#598 漫画論52|LIAR GAME--ライアーゲーム-
「夜王」「サラリーマン金太郎」に続いて、僕がヤンジャンで好きだった漫画「LIAR GAME-ライアーゲーム-」を紹介しましょう。
この時期のヤンジャンは本当に面白かったですね。
LIAR GAME-ライアーゲーム-とは?
鬼才・甲斐谷忍先生が提供する、人間の深層心理や葛藤をここぞと描き、それをエンターテイメントに昇華させた名作です。
主人公の神崎直はとにかく人を信じ、人を愛する理想の娘さんなんですが、ある日、「真の噓つき王を決めたい」という趣旨の謎のトーナメント、LIAR GAMEに巻き込まれてしまうんです。
初戦の相手は中学校時代の恩師の先生。
対決内容は、お互い1億円の資金を貸し付けられて、1週間後に相手より1円でも多くお金を奪ったら勝ちという単純明快なゲーム。
先生は「君のお金を一回僕が預かるよ!」と、直の金を守るふりをしてだまし取り・・・直は1億円の借金をゲーム内で追ってしまい、途方に暮れるんですが・・・
そんな中で知り合った天才詐欺師・秋山が直の味方になってくれて、謎の組織であるLIAR GAME TOUNAMENT事務局と戦っていくというストーリーです。
ゲームはシンプルなものから、複雑なものまで色々あるんですが、最終的には知略戦となり、いかに人心掌握ができるか、先の先を読む遠謀深慮ができるかなどが勝負のカギとなっております。
LIAR GAME-ライアーゲーム-の魅力
1. ネタバレのどんでん返し
やはりこれが面白いですね。
毎回のゲームで「ここからどう逆転するんだろう?」とか、「これ切り抜ける方法あんの・・・?」とか思うんですが、毎回秋山が先の先を読んで、しっかりと勝ち上がるというのはパターンではありますが、非常に面白い。
「まさかデブを勝たせるとは・・・」とか、本当に秀逸でした。
「密輸ゲーム」とかは正直内容全然理解できなかったんで、早くネタバレ編に行って欲しいと思ってましたね笑
「少数決」とか「感染ゲーム」とか、シンプルでありつつ内容も明確で、オチもスッキリして、その辺が内容が好みでしたね。
2. 心理学ワードを学べて勉強になる
作中で「まさに絵に描いたような”認知的不協和”」とか、「ドア・イン・ザ・フェイス」とか、「人は最初に正解を置かない」とか、そのような心理学ワードやトラップなどを分かりやすく、面白く紹介してくれます。
甲斐谷先生は人間の心理の表と裏を描くのが非常にうまいです。
デビュー作の「翠山ポリスギャング」は覚えていませんが・・・他の作品である「ONE OUTS」や「霊能力者 小田霧響子の嘘」「カモのネギには毒がある-加茂教授の"人間"経済学講義-」なども非常に面白いです。
3. 余計な展開がなくてよい
後はこの辺も個人的には非常に好みですね。
特に「恋愛」の要素なんて全く入れない辺りが非常に秀逸です。
回想とかでダラダラ引っ張ったりもせず、端的にサクッと終わらせるあたりが本当に素晴らしいですね。
LIAR GAMEの好きな登場人物
10位 レロニラ
ゲーム主催者は基本的にマスクをかぶっており、恐らくボイスチェンジャーとかも使っている感じで謎の組織であり、ミステリアス・パートナーと言った感じです。
ゲーム進行は極めてデジタルに行い、情のかけらもない冷酷な集団だったりします。
そして物語終盤で組織の目的とか構成員のネタバレがあるんですが、それは読んでからのお楽しみということで・・・
9位 先生
先生は前述の通り、初戦での対戦相手です。
元々キックバックを要求していたのがバレてクビになったような悪徳教師であり、今回のLIAR GAMEも「渡りに船!」という感じでここぞと教え子を騙そうとするダメ教師だったんですが・・・笑
最後には改心します。この辺の展開が今後のLIAR GAMEの様式美になる感じでしたね。
8位 アカギ(バンダナ)
アカギは最初敵として現れるのですが、直のお陰で人を信じられるようになり、最終的には非常に頼もしい味方になってくれる存在です。
ヨコヤを秋山と一緒にだます下りとかは非常に秀逸ですね。
そして去り際も非常にカッコいいキャラクターでした。
7位 メガネ
メガネは終始暗い表情で、とにかくモブでしかない存在ですが、なんだかんだで最後までチームメンバーを信じることでゲームから無事抜ける事ができたというそんな存在です。
こうした強者にひたすら従属し、利を得る辺りは現実世界でもよくあるリアリティある光景ですよね笑
6位 キムラ(ショートボブ)
そして椅子取りゲーム編から出てくる新たな敵キャラです。
この「宗教団体のNo.2」という立ち位置のキャラクターは毎回悪い奴が多い印象がありますが、ご多分に漏れずこのキムラも相当悪いです!
こういう奴が教団を腐らせていくんですよね。
5位 ハリモト(作務衣)
そして宗教団体のドン・張本です。
もともとはヨコヤに対抗する強烈な敵として華々しくデビューしたんですが、その期待通りに秋山 vs ヨコヤの一騎打ちになりつつあった作中で、良い感じの三すくみになれた存在でしたね。
やはり宗教は凄いなと思ってしまいます。
4位 フクナガ(ニューハーフ)
そしてフクナガ(男)ですね。
元々は「少数決」編で、クソみたいな敵の「X」として現れたんですが、徐々に理解者となり、最終的には味方になったという存在ですね。
アキヤマのライバルとしては少し弱かったのですが、味方となるとNo.2として非常に有能に活躍してくれました。
3位 ヨコヤ
ヨコヤは序盤から敵として最後までヒールに徹し、漫画を盛り上げてくれた存在です。
小柄で、誰にも敬語を使うような礼儀正しい存在でありながら、エゴイストで独善的で誰もを支配下に置きたがるという、正にフリーザのような存在でした。
最後はちょっとだけ理解者になる描写で終了するのも良かったですね。
2位 神崎 直
そしてこの作品の主人公の神崎直ですね。
とにかく人を信じることをモットーとする良い子ちゃんで、このゲームに巻き込まれたのは謎です。そして父親はもっと謎だという笑
最初は泣いてばかりだったんですが、徐々に強くなり、最終的にはかなり肝の据わったチャンネーになります。
作中では大学生でしたが、この経験を積めば何処に行っても就職できるでしょうね。
1位 秋山
そして本作のもう1人の主人公・秋山です。
元々大学院で心理学や犯罪心理学を学び、母親を騙して死に追いやったマルチ集団を騙して壊滅させた天才詐欺師です。
そしてひょんなことからLIAR GAMEに参加し、世話が焼ける直を甲斐甲斐しく見守り、サポートし、最終的には大暴れしてくれる存在ですね。
まとめ
そんなLIAR GAMEは実写化もされており、こっちの方が有名かも知れませんね。
自分は見たことはないんですが、戸田恵梨香の神崎直はかなり良さげなキャスティングと思っています。
そんな感じで甲斐谷先生の作品は面白いので、皆さんも是非チェックしてみて下さい!以上!