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#427 読書論17|SPEED(金城一紀)

気づけば金城一紀について熱く語ってしまっていますが、これで最後です。

本来であればこのゾンビーズシリーズ、最終作で「レヴォリューション No.0」という作品も紹介できるんですけど、あまり琴線に触れなかったので、一番面白かったSPEEDをラストに紹介して、綺麗なまま終わりたいというか笑




SPEED あらすじ

ゾンビーズシリーズの第3作、今回の主人公はお嬢学校の聖和女学院に通う平凡な女子高生・佳奈子です。
そんな佳奈子の日常は、尊敬して敬愛する家庭教師・彩子さんの謎の死を持って、ガラリと代わります。彩子さんが自殺するわけがないと、死の謎を佳奈子は探るのですが・・・そんな佳奈子の前に立ちはだかるのは中川という悪い奴で、こいつの舎弟的なワルたちが佳奈子に襲いかかるのですが、偶然出会った風変わりなオチコボレ男子高校生が佳奈子を助けて、そんな男子高校生たちに導かれ、佳奈子は戦うことを決めるという話です。

前作「フライ、ダディ、フライ」と通じる部分もありますが、全然気にならない名作です。


SPEED 魅力

「フライ、ダディ、フライ」よりも敵が悪いので、スケールが若干大きくなります。

そんな中で、主人公の佳奈子が色々な事を知り、「感情の変化」「思考の変化」「行動の変化」など、成長が感じられるのがこの物語の魅力的な部分ですね。

あとはやはり、金城先生独特の言い回しが非常に良いですし、例によってこの小説も一人称で、佳奈子の目線の物語なんですけど、感情の変化や思いの変化が伝わりやすく、非常に読みやすいです。
すらすら読めてしまいます。多分1時間かかからないで読めるんじゃないですかね?

そしてオチの部分もいいんですが、物語とは関係ない所で、ちょっと佳奈子が新しい感情を抱くんですね。
その感情が「それとも?」という5文字に集約されているのが非常に素晴らしいテクニックだと思いました。この表現が大好きですね。

そんな感じのSPEED、いつ読んだのか覚えてないですが、奥付を見ると初版が2005年7月1月で、家にあるのは再版(二刷)の2005年7月20日でした。
おそらくこのタイミングで買って読んだと思われるので、22歳の頃に読んだんだと思いますが、やはりこの手の本はいつ読むかも大事なので、高校時代とかに読んだらバイブルになるかと思います。更に男子が読むより、女子高生(JK)が読んだ方がいいんじゃないでしょうか。
僕はちょっと遅かったですかね。

漫画も出てます。
読んだ事ないですが、まさに小説のイメージ通りで、可愛らしいですね。


SPEED まとめ

そんな感じで非常に読みやすい物語です。
そして実写化もしやすいテーマだと思いますが、なぜかこれは実写化されていないですね。何か理由があるのか?謎です。

そんな感じですが、小説はやはり素晴らしいですね。
読書というのは人間で最も高尚な趣味、時間潰しだと思ってます。
社会人になって小説をほとんど読まなくなり、ビジネス書とかその手の本ばっかり読むようになりましたが、ここ数年は逆に小説を読むことが多くなったりしました(最近また読まない期に入りつつありますが・・・)

そんな感じで是非、機会があればSPEED、読んでみてください!


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