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#195 漫画論23|代紋<エンブレム>TAKE2

代紋TAKE2(エンブレム テイクツー)は、ヤクザがタイムスリップするという、恐らくこの先も現れないであろう唯一の「タイムスリップヤクザ漫画」ということで一定の地位を確立している漫画です。
これは1度読んだら、気づいたら最終巻62巻まで読んでしまうという魔力を持った漫画ですね。


代紋TAKE2との出会い

僕がヤンマガを買い始めた時(2002年くらい)、代紋TAKE2は既に最終戦争でした。
あの傭兵達が東京を壊滅するあたりから見たので「どういう漫画なんだ?笑」と思っており、正直その頃リアルタイムで読んでましたけどほぼ記憶が無いですね・・・
そして社会人になってから、僕も「ミナミの帝王」とか「白竜」とかのヤクザ漫画に熱中するようになり、その流れで確か1巻から読み返して、まぁハマりましたね。
未だに2年くらいに1回は全巻読み直している気がします(下手したら1年に1回)


代紋TAKE2 あらすじ

主人公の阿久津丈二というチンピラは、1980年にケンカで大学生に負けて以来、うだつが上がらないヤクザであり10年後の1990年に、自分で撃った弾が跳ね返ってきて、それに当たって死ぬという残念な終わりを迎えたんです、が!
気づけば1980年、凋落の切っ掛けにもなった大学生と喧嘩していた時にタイムスリップ。そこからは過去の記憶を辿ったり、うだつが上がらないと言えどこれまでのヤクザ経験で培ったノウハウなどを駆使し、元々の素質もありどんどんのし上がっていくんですが、のし上がったが故に、前の人生では全然ライバル視されていなかった江原の怒りを買ってしまい、そんな江原との争いが始まるんですが、最終的にとんでもないスケールの構想になります笑

第1部 海江田組構想編
第2部 府中刑務所編
第3部 千葉編
第4部 新宿編
第5部 阿久津組立ち上げ編
第6部 江原最終決戦

こんな感じですが、とにかく全部続きが気になって気になって面白い。
途中の「ウッホ」とか出てくる短編は飛ばしていいです笑


代紋TAKE2 魅力

とにかくヤクザがのし上がっていくという漫画で、どんどん規模やスケールが大きくなってきて、ヤクザものというよりかはアクション漫画として、純粋に面白いです。キングダムとかにも近いんじゃ無いですかね?(読んだこと未だに無いですが)

阿久津も最初は「ルートコ」とかばっか言ってたスケベヤクザだったんですが、舎弟や経験が増えてから真面目になり、最後はシリアスになりますが、信念を持った筋の通ったヤクザです。
取り巻きも色々とバラエティに富んだ連中が集まり、更には敵であり作品通しての終生のライバル・江原との一騎打ちは引っ張って、引っ張って、引っ張って、最後はちょっと意外なオチで終わります。

そしてオチといえば、この作品自体のオチ(最終回)に対してはかなり批判的な意見が多く、「東京大学物語」「ハイスクール奇面組」などに並んで、ダメ最終回の代名詞的な感じになってますが、僕はこのオチが大好きですね。
てか、このオチしかないでしょうって感じですし、すごい読了後爽やかな気持ちになります。TAKE3も読みたい!と思っちゃいますね。


代紋TAKE2 クズランキング

やはりヤクザ漫画というのもあり、良いヤクザも出てきますが、圧倒的に悪いヤクザが多く、クズがたくさん出てきたのでランキング形式にしてみました。


10位 神田 賢治

こいつは本当にどうしょうもないやつでした。
初めて出てきた荒くれもので、当時丈二が属していた海江田組をメチャクチャにして、抗争にまで発展させるクレイジー・ダイヤモンド。
更には刑務所に収監されてした時期に「ありえない脅し」をして早く出所するという何でもあり野郎。
更には民間人(土橋の彼女)も殺し、最後は土橋にリベンジかまされます。
 

  9位 左翼(アカの兄ちゃん)

刑務所でクーデターを起こし、大暴れしていた極左青年
全刑務所の受刑者を解放せよ!というその思想に誰もついてこれず・・・最後は刑務所の暴動も阿久津に鎮圧され、ヤケクソで爆破しようとするのも失敗し、最後は佐山に頭を弾かれて死亡する哀れな青年でした。


  8位 太田原

こいつもわかりやすいクズ野郎でしたね。
丈二に借金を返済してもらっておきながら、江原に丈二の情報を売るコウモリ野郎。元々はかなりえらい幹部(二代目海江田組長の兄弟)にも関わらず最後は絶縁されて失脚していくという、小悪党の末路みたいな感じでした。


  7位 菊水会の会長

こいつは本当にクズ野郎でした。
第1部で一番のクズはこの男でしたね。
こいつのせいで菊飴戦争が泥沼化し、山崎のおやっさんも死に、ツトムも死に、丈二も捕まることになったんです。
殺されるべくして殺された、そんなクズでした。


  6位 大森(明石組)

こいつも情けない男でしたね。
こいつが原因で、江原は傭兵を雇い、東京は火の海と化したのです。
にも関わらずあっさり白旗をあげるような、本当にクソヤローでした。


  5位 ロン毛の殺し屋

こいつは主義思想が無い分、ヤクザよりタチの悪いやつでしたね。
いきなりカップルを殺してマンホールに死体を入れたり、ミヤちゃんに惚れてた刑事を殺したり、とにかくクズでした。


  4位 清水  

そしてこいつですよ!THE クズ
初期の方から出てきて、最終巻までずっとクズ道を全うした、ある種愛すべきキャラクター。
6代目の田上梅沢(というヤクザの広範囲の団体)のTOPになれなかった嫉妬で、丈二を恨む、恨む、恨む!
そして最後は裏工作が全部バレ、丈二の無二の親友・欣也に命乞いをしながら殺されるという哀れれな末路でした。


  3位 志村 

そして志村です。
序盤はまともだったんですが、途中から狂ってしまいました。
丈二への嫉妬でおかしくなり、自分の親である中山の兄貴をなぜか殺そうとして(清水が裏で糸を引いてたのもありますが)、殺し屋を雇って中山の兄貴を襲撃し、更には殺し屋まで口封じで殺すというクズっぷり。まさにヤクザ!THAT'S ヤクザ!
最後は江原の謀略で、子に殺されるという因果応報で絶命する。カルマですね。


  2位 江原  

そして何と言ってもこいつですよ。
丈二の終生のライバルにして、作中のラスボス。
とにかく自分の出世のためならどんな裏切りでもする、ある種究極のわかりやすいヤクザでした。
丈二と海江田跡目を巡る第4部までは上昇志向の塊でしたが、それに敗れた第5章以降は丈二に対するリベンジャーと化し、そしてテロリストを雇い、何度も言ってますが東京を火の海とするのです笑
そして、丈二と「最後はサシで対決だ!」と約束しても、そこに傭兵の軍曹を行かせる鬼畜っぷり笑
とにかく金儲けもできて、頭の回転も早くヤクザにならなくても絶対大成できたはずのキャラクターですね。


 1位 カルロス・クレイバー

そして1位はこいつ以外あり得ないでしょう。
フランス・マルセイユの傭兵組織に所属し、江原からの依頼を受けて部下6人くらいと共に、日本中をメチャクチャにした鬼。
警察やヤクザを含めて1,000人くらい殺したんじゃないですかね?笑
恐ろしい男です。


まとめ

とにかくヤクザ漫画好き以外の人でも楽しめると思うので、是非読んでみましょう。
そして何度も言いますが、俺はこのオチがすごい好きなので多分少数派なんですが、同じ感想をもった人は飲みにいきましょう笑

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