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#529 読書論22|美女と野球(リリー・フランキー)
前作、「誰も知らない名言集」に引き続いて、僕の大好きなリリー・フランキーのエッセイ「美女と野球」を紹介します。
美女と野球とは?
リリー・フランキーが1998年に刊行した書籍です。
尺を稼ぐ為にAmazonの書評を引用しますが、下記のような紹介文がございます。
リリー・フランキー(♂)。日本人。イラストレーター。日本美女選別家協会NO.001。人間研究家でありながら、感動家。
3冊目の著書にあたるエッセイ集『美女と野球』のタイトルが、「これといって趣味も興味も夢も野望もなく、日々、のんべんだらりんと過ごしています。好きなことといえば美女と野球くらいしかない…」(まえがきより)という、自身の自己認識からついてしまったくらいの謙遜家でもある。が、それはあまりのご謙遜であろう。
その文章から察するに、彼は鋭い観察眼をもち、正直者で、正義感が強く、電車の中で読む者をして、ツボにはまってしまってクスクス笑いを抑えられず、思わず向かいの席の人の様子を下からうかがわせてしまうほどの表現力を備えた人物である。
しかも扱うテーマは社会の差別から真の人間理解、そしてSEXから糞尿の世界までと幅広い。あまりの上品さに眉をひそめる向きもあろうかと思われるが、それは「解る人には解る。そんな世界である」と、本文にもある通りなのである。なかなか考えさせられる部分もある深い1冊である。(家永光恵)
「誰も知らない名言集」でも触れましたが、「誰も~」が面白かったので速攻この美女と野球も買って、相当ハマりました。爆笑しながら読みましたね。とにかく大好きで大好きで何度も読みました。
作品の8割くらいが下ネタですが、その辺のバランスが最高に面白かったです。
大学時代にリリーさんの文章に出会えたのは、かなり僕の人格形成にも影響したと思ってます。
美女と野球 名作集
お気に入りを10作セレクトしました。
是非、読んでみてください。ほとんど下ネタになってしまいましたが…
シンクロ鬼コーチ
カレー屋のトイレでの事件です。
自分の存在意義に悩むリリーさんが、トイレで恐ろしい事件に合う話ですが、とにかく面白い。
落書き帳へのコメントとかが本当にセンスしか感じないですし、小谷美香子という比喩が秀逸。読めば分かると思います!
スタンド・バイ・ミー
これも大好きです。
リリーさんが小学校時代のクソくだらないエピソードなんですけど、「まさに、"スタンド・バイ・ミー"が流れてきそうな少年時代と言える」と書いてあるんですが、本当に頭悪くて笑います。
あと、「この時点では」というコメントでこんなに笑ったのもこの時が最初で最後ですね。
ハワイのオカン
これもマジで笑います。
もうリリーさんの随所の言葉選びがマジで秀逸。
「出しッパーズ・ギター」とか、「今まで生きてきてノーパン・ノーブラという言葉をここまで忌まわしく思ったことは無い」とか、本当に面白いですね。
SEXなんてなければいいのに
これは「性欲」が全ての価値観を邪魔するというある種深い、真理のテーマを物語ると思いきや、いきすぎた老人の性に関して語る話です笑
マジでグロテスクな内容です笑
大阪・自由業(75歳)ヤバいですよ笑
二階から落とすツバ
これはMAXが主演した映画を最高におちょくってるのが秀逸です笑
俺でゴメンね…
これもくだらないんですが、ちょっと泣ける話です。
「アンタは鬼か…」と思われるリリーさんが非常に秀逸ですね笑
九回裏一死一、三塁
リリーさんの青春時代の話です。
リアルROOKIESというか何というかですね笑
日常の中の非日常
下ネタですね。
一句詠んだのに爆笑した記憶がありました。
ボクが今、こうしている時…
これもなかなか深いですね。
「サッカー部のマネージャー・四番バッター松井」ですげー笑った記憶があります。
だからと言って嫌いなわけじゃない
これもマジで面白いですね。
「解る人には解る、そんな世界である」で〆るんですけど、内容はクソショーもない下ネタという笑
まとめ
不作為にセレクトしたんですが、10話中8話が下ネタでした笑
残りの2話も何パーセントかはそのエッセンスを含んでいるので、早い話が100%下ネタという作品です。
嫌いな人は全然琴線に触れないんでしょうが、僕はめっちゃ好きですね。
今読んでもセンスの高さにちょっと嫉妬してしまう、そんな名コラムです。