂平(現ザスパクサツ群馬)を思い起こさせられます。
いやー攻撃に関しては正直J3でもトップクラスでしょ。これだけ勝ててなくても1試合平均1点以上は取ってんだから。しかも今シーズンの1試合での最高得点は3点(伝説的な敗戦をした富山戦)だから、固め打ちもせずバランスよく点取ってることを考えると本当に攻撃に関しては安定してるんですよね。まあPKが3つあるんで何とも言えないけど()
それでもこれで早くも今シーズン10得点の大台に乗せました。ポジティブに考えればあとは守備さえ何とかすれば勝てるんだよなぁ・・・というところ。
さあ試合に戻りましょう。あれなんか大内が倒れてんだけど。え、待って。
得点直後に福島のチャンスでちょっと激しく接触しましたね。左腕を抑えているけど曲がってはいないので、肘関節の脱臼か?とちょっと疑いましたが、とりあえずプレーは可能そう。正直これ以上負傷者が出るとそろそろ色々な意味でキツいです。しかも守備陣となるとなおさら。でも無理はしないで欲しいです。
それにしてもはっきり言えるけど、今シーズンちゃんとハイプレスしてる試合では攻撃も機能してるし、守備でもそこまで大きな不安がないんですよね。中盤での攻防戦もほぼ勝ててるし。まあそんな試合が今シーズンあったかって言われると1試合しかないんですけどね。
で、こっちがハイプレスに行ってるのにこっちがファール受けてフリーキックを獲得できちゃうと言うのがまたなんとも言えない。ハイプレスから奪って速い攻撃を仕掛ける→対処しきれなくなって思わずファールで止めに行く・・・この流れでセットプレーのチャンスを得られれば、一気に得点機も増えますしね。
実際にその流れから26分には孝一が惜しいキックで左ポストを直撃!いやこれはマジで惜しいシーンでした。あとボール1個分右なら逆転ゴールだったのに・・・。
でも正直このあとほとんど福島にチャンスらしいチャンス創らせてませんからね。1回シュートブロックしたくらいか?トカチとイスマイラもそこまで脅威にならなくなってきてましたし、むしろ中盤で激しめにプレス掛けて相手を潰し、そこからスピーディーに手数を掛けない攻撃に転じることで、福島としても攻撃にそこまで意識を回す余裕もなかったと思います。
しかもこの試合のY.S.C.C.は失点までの5分間以外では徹底して裏のケアが出来てました。まあ多少は裏取られるシーンもありましたし、それでなくても個人技で振り切られてチャンスメイクされるシーンもあったのは事実ですが、それでもこれまでの6試合と比較して格段に改善していたと思います。
前半アディショナルタイム手前ではプレスからミスを誘発し、和也が強烈なシュートを1本撃ちましたが、まあとにかくフィニッシュで終わらせる攻撃を意識したんでしょうね。徹底的にフィニッシュで終わらせようという姿勢を貫き、前半だけでシュート数はなんと11本。
正直ハーフタイムの時点でここまで攻撃面で押してる試合ありましたかね?あったわ、あの伝説の敗戦(2回目)。
と言うのはさておき、藤枝戦や長野戦のように失点した瞬間に恐れをなして自陣ニートになるようなこともなく、常に前から前からという姿勢でゴールを狙いに行くのは本当に観ていて清々しい。
まずは後半、早い時間で逆転できれば最高ですけど、そうはいかないだろうからとりあえず最初は耐えきることが目標かなーとは思ってました。正直、一番大事なのはこの時間帯で失点してまた追う展開になること。
蓋を開けたら後半は最初からボールを持って決定機を創りに行く展開。拓弥に集中的にマークがついてなかなか決定機を演出するまでには至らないものの、それでも最初の10分間は基本的にY.S.C.C.ペースでボールを支配。珍しいなこの展開。
というか後半は先手を取って強気に行こうという指示だったんですかね、選手一人一人から強気の姿勢が見える。徹底して強気のパスやボール回し。これやられてる方は苛立つし、やってる方はめっちゃ楽しいだろうな。
55分近辺からは福島も慣れてきて、どっちも早いプレスを仕掛けて奪い、フィニッシュまで行こうとする展開になります。もっとも、撃たれても守備陣がコースをしっかり限定したうえで大内がしっかりセーブしていたので大きな問題はなし。安心して観ていられるので逆に不安になりましたね。
ひたすら中盤での両者のプレス合戦。そして持たれたら最終ラインまで前線が強い圧を掛けに行く。お互いが同じやり方で徹底して主導権を奪おうとするものの、フィニッシュまで持ち込むのが苦しいんですよね。お互いゴール前で詰められない、合わせきれない展開が続き、なんか両チームともノーガードで殴り合うものの拳を完全には振るいきれない状態ですかね。あしたのジョーみたいになってる。
ならばそろそろ1枚替えて化学反応を・・・と思った時にはもうタッチライン際に音泉が立ってました。沼津戦で立役者となった音泉、マジでこの展開だからこそ頼むよ。というか去年まで関東リーグでプレーしてたなんて思えないくらいJでも堂々としてるのが怖いんですよねぇ。こういう選手をポンポン見出しちゃう我がクラブってやっぱすごい。
65分くらいからはぼちぼち双方ともシュートまで持ち込むようになってきました。まあお互い強度の高いサッカーに慣れてきたからこそ、各々の方法でフィニッシュに持ち込む術を見つけ出し、ゴールに迫れるようになった部分はあると思います。
さあそんなこんなしてるうちにベンチからは待望の10番、柳雄太郎様が登場。僕今年10番のユニ買ったのに、訳の分からんウイルスのせいでまだ受け取れてないんですよね・・・クラブスタッフの皆さんほんと申し訳ないです()
ただちょっと福島に流れが傾き始め、いつゴールを割られてもおかしくない展開が続きました。それでもイスマイラの表情を見てると、福島の思惑通りに試合が進んでいないのは間違いないようです。こういう時はだいたい助っ人の表情を見ればチームの様子は良く分かるって言うのは義務教育ですよね?
80分過ぎの時間帯に同点だと、じゃあ取りに行くのか守りに入るのかって議論が生まれてくるんですけどね、今日に関してはそもそも試合前から答えは決していました。だってベンチメンバー見れば答えなんて1つでしょ。
当然、シュタルフ監督が動きます。オニエとピーダーセン。相手にとっては一番この時間帯に入れて欲しくない選手を投入するあたり、流石分かってらっしゃる。
この試合終盤になっても双方とも全然強度が落ちない中、アディショナルタイムは5分。しかしその表示と共に試合が動きます。
大内のロングボールから中盤でピーダーセンがヘディング。逸れたボールを左サイドでオニエ。オニエがそのままドリブルで入っていき、中央に展開。音泉が受けてダブルタッチ!綺麗!そのままシュートはディフェンダーにブロック・・・されるも、こぼれた先に祐太!オフサイドはない?ない!完璧!そのまま自分で、撃った、撃った!ファー!入った!これは完璧すぎるGoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooal!!!!!!
90+1分 Y.S.C.C. 2-1 福島
アディショナルタイムに泣かされてきたY.S.C.C.、遂にアディダスで笑う・・・いや、まだ4分も残ってる!
とにかく守り切るしかない。徹底的に守るしかない。
死ぬ気で勝ち点1を獲りに来る福島に、ゴール前まで迫られます。何とか凌ぎ続ける展開。でも今はそれでいい。今は強気に前に出てる場合じゃない。
交代枠は1つ余っていますが、正直前線の選手しかいないので、使いようがない状態です。もうあとは今ピッチの上にいる11人で戦い切るしかない。
長い。長い。4分が本当に長かった。カップ麺を作ったら普通に1つ完成してるはずなのに、その時間で何度も自陣に放り込まれ、何度も祈りました。多分マジでカップ麺作って何もせずに待ってる方が幸せに感じる。
そして95分5秒、ようやく念願のホイッスル。
2勝目ですよ、2勝目。こんなに2勝するまでに苦しい思いをすることもなかなかないでしょうよ。
それにしても決勝点、ピーダーセン→オニエ→音泉と繋いで、最後に祐太が決めたシーン、途中出場したJリーグのルーキー3人で演出したことに大きな意味があると思います。勿論、チーム全体の諦めない姿勢、前掛かりにプレスを掛け続け、集中力を高く維持し続けた結果がこのゴールにつながったことは言うまでもないですが、途中から出てきてこれだけのプレーを、しかもプロでの初めてのシーズンの舞台でやってのけるんだから驚きでしかないです。本当にルーキーか?と疑いたくもなりますが、ここまで来たらこの3人は次はゴールを決めて欲しい。
そしてこの決勝点を生み出したのは、紛れもなくシュタルフ監督です。適切なタイミングで適切な選手を投入し、そしてそれにふさわしい結果を得た。これだけでも十分讃えられるべきでしょう。
しかし何よりも、あの大敗した長野戦から中3日でこれだけチームに進歩をもたらした手腕、どんなことがあってもスタイルを貫くという姿勢、そしてどんな時も攻撃的な姿勢を保つ姿勢を見せ、結果まで手にしました。まさに全てが名将の行動と言えるでしょう。
勝つための姿勢を、ベンチメンバーから全て攻撃に懸けるという強気の姿勢で見せ、結果を出したことを褒め称えなければならないでしょう。彼のメンタリティーとパーソナリティーでなければ出来ないことだと思います。
次戦は首位、秋田。遂に失点こそしたものの、それでも全勝の首位。確かに圧倒的に相手が強いことは否めません。
しかし、どんなに美しい神話にも終わりは来ます。止まない雨が無いように、終わらない神話などあり得ない。そして、その神話を終わらせるのは疑いなく我々Y.S.C.C.です。
※池ヶ谷さんと稔さん、いつ戻って来れるんでしょうか・・・。
Thank you for your support! 是非このnoteを楽しんでいただけると嬉しいです、