見出し画像

#581 アルバム論30|ATOMIC HEART / Mr.Children(1994)

深海から遡って、1stのEverythingから、Kind Of Love、Versusと紹介させていただきましたが、今回は4thアルバム「ATOMIC HEART」を紹介させていただきます。
以前にも紹介しましたが、僕が人生で初めて買ったミスチルのアルバムですね。


ATOMIC HEARTを買った経緯

僕がJ-POPをガッツリ聞くようになったのは1994年くらいでした。
この年は小学5年生で、家なき子がヒットして、中島みゆきがヒットして、trfがヒットして、小室ファミリーがブイブイ言わせていたこの年、シングルが狂ったように売れていたのですが、この年のオリコンを制したのはミスチルのINNOCENT WORLDでした。

で、この辺でミスチルを聞きたいと思い、ねーちゃんに相談した所、確かATOMIC HEARTを紹介されたので、なけなしの小遣いをはたいて、地元のCD屋で購入しましたねえ。

この頃の3,000円は大金でしたので、「元を取るぞ!」という勢いで聞いていた記憶がありますね。

この裏ジャケ怖かったですね


これまでの3枚のアルバムは、1アルバム1シングルのルールでしたが、今回のアルバムは「CROSS ROAD」と「INNOCENT WORLD」というヒットシングル2曲を含んだアルバムであり、まぁ売れるわな…という感じで、ミスチル史上一番売れたアルバムであり、300万枚以上売れてるというモンスター・アルバムです。
3,000円×300万枚=90億円!!!


ATOMIC HEART全曲紹介

1. Printing

まずは謎の印刷音でこのアルバムは始まります。
インタールードというか何というか、2曲目に繋がる感じの曲ですが、なんで印刷音なのかは正直よく分からん笑
そんなに2曲目との関連性も分からんので30年経った今でも謎です笑


2. Dance Dance Dance

このアルバムを代表するロックナンバーですね。
リリースされてから、かなり高頻度でライブでも演奏されており、メンバーの思い入れも相当ある曲なのでは無いでしょうか。
ギターのリフが印象的で、終始攻撃的なリフが続きます。
そしてベースも何気にカッコよく、ミスチルを代表する攻撃的なライブで盛り上がる曲なのではないでしょうか。
村上龍の同名の小説との関係性は不明です。



3. ラヴ・コネクション

この曲はTomorrow Never Knowsのc/wに昇格していた曲ですが、この曲も大分ロックテイストですね。
完全に洋楽みたいな曲で、あんま詳しくないですけどローリングストーンズとか、その辺のかほりを感じる曲ですね。
「Tell Me What Do You Want, Oh What You Think, Baby?」みたいな歌詞が正に洋楽スメルを感じるという。

そんな感じでこのアルバム、ATOMIC HEARTはロックテイストの曲が2曲冒頭で続いて、モンスターシングルの次曲に続きます。


4. Innocent World

90年後半を代表する曲ですね。
初めて聞いた時は覚えてないですけど、なんとなく自然に知っていて「いい曲だな‥」とは認識していましたが、アルバムで今一度しっかりと聞いて、改めて感銘を受けました。マジで素晴らしい曲です。

この曲と言えばやはりギターのリフです。
いつどこで聞いても初めて聞いた時期にタイムスリップできる名イントロです。
そしてとにかくサビのメロディが本当に美しい。この時期の櫻井さんの才能はエグイです。

そして歌詞も深いんですね。タイトルは「無罪の世界」ですが、サラリーマンの悲哀を歌ったようにも感じるこの歌詞は、もう全ての煩わしさをぶん投げて、「優しい世界に行きて―!」という風に僕は受け取りました。リーマンになってこそ染みる、そんな曲ですね。

売れるべくして売れた、そんな曲でしょう。


5. クラスメイト

この曲はKind Of Love辺りに収録されていても違和感ないような、ストーリー性があり、世の中でこんな光景腐るほどあるだろうなという、「あるある」を曲にしてくれています。
まぁ、同窓会か何かであったクラスメイトとデキちゃったという、そんな曲ですね。
この曲も個人昇格して、everybody goesのc/wとなっております。


6. Cross Road

そしてミスチルがブレイクした切っ掛けの4thシングルですね。
ドラマの主題歌として使われて、この曲でミスチルの名前は世間に広まり、次のシングルのINNOCENT WORLDのメガヒットに繋がったと言っても過言では無いでしょう。

歌詞はかなり韻を踏んでいて、楽しんで作った曲と推察されますが、この曲はとにかくメロディが鬼ポップですね。
個人的にはBメロのメロディが一番好きですね。

そしてこの曲は高すぎてカラオケで歌えないという、男泣かせの曲です。


7. ジェラシー

ヒットシングル2曲が続いた1~6曲目までをA面と置けば、この曲からがB面になるんですけど、この曲はめっちゃ重いです!
歌詞もテーマも何もかも重く、そして長い。
聞いていて結構しんどくなる曲です笑


8. Asia(エイジア)

で、ジェラシーに続くこのAsiaもなかなかヘヴィーです。
この曲はJENが作った曲なんですが、「思春期の夏」とか「逃亡者」みたいな軽やかなカントリー調の感じでは無く、この曲も重いという笑
この7~8曲目は割とスキップしがちです笑


9. Rain

これはインタールードというか、次の「雨のち晴れ」に没入させるためのイントロですね。
Dance Dance Dance然り、このアルバムでミスチルは気合を入れたい曲には前奏をつけるというのが流行っていた感じですね(深海でもこのテクは使ってましたし)


10. 雨のち晴れ

サラリーマンの悲哀・悲壮を描いた本作でもちょっと異例な曲です。
まさに「思春期の夏」風のテンションの曲ですが、櫻井さんが作っているうちに自分で歌いたくなって歌ったという、櫻井さんも思い入れがある曲ですね。
このアルバムがリリースされた時、櫻井さんは24歳というまだまだ若造だったはずなのに、なんでこんなリーマンの苦悩が分かる歌詞をかけるのか本当にセンスに脱帽です。すべてのリーマンを支える応援歌ですね。

あと超余談ですが、この曲がesのc/wになったあたりで、クラスメイトの「根本」をイジるときに、この曲の「ねぇ、もっと」のフレーズを使ったりしていましたね笑


11. Round About ~孤独の肖像~

このアルバムで一番BPM速い曲で、初めて聞いた時はこのアルバムでかなり好きな方な曲でしたね。
結構スケールが大きい感じのイントロと、ドラマチックな展開と、乾いた感じのメロディも好みです。個人的にはBメロが一番好きですね。
雨のち晴れに続いて、このアルバムを最後に盛り上げる攻撃的な曲ですね。


12. Over

アルバムの最後を締めくくるのはミスチル史に残る、最高のバラードナンバーです。この曲は本当に大好きですね。
失恋して弱っている時に聞いたら絶対泣いてしまう、そんな曲です。

このメロディの美しさたるや、ken yokoyamaのMaybe Maybeであったり、KANの言えずのアイラブユーでも似たようなメロディの名曲を輩出していることから垣間見えますが、メロディが最高にメロウで染みますね。
サビの最後の「心変わりを責めても」のとことか、本当にウルッと来ます。

そしてこの曲がやはり最高なのは歌詞でしょう。
「顔の割に小さな胸」とか「風邪がうつるといけないからキスはしないでおこう」とか、その情景が浮かぶ、身近な世界観なのが素晴らしい。
そして僕が一番好きなのは「多分僕は忘れてしまうだろう、その温もりを、愛しい人よサヨナラ」の部分。ここは本当に大好きですね。

永遠に語り継がれる名曲ですね。


まとめ

そんな感じで人生で始めたかったアルバム「ATOMIC HEART」を紹介しました。
ミスチルのアルバムで一番好きなのは深海で、それ以外は互角すぎて選べないのですが、やはり人生で一番最初に買ったこのアルバムは思い入れは大分ありますね。

深海はもう紹介しているので、続いてはBOLERO、そしてDiscoveryですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?