#102 映画論②|キッズ・リターン
映画論2回目、今回も北野映画について紹介です。
今回はキッズ・リターンについて書きましょう。
キッズ・リターン
あらすじ
キッズ・リターンは1996年に公開された映画でして、北野作品らしからぬ青春映画です(そもそもたけしが出てきません)
主役の金子賢と安藤政信(デビュー作)であり、安藤政信が舎弟ボジションのヤンチャな2人組で、学校で悪さばっかりする高校生なんですけど、たまたまカツアゲした相手(の知り合い?)がボクシング経験者で、ボコボコにされるんです。
で、賢はボクシングで復讐すると誓い、ボクシングを始めるんですが、当然舎弟の政信も誘い、政信も一緒にボクシングを始めるのですが、スパーリングをやったら政信が勝ってしまうんです。ボクシングのセンスがあったのは政信だったという。
で、賢はショックでボクシングを辞めてヤクザになり、政信はボクサーとして頑張るんですが、お互いヤクザとしてボクサーとして周りの悪い大人の影響で挫折を味わい、そして再会するんです。
そしてそこからのセリフがこの映画で最も評価された(と思われる)、超有名なセリフですね。
政信「・・・俺たち、もう終わっちゃったのかな?」
賢 「バカ、まだ始まってもいねーよ」
青春の甘酸っぱさを思い出す、そんな映画ですね。
所感
バイオレンス色も薄めであり、北野作品の入門編としては非常に良いかと思いますが、これをいつ見るかが大事な気がしますね。
僕は初めて見た北野映画がこれ(もしくは菊次郎の夏)なんですが、これを見たのが確か17歳とかそれくらいで、最も共感できる年齢であり、最も多感な時期に見たのでより印象深く残ってるのがあります。
この手の青春の蹉跌を描く作品は多いと思いますが、この作品は主人公2人と同時並行で同級生で芸人を目指す友達とか、営業マンの友達の成長の姿を描いたりするのも良いですね。
そしてヤクザも、ボクサーも、芸人も、営業もですが、みんな共通してろくでもない先輩や上司がいて、そういう人たちに苦悩するというのはまさに人生の縮図!カルマなのです!
そうした世の中の不条理をふんだんに入れ込み、青春の群像劇として表現するのはガーサスですね。
あと恋愛の要素とかがほぼ出てこないのがいいです笑
そう!青春には女性は不要(というか手が届かないもの)なんです笑
と言うわけで、なので北野映画の登竜門としてこの映画をオススメします。
間違えても「ソナチネ」とか見ないでください笑
今見ても普通に面白い映画だと思いますので、是非チェックしてみてください!