#844 アルバム論57|angel beetle / ↑THE HIGH-LOWS↓(2002)
ハイロウズのアルバム論も終盤戦、本日は前作HOTEL-TIKI POTOから1年ちょいぶりの2002年にリリースされた7thアルバム「angel beetle」を紹介します。このアルバムはメッチャ聞きましたね。
angel beetleとは?
このangel beetleという「天使のカブトムシ」という謎の造語ですが、その言葉に意味はないそうです笑
前作のタイトル同様、本当に何も考えてないんだなと思ってしまうタイトルだったりします。
そのアルバムジャケットは完全にイングランドなんです。
なぜイングランドなのかは、恐らくですがこの年に開催されたスーパービッグイベント、2002年日韓ワールドカップ。
この時の空前のベッカムブームに、ハイロウズも引っ張られたのでしょう笑
7枚目のアルバムだから、7番=ベッカムという繋がりかも知れませんし、この後のツアーのTシャツでは、背番号7になってましたからね笑
アルバムと一切関係ないんですけど笑
angel beetle 歌詞カード
angel beetle 渾身の全曲開設
1. Too Late To Die
この曲を初めて聞いたのは2002年のライジングサン、「新曲でーす」と発売前に聞きましたが、その時に聞いた1回で覚え、シングルを買った時にはほぼ認識していた中でズレは無かった、それだけシンプルでキャッチーなサウンド。
ノリが良くて、一度聴いたら覚えられる曲を作れるというのは何気にこれは結構凄いですよね。
とにかくライブで最高に盛り上がる曲です。
リズムに合わせての「Oi!」が楽しいですね。
そしてタイトルの意味が結構深くて謎だったりします。
「死ぬには遅すぎる」というのは、ジジイすぎるということでしょうか?
とにかくオープニングに相応しい、上がるシングル曲ですね。
2. ななの少し上に
このアルバムのベストソングと言っても良いでしょう。
この「なな」が7枚目の「なな」ではなく、歌詞の中にもある「斜め」の説が濃厚ですが、とにかくぶっ飛びまくった歌詞で、何が言いたいのかはさっぱり分からないんです笑
ただ、この辺の歌詞はカッコいいですね。
言葉の意味はよく分からんがとにかく強い自信だ!
この曲の特筆すべくはメロディですね。
メロディが本当にメロウで素晴らしい。
シングルにしても良かったんじゃないかと思うレベルの名曲です。
3. スカイフィッシュ
この曲はメッチャカッコいいです。
マーシーが作った曲なので関連性は無いと思いますが、ブルーハーツ時代にヒロトが作った曲にイントロが似ていて、そこが結構カッコいいです。
とにかく演奏全般ですが、特にベースが最高にカッコいい。
ママミルクにも通じる、とにかく演奏カッコいい系の曲です。
そして歌詞のこれは最高に熱い。
4. アメリカ魂
この曲も大分攻めてていいですね。
ちょうど時代は2002年、アメリカがイラク侵攻をしている真っ只中、
そんな中で皮肉にアメリカ批判をする当たりが秀逸、流石マーシーです。
よくこれが通ったなという感じがしますね笑
前作のニューヨークではほぼ無かったマーシーの怒りが爆発していると思わせつつ、サビは駄洒落だったりする当たりが憎めないですね。
ライブでの「U!S!A!」コールや、マーシーのアメリカ国家のギターソロなど、なかなか聞かせる部分が多い秀逸な曲です。
5. 毛虫
過去に「虫」という曲がありましたが、今回は「毛虫」です。
とにかくファニーで、メルヘンで、可愛い曲ですね。
毛虫なんて、どちらかと言うと可愛くない代表みたいなところがあるんですが、とにかくこの曲は最高に可愛く、そのアンバランスさが秀逸です。
歌詞は毛虫を食べようとしていて可愛くないんですけど笑
ちょっと前に毛深い芸人が出てくるときに、この曲が使われてました。
そんな感じで世代を超えて、未だに愛されている曲ですね。
ライブで聞いた時も「あ、この曲やるんだ」と思った記憶がありました。
6. 天の川
マーシーが作った超絶メルヘンな曲です。
まずタイトルの天の川がメルヘンですし、イントロも相当メルヘン。
そして歌詞のぶっ飛び具合がヤバイ。このアルバムは全般そうなんですが…
マジで解読不可能ですよね笑
ただ、本当に幻想的でメルヘンな曲なんです。
そして最後までぶっ飛んでいて、こんな感じで終わるという笑
7. マミー
なかなか壮大なロックバラードですね。
このマミーはお母さんでも、森永の飲むヨーグルトでもなく、ドラクエやトルネコでおなじみのミイラ男のことを歌っている気がします。
相変わらずシチュエーションがぶっ飛びすぎていて難解な歌詞ですが、「ミイラに布を分けてくれ」と言っている、それだけの曲ですね笑
前々作の「岡本君」にも通じる感じの曲かなととも思います。
「世紀が揺れてる」の所は好きですね。
8. 俺たちに明日は無い
べっちゃんのベースソロがいきなりカッコいい曲です。
ファンタジー系の曲が続いたのですが、ここで久々にロックに戻る感じですね。
言うまでもなくタイトルは同名の名作映画「ボニー&クライド(邦題:俺たちに明日はない)」から拝借している感じですが、その映画を見てる感じなんですかね。
「雨に乗り」のあたりのメロディラインが好きです。
9. Born To Be Pooh
これまた可愛いというか、メルヘンな曲ですね。
白井さんのキーボードが響き渡る曲です。
このPoohはプーさんではなくプータローのプーですね。
あまり英語をタイトルに使わないハイロウズなんですが、このアルバムは3曲が英語となかなか多めだったりします。
そしてこの曲も本当に歌詞が難解すぎて、何も分からないのですが・・・
解読は不可能のようです笑
マジでこのアルバムは難解な歌詞が多すぎて楽しいですよね笑
10. 映画
そんな感じでカオス歌詞が続く中、このアルバムで唯一と言っても良いくらいまともな事を言っている曲ですね。唯一の良心です笑
ホーンで始まる感じが新しかったりするんですけど、全体的に素晴らしい。
サビのメロディもすごく美しいし、逆に新鮮で、ヒロトの歌声に非常にマッチしています。
普通に名曲なんですが、曲者が大すぎるこのアルバムにおいては逆に異質に映ってしまうカオスさがあったりします笑
11. つき指
この曲の歌詞が一番ぶっ飛んでるんじゃないですかね?
まず「つき指」というタイトルがイカれているんですが、もう歌詞とか凄いですよ笑
1943年のラバウル空襲について歌っているようですが、とにかく謎です。
そんな感じなんですが、曲調はこのアルバムで下手したら一番ロックで早目の曲かも知れません。
ライブでも演奏していましたね。
12. 曇天
これも前述のTOO LATE TO DIE同様、ライジングサンで発売前にライブで聞いて、この曲もその場で覚えましたね笑
とにかくクソシンプルなロックンロールで、ライブでも序盤に演奏するケースが多かったですね。
炬燵がちょっと暑すぎるんじゃないかって感じです。
13. ecstasy
この曲もなかなか異質ですね。
まず、なぜこのタイトルを持ってきたのかが不明ですが・・・笑
とにかく冒頭でもサビでも同じフレーズ、
「All I Want Is ecstasy」が連発され、俺は欲しいすべては快楽だ!と連呼するという笑
そんなイカれた歌詞ですが、メロディは非常に美しい。
AメロもBメロも奇麗で、サビにつなげる展開もスムーズで非常に聞きやすい曲です。
14. 一人で大人 一人で子供
そしてハイロウズでは珍しく、シングル曲でアルバムが終わります。
(と言いましたが月光陽光もありましたね・・・)
この曲もなかなかカオスな歌詞なんですが、
人には「大人の人格もあれば、子供の人格もあるんだよな」という意味で僕は解釈しています。
だから常に腰痛を心配されるという、そんなグルーヴと思っています。
白井さんのキーボードが冴える、最後の曲ですね・・・
angel beetleのツアーに行った思い出
未だかつて、一番家から近い場所で行ったライブですね。
家から原付で5分くらいという、とんでもないライブであり、あげく最前列でマーシーを見た、非常に楽しいライブでした。
ピックもGETできたし、アルバムの曲も、十四才もロッキンチェアーも聞けたゴキゲンなライブでしたね。
angel beetle ヒロト曲とマーシー曲
今作も前作同様、全14曲のうち7曲ずつをヒロトとマーシーで担当してます。
悩ましいですが・・・「ななの少し上に」があるので、このアルバムではヒロト派ですかね?
これで7枚のアルバムのうち、ヒロト4枚・マーシー3枚の接戦です。
まとめ
次紹介するのが、ハイロウズのラスト・スタジオアルバムの「Do!! The★MUSTANG」ですね。
ハイロウズ特集ももうすぐ終わりと考えると、なかなか切ない限りです!