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#011 TV論①|北の国から

拝啓、けいこちゃん

本日飛び込んできた五郎さん(田中邦衛)の訃報はあまりにもショックで…
そんなことは全然知らなかった…
と、思わず純の語り部を真似てしまうのも不謹慎なので控えますが、とにかく追悼の意を込めて、私が人生で一番愛したと言っても過言ではないドラマ「北の国から」について語ります。

1. 「北の国から」の魅力

これだけ日本国民に愛されたドラマは無いでしょう。
家族の絆、そして北海道の自然の厳しさなどのイメージを深く印象付けた、そんな素晴らしき美しきドラマ、今の日本でこの作品のような作品を作るのは時代が違うので難しいでしょう。
北海道人はみんなこの作品が大好きだったと思います。うちも両親が大ファンだったし、北海道では土曜日にTVドラマ版がよく再放送されていたので、僕もそんな英才教育を受けて気づけば北の国からフリークになっており、リアルタイムでは92巣立ちあたりから気合入れて見るような子になってました。

存在は知ってるけど、あらすじを知らない人も多いと思うので簡潔に説明します。

主人公が五郎なのか純なのかは意見が割れる所ではありますが、父親である田中邦衛演じる五郎は北海道の富良野出身で、東京に上京してガソリンスタンドで働き、奥さんの漢字怪しいですが怜子(いしだあゆみ)と結婚したら、が生まれます。そして五郎に懐く蛍と、怜子に懐く純。
そんなある日、五郎は怜子が浮気しているのを、蛍とサプライズで驚かせようとしていた時に目撃してしまい…
結果離婚して、純と蛍を連れて北海道は富良野、麓郷に帰る所から物語はスタート。

東京で塾に通ったりしてクソ生意気に育った純はTVも電気もない北海道の生活に馴染めず東京に帰りたがり、一方蛍は環境に適応して楽しみ、怜子は純も蛍も東京に連れ戻したく、五郎は五郎で空回り…
と、北海道の大自然を舞台に、家族がそれぞれの思いをすれ違わせながら、大切なものに気づいていく、そんな人間賛歌です。

そして怜子が逝去し、純は東京に戻るチャンスがあったのに北海道を選んでドラマシリーズは終わるのですが、そこからは単発で特番が開始されます。純は北海道で親友の正吉とすれ違い、頑張って建てた丸太小屋を火事で燃やしてしまい、中学校で恋をして別れ、高校から東京に上京して定時制の高校に通い傷害を起こしてしまい、知り合った女の子を孕ませ、富良野に帰って付き合った彼女が元AV女優だった事を知り、借金を背負い故郷を追われて…と、かなりハードな人生を送ります。
一方の蛍は中学卒業までは良い子で純粋に育つのですが、看護婦を目指していた看護学校で彼氏ができて、彼氏と付き合いながら看護婦になり、不倫して駆け落ちし、不倫相手と別れたけど子供を身籠っており…と、蛍も蛍でエグい人生を送ります。

そんなダメ息子とダメ娘を何も言わず、優しい愛で見守るのが五郎、そんな感じで自然と家族愛で現在社会に警鐘を鳴らす、そんな作品です。
まぁ、とにかく見るのが一番です。見ましょう。


2. 僕の選ぶ北の国から名シーンBEST10

10位「誠意」

92巣立ちで純のアホが裕木奈江を孕ませて、高倉健にぶん殴られるんですけど、その後に五郎さんがカボチャを持って土下座して謝り、誠意を伝えようとするが「誠意って何だね?」と一蹴されるシーン。
結局五郎は家を建てる様に用意した木材を売った金を慰謝料として支払うのですが、改めて純のバカ息子さが際立ち視聴者の拳を硬くさせました。


9位「五郎の遺言」

2002遺言で五郎が最後に残すメッセージですね。
全文はどっかにあるんで調べて欲しいですが、「金なんて望むな、倖せだけを見ろ」の発言は至高ですね。


8位「生き埋めになって生還する五郎」

92巣立ちで除雪(掃除?)をしようとして丸太小屋に近寄った刹那、雪の重みで小屋が崩れて丸太が崩れ、両足が丸太の下敷きになり一歩も動けない五郎。スコップの柄の木の部分を削ってライターで火をつけて暖を取りなんとか生き長えます。
看護婦の蛍がそんな五郎を発見し取り乱すんですが、蛍と同時に五郎を発見した親方が、そんな蛍を引っ叩いて「お前、看護婦だろ!しっかりしろ!」と怒鳴りつける演技が素晴らしかったですね。


7位「蛍、いつでも富良野に帰ってくるんだぞ!」

95秘密で妻子持ちの医者と駆け落ちする際に、一瞬富良野に寄った蛍が駆け落ち相手がいる落石という町に駆け落ちする際に、電車で向かう蛍に叫んだシーン。ここはマジで泣けます。


6位「I LOVE YOU」

87初恋で、純が初めて恋をしたれいちゃん(横山めぐみ)が家庭の事情で夜逃げした際に、誰もいない山小屋(ここで雨宿りをした淡い思い出がアリ)に、ウォークマンと、お互いが当時好きだった尾崎のカセットテープがれいちゃんからのクリスマスプレゼントとして置いてあり、I LOVE YOUが流れて純号泣。僕も号泣。


5位「電車で東京に帰る母・怜子を見送る蛍」

蛍は「五郎派」なんですが、怜子が富良野に来て、こっそり帰る時にこっそり帰りの電車に乗る母親を走って追いかけるシーン。この頃の蛍は神がかり的に可愛いです。


4位「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」

そして超有名なシーンですね。
これは前述で触れた丸太小屋焼失事件について、純と一緒に遊んでいた正吉に、卑怯な純は罪を着せるのですが、罪悪感に耐えきれず、閉店間際のラーメン屋で五郎に泣きながらカミングアウトをするシーン。
純は泣いてほとんど食べれなかったんですけど、そこで早く店を閉めたい店員は執拗に「早くしてください」「困るんですけど」的な事を言い、五郎が観念して金を払ったその刹那、そのアホが純がほとんど手をつけてないラーメンの器を片付けようとして、上記の発言!これは激アツ!
そして店員は器を床に落として割れてしまい、結局純は食べれないのですが…


3位「泥のついた万札」

87初恋のクライマックスシーン。
定時制の高校に行くために、上京する純に対し、金がない五郎は長距離トラックの運ちゃん(古尾谷雅人)に頼みこんで無理矢理東京に連れてってもらうんですが…
その運ちゃんに五郎は寸志として2万円渡すんですが、運ちゃんがその2万円の入った封筒を純に手渡し「泥がついてる、俺は使えん。お前が一生大切にしろ」と言って、純もその泥のついた万札を見て号泣。僕も号泣。
(のちにこの万札が盗まれて純は傷害を起こすのですが…)


2位「僕も、家族だと思ってますから」

92巣立ち。純の幼馴染の正吉という友達が本当に良いやつで、丸太小屋を燃やした贖罪意識を持ち続けていました。この時期フラフラしていた純と蛍に代わり、五郎の家に遊びに行ってお金を手渡し「一生かけて払っていきます…僕も、家族だと思ってますから」という名言を残す。僕も号泣。


1位「草太兄ちゃんのテープで録音した蛍への結婚スピーチ」

98時代で、純と蛍をずっと可愛がってくれた草太兄ちゃん(岩城滉一)が不慮の事故で亡くなってしまうのですが…その前段で、不倫相手の子を身籠った蛍と、蛍をずっと好きだった正吉を結婚させてたんですね。
そしてその式が決まった後に事故が起きてしまうのですが、結婚式のスピーチの練習をしていたようで、実際の式で、草太が練習していたスピーチがテープに残っていて、そのテープが流れてオーディエンス大号泣、一家全員大号泣。

3. 最後に

とにかく、こんな最高のドラマは無いので、
シリーズ化されて分量も多く、完結するハードルは高いですが、まだ見ていない人には是非見てほしい作品ですね。

そんな感じで北の国からについて語りましたが、
そんな名作に主演し、我々のように心に深く印象を残した、田中邦衛という日本を代表する偉大なる名俳優に最大限のリスペクトを込めて…Rest In Peace。大好きでした。

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