【Y.S.C.C.】些細なミスと見せつけられた強かさを前に~J3 第17節 vs ロアッソ熊本(2020.09.22)~
皆さんこんにちは。どうもどうも。
さて、クラブを買ってから初のレビュー更新となりますが、どうにも気が抜けてというかバタバタして、レビューに着手しだしたのが試合終わってから24時間後という大変失礼極まりない状況です。というか中2日での連戦のレビューはマジで厳しいものがありまっせ。しかもまた週末には試合があるし。
何がって、広報さんがマッハでハイライトをアップしてくれたにもかかわらず、肝心のレビューがこの遅さですからね。もし気を遣っていただいたのであればマジで申し訳ないです。ちょっと俺もnoteも書くなら手抜きしたくないんで、やっぱ色々考えると後回しになりがちなんですよ。本当に楽しみにしている皆さんには申し訳ないです。
とりあえず、振り返っていきましょうか。
【明治安田生命J3リーグ 第17節 ロアッソ熊本 vs Y.S.C.C.】
ロアッソ熊本 2 - 0 Y.S.C.C.
得点経過
26分 失点
66分 失点
スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 23 船橋 勇真
DF 5 池ヶ谷 颯斗
DF 2 花房 稔
MF 4 土館 賢人
MF 7 宮尾 孝一
MF 10 柳 雄太郎
MF 20 田場 ディエゴ
FW 18 音泉 翔眞
FW 15 ピーダーセン 世穏
FW 9 大泉 和也
SUB
GK 16 佐川 亮介
DF 25 西山 峻太
MF 19 和田 幹大
MF 21 山本 凌太郎
MF 8 吉田 明生
FW 11 宮本 拓弥
FW 27 古山 蓮
選手交代(Y.S.C.C.のみ)
HT MF 10 柳 雄太郎→MF 8 吉田 明生
HT FW 9 大泉 和也→MF 21 山本 凌太郎
54分 FW 18 音泉 翔眞→FW 27 古山 蓮
62分 MF 20 田場 ディエゴ→FW 11 宮本 拓弥
72分 DF 23 船橋 勇真→MF 19 和田 幹大
スタメンが大きく変わりました。ディエゴは加入後初先発かな?ピーダーもですね。後ろには船橋が入りました。数人変わるだけでもここまで大きく変わったように見えるのは本当に驚きなんですけど、それでもここ最近は同じメンバーでの固定が続いていたので、新鮮味がありますよね。ベンチにも和田、凌太郎が入りながら、拓弥や明生さん、峻太が控えます。
スタートのフォーメーションは3-4-3、いつもとも前節とも違うパターンです。いつもの3-4-2-1とは違って、ウイングに近いポジションを置いた感じか、それとも結局3-4-2-1になるのかという判断のラインが難しいですが、一応3トップ予想をしておきます。
並びは右から花房-池ヶ谷-船橋の3バックに、中盤が音泉-土館-宮尾-大泉で、3トップは柳-ピーダーセン-田場。これだと柳と田場がシャドー気味かな?対する熊本は4-1-2-3、前線からボランチに掛けて逆三角形です。なんですかこのフォーメーションは。そして最前線の中央には昨年Y.S.C.C.で大活躍して羽ばたいた浅川隼人。古巣対戦ですが、思い入れは他の古巣選手の数倍以上あります。一緒に飯食って、試合後に何度も語った選手、Jメシも行きました。いちサポーターの自分に対しても分け隔てなく接してもらい、死ぬほど良くしてもらいました。恩を絶対に忘れるわけがありません。だからこそ絶対にこの背番号11に決められたくはない。
さぁキックオフ。2連勝中、そして前半戦最終節となりますから、絶対に勝ちたい。3連勝してホーム横浜に帰ろう。行きたかったよ俺は、熊本サポさんたちと待機列呑みなるものをしたかったよ俺は。
前半からトップギアで来る熊本、マジで攻撃だけで守備が出来てて恐怖です。守備が薄くても攻撃陣だけでY.S.C.C.の選手を自陣に閉じ込め、跳ね返してもセカンドをボランチに入る河原なり中盤の伊東や上村がことごとく回収します。そしてサイドに展開する流れ。この日はサイドを捨てる戦術だったと思いますが、浅川隼人、シュタさんは全部読んでるからな。
しかしそれでも和也や翔眞が守備に追われるような展開が続き、よく見てるとピーダーまでセンターサークル付近にいることが多くなっているんです。チーム全体を自陣に閉じ込めることでハーフコートゲームにし、圧を掛けて点を取りに行こうという策だと思いますが、これやられるとだいぶ苦しいだろうな。結局サイド捨てても中央に人数掛けられいて決壊する可能性もあるので。
6分で嫌な流れから和也のファール、そこから河原に直接狙われたフリーキックはクロスバーの上に飛んでいきます。しかしこの1本で熊本が前半立ち上がりの流れを奪ったのは自明でした。
続けざまに混戦からペナルティーエリア付近でセカンドボールを中原が振り抜くも枠の横、続いてまたも和也のファールから今度は中原が直接狙ってくるも壁に直撃。2回のピンチででY.S.C.C.にとっては苦しい展開に追い込まれました。ボールを持てない、自陣から出られない、世間は自粛ムードで自宅待機推奨だけど、試合中は律義に自陣で自粛なんてしなくていいんだよ。
で、結局ボールを自陣で強奪してさぁカウンターというところでも、次から次へと寄せてくる熊本の守備に早いタイミングで潰され、ボールは持てないわすぐピンチになるわという展開。とにかく前に行きたいのに全く進めないです。確かにこれは守備云々に多少問題があってもやり過ごせるわけだ、そもそもボールを持たせてくれない。
それでも相手が自陣に下げたボールでのミスを見逃すことなく、奪ったピーダーが仕掛けて、ディエゴに預ける、そこから上がってきた翔眞が受けて左足で撃つ!も、これは残念ながら対応に戻ったディフェンダーにブロックされます。それでもこれで分かった、熊本の最終ラインは盤石じゃない。スキは確実にある。
しかしまあ上手いのはここから集中してまたすぐに攻め込んできたこと。とにかくボールに触れさせてもらえないんですよ。繋いでくるし、スペースのあるサイドに回されて、そこからクロスを上げられる。中を固めた分、浅川には合うことなく何とかクリアするものの、結局セカンドボールをキープされて、同じことの繰り返しです。
コーナーキックをドンピシャで合わせられた直後、今度は逆からのコーナーキック。ショートでスタートされた直後、完全に対応が遅れてるうちに石川から中原へのパス、ワントラップしてペナルティーエリア外の左サイドから豪快に撃ってきたこれがゴールに刺さるおかしいおかしいおかしいおかしい絶対これおかしい!
26分 熊本 1-0 Y.S.C.C.
おかしいだろ。こんなん決まるの絶対おかしいだろ。
とはいえ、明らかにリスタートのショートコーナーに対応できていなかったのも事実です。その手前で普通に入れてきたから次もそうだろう的な先入観があったんじゃないですかね?いずれにしてもシュートが上手かったのも事実ですし、まあこういうところを見逃さないのがいかにも上位らしいなと思わされました。
おみずごっきゅん。さぁここから切り替えていきたいところ。ちなみに熊本、先制した試合の勝率は11勝1分無敗で91.7%。無敗ですよ無敗。先制したら絶対負けてないし、そもそもここまでの75%のゲームで先制してるんだから本当に怖いですよね。
試合再開。再開早々にタッチライン際で異議を唱えたシュタルフ監督に主審から注意が与えられます。やっぱこの人は止められない、いろんな意味で。
さぁここからまた始まる熊本のハーフコート劇場。持たれる。サイドに振られる。クロスを入れられそうになる。サイドで対応する。セカンドボールが相手に渡る。以下繰り返し。たまに真ん中から来ようとするけど真ん中は固めてあるから結局サイドに振られることになります。
ただ追加点の欲しい熊本がなかなか中央を割れずに痺れを切らしたシーンがありました。前半の終了直前、ビルドアップをカットされた場面で、細かくパスを回されると、最後はペナルティーエリアの手前から伊東が右足で鋭いミドルシュートを放つ!これはクロスバーが阻み、追加点を与えませんでした。しかしマジで怖かった。前節の鹿児島と違ってミドルの質がかなり高いし、枠すれすれに来るから入りそうな気がして恐怖。
直後にもコーナーキックの流れからインスイングのクロスをクリアしたものの、セカンドボールに反応した河原がペナルティーエリア手前の中央からミドルシュート!今度は枠の外。とにかく遠距離からも撃ってきます。しかも結構しっかり狙ってきてる。
結局アディショナルタイムもボールを持たれまくったまま前半終了。あれ?前半こっちシュート撃ったっけ?
なんやかんや熊本にハーフカードゲームを展開されて押し切られて先制され、そのあともずっと圧されまくって、最終的にその勢いのままボールを持たせてもらえずに前半が終わりました。
とりあえずね、何で熊本が上位にいるのかよくわかる前半でしたよ。秋田が最終盤まで耐え切って勝った理由もよくわかります。この熊本の攻撃、よっぽど守備しっかりしてないとどこかで決壊させられる。
攻撃云々以前にまずは自分たちが奪ってから素早く敵陣までボールを運べないと話にならない。コンパクトで出足の早い前線からの守備に奪われ、自陣でピンチの芽を出しては危ういシーンを創られ、さらにセカンドボールも回収される。この繰り返し。まずは敵陣に出ていかないとなんですよ。自粛ムードはピッチ上には適用しちゃいけないから。
それにしても熊本、強さは感じるんですけどそこまで巧さを感じないですね。逆にY.S.C.C.は巧さを感じるものの、強さを感じられない。どっちがいいかって言われればそりゃ強い方かもしれませんが、それにしてもどうしてここまでの差が出るのかという感じです。
ハーフタイムのうちにシュタさんが動きました。柳と和也を下げて、凌太郎と明生さん。明生さんが自陣でのチームを落ち着かせ、凌太郎が勢いを持って敵陣に突っ込む、まあこれが超大雑把な打開策だと思います。ボールをキープできるようにするにはまず明生さんが必要だと思いますし、そこから思い切りのいい展開をできるのは凌太郎が適任でしょう。
後半がスタート。そして前半のリプレイ。ボールを持ってもすぐにコンパクトな体系でボールを奪い返され、すぐに自陣の深い位置まで運ばれます。いや、単純に熊本がかなり強い。
そして谷口のパスに反応した浅川隼人がペナルティーエリアの左から右足で強いシュートを撃つ!ものの、枠外で助かりました。間違ってもこの背番号11にだけは仕事をさせるな。一切させるな。何一つさせるな。
後半も10分が経過しようかというところで、ようやくボールを持って敵陣に侵入します。ディエゴ、ドリブルで突っかけて敵陣に入ると、可能性こそ感じさせましたが巧く対応されて失敗。ディエゴ、もう既に55分近くプレーしていますが、プロで初めてこれだけの時間プレーしながらも、流れを変えるというか突破口を作るプレーを見せてくれるあたりは仕上がってきてるかなという印象を受けます。
すぐさま反撃が来ます。またまた浅川隼人を起点にして、今度は伊東のシュート!これも枠外。頼むからたとえアシストも含めてその11番にだけは何一つ仕事をさせるな。そんな形で恩返しされるわけにいかないんだ。
ここで翔眞を下げて蓮を投入。流れを変えるプレーが出来るのがこの古山蓮という男。今の彼には何かを期待しても十分叶えてくれそうな雰囲気があります。前節のPK獲得といい、徐々にその真価を発揮している蓮に期待。
さらに続けてディエゴを下げ、拓弥を投入。ここでエースが入ります。しかしディエゴ、ボールさえ持てば何か違うプレーを見せてくれる点では非常に期待感が持てますね。今年もコンディションが万全であれば間違いなくチームを担える選手になると思いますが、この試合はJリーグでの最長出場時間を大幅に更新してここでお役御免。
そして蓮は投入から数分でドリブルで右サイドを一気に突破し、ペナルティーエリア内に入ってグラウンダーのパスをゴール前中央に送る動きを見せます。ここは結局ディフェンダーに防がれてしまったものの、ナイスプレイ。こういう動きを1つ2つ創っていけばチャンスは確実にあります。
ところがそうも上手くいかないのがこのサッカーという競技の特性です。さぁ最終ラインから一生にバックパスしてもう一度ビルドアップをしようというところで、黒木にパスコースを消された一生は後ろ向きでペナルティーエリア中央に構えるドディにパスを出してしまいます。反応しきれず浅川隼人が猛然とプレスを掛けてくると、このボールが流れてペナルティーエリア手前の中央へ転々と・・・これを素早い反応で拾ったのは谷口、ペナルティーエリアの外から右足で狙い澄ましたコントロールショット、ゴール右、止められない・・・
66分 熊本 2-0 Y.S.C.C.
あのですね、ここだけの話なんですけど、どのチームもウチのバックパスはしっかり狙ってるんですよ。不安定だからそこを狙えばチャンスになるのを分かってるんで。当然バックパスの時点で最初から狙われてるんです。今回はGKに直接行くんじゃなくて、黒木がパスコースを消して出しどころを消してきた、そのうえドディは後ろを向いた状態だった、つまりパスに対して全く構えてなかった。そこにしか出しどころがなくなった時点で、一生はパスではなくロングキックを狙うしかなかったんです。
しかしY.S.C.C.は当然みすみす自らボールを手放すわけにはいきません。セカンドも全部回収されている状態なのに、そこに持ってきてわざわざロングキックで敵陣深い位置にテキトーに放り込んで相手の最終ラインにボールを渡せば、それだけまたピンチを創ることになります。だからもうロングキックという選択肢はなかったんです。
全部分かったうえで、黒木はあえて一生に直接プレスを掛けずにパスコースを消してきた。そして浅川隼人はドディの位置でプレスを掛けるタイミングを狙っていた。さらに谷口はディフェンダーのいない空いたコースを計算していた。全て熊本のアタッカー陣の思惑通りになったうえに、谷口のコントロールショットが計算以上に見事に突き刺さった。これが全てです。
全て狙い通りになった状態で70分手前で突き放した熊本にとって、あとはもうジタバタする必要もないでしょう。攻め上がってくるY.S.C.C.の攻撃陣をうまくいなして、あわよくば裏を取ってもう1点、浅川隼人が恩返し弾を決めれば完璧という考えだったでしょう。
試合再開。なかなか上手く試合を運べない中で蓮がイエローカードを貰います。ここでおみずごっきゅん。そしてこのタイミングで船橋を下げ、和田を投入。和田にはとにかくビビらず前に前にという姿勢を見せてもらいたい。
その後もコーナーキックを一生がパンチングしたセカンドボールから石川にミドルシュートを撃たれたり、浅川隼人に突進されて絶好の位置からシュートを撃たれますが、これらは何とか枠を外れてくれました。それにしても2点リードでも全く容赦しない熊本、まだまだ追加点を取りに来ますね。得失点差もあるからだと思いますが、全くボールを持てないY.S.C.C.は序盤の長野戦と同じように一方的な展開に苦しみます。
それでもハーフウェーライン付近で熊本のクリアミスを拾い、蓮がドリブルで仕掛けて拓弥へパス、このボールを受けて拓弥がドリブルで相手ディフェンスラインの突破を試みますが、相手ディフェンダーに対応され、シュートには至らずに終わります。それでも途中交代の2人で産み出したチャンス、何かの期待を感じさせるものでした。
しかしこの後もなかなか思うようにいかず、熊本がボールと試合を支配する展開が続きます。そして浅川隼人はドリブルからシュートを撃ってゴールを脅かしてきた直後に交代でベンチに退きました。お役御免、凄くいい仕事していたと思うだけにやっぱ悔しい。でもこんなストライカーを産み出したのがY.S.C.C.だということが誇らしく思える試合でした。
意地でも1点は取りに行きたい、そして追いつきたいY.S.C.C.もチャンスを創ります。ピーダーがドリブルでペナルティーエリア手前まで持ち上がると、最終ラインから一気にオーバーラップしてきた颯斗へパス、受けた颯斗はペナルティーエリア右から右足で速い振りのシュートを放つ!しかしこれは戻って足を伸ばした相手ディフェンダーにブロックされてしまいました。
4分のアディショナルタイムにも守りではなく攻めを選択してきた熊本、最後までチャンスを創りに来ました。裏を取れるどころの話ではなく、結局終始相手のペースのまま試合終了。シュートは熊本が16本も撃っている一方、Y.S.C.C.は試合を通して僅か2本、ゴールマウスに届いたシュートは記憶にある限りなかった気がします。
間違いなく、このアウェイ3連戦の中では最も厳しいゲームだったでしょう。疲労の蓄積や戦力差などがあったことは1つ仕方ない部分もありますが、疲労に関しては熊本も同じかそれ以上の状態です。その中で、熊本はやりたいことを全部やって来た、そしてY.S.C.C.はやりたかったことはほとんどできませんでした。
これで前半戦が終了しました。17試合を終えて4勝7敗6分の勝ち点が18。昨シーズンのトータルよりも倍の引き分けを積み上げていますが、昨シーズンの勝利数12に並ぶには後半戦の半分近くの勝利が必要になりました。クラブ間での消化試合の差があって暫定的とはいえ、Y.S.C.C.より下のクラブは全試合消化しているので、実質順位として前半戦は12位で折り返します。
今シーズンの動向的には、昨シーズンと勝利数が並べれば、目標の1桁順位を達成する可能性は十分にあると思います。9位やそれ以上に滑り込める可能性もなくはありません。しかし、厳しいことは重々承知でしょう、なかなか勝てなかったどころか4勝しかできなかったのは事実ですし、順位表を見てみれば、Y.S.C.C.より下位のクラブ相手にも勝ち点を落としまくっていますし、上のクラブ相手には1試合、前節の鹿児島にしか勝てませんでした。
ここから巻き返そう!を繰り返してきた前半戦では、最後に何か良い兆しを見せられました。決してこの熊本戦だけを見て悲観する必要もないと思います。それでもここからの戦いがさらに厳しいものになり、どこまで自分たちのスタイルを貫きながら目標を達成しに行くかが重要になってきます。
後半戦のスタートは大阪のアンダー2連戦。前半戦では2つの引き分けで勝ち点2しか積めなかった連戦です。今度こそこの連戦で連勝し、順当に勝ち点6を積み上げていいスタートを切らなければなりません。
三ツ沢はまだまだ揺らせるはずです。横浜は、まだまだ水色に染められるはずです。サポーターは声を出せなくても、心から念を送り続けています。必ず届くと信じて、選手たちの力になると信じて。
Thank you for your support! 是非このnoteを楽しんでいただけると嬉しいです、