#354 読書論13|GO(金城一紀)
読書論ですが、前回読んだ「69〜sixty-nine〜」に近い感じの「THE 青春」と呼べるような名著・GOについて紹介しましょう。
この小説は大好きな小説ですね。
GO あらすじ
GOの作者の金城一紀は在日韓国人で、幼少期に謂れのない差別を受けていたようで・・・そうした自身のエピソードを主人公に投影したのが「GO」ですね。
GOの主人公の杉原は、在日朝鮮人の元ボクサー、現パチンコ景品換金所の親父の息子で、在日朝鮮人が集まる民族学校に通う悪ガキだったんですが、父親が在日朝鮮人から在日韓国人に国籍変更したことをきっかけに、高校進学のタイミングで日本人が通う高校に入学します。
で、速攻「在日」であることが教師のミスでバレて、目をつけられるんですが、父親からボクシングを習っていたので、まぁ強い。返り討ちにします。
バスケ部にも所属していたんですが、そこでも他校との練習試合で暴力事件を起こして退部。
とにかくハードコア・パンクな男なんですね。
そんな杉原なんですが、高校で唯一友達と呼べる存在がいました。
その友達の加藤は広域暴力団の息子なんですが、そんな加藤の誕生パーティがクラブで行われて、気が向いた杉原もそのパーティに向かうんです。
で、そこで一人の少女と出会い、二人は恋に落ちるんですが・・・
杉原は自分が在日コリアンであることをなかなか言い出せず。
ただ、言わなければならない局面を迎えて、それを告げるんですが・・・
まぁ、続きは読んでください!
そんな感じで破戒にも通じる部分がある、なかなかの名作です。
GO 読んだきっかけ
時期は全然覚えてなくて高2か高3の頃だったと思うんですが、飛行機でどこかに行く予定があったんです。
で、当時飛行機に乗り慣れてなくて、時間の使い方をあまり分かってなかったので、新千歳の空港に着いて、売店で時間潰しにこの小説を買ったんです。
で、面白すぎて、離陸前に全部読んでしまった笑
そして離陸中にもう1回読み返したという感じでしたね。
GO の魅力
1. とにかく読みやすい構成
金城一紀の小説は、基本的に第一人称で語られるんです。
第一人称で語られる小説は基本的に読みやすいと思うんですが、その中でもGOは特段読みやすいですね。
登場人物が少ないと言うのもありますが、心情の変化などの表現が抜群に上手いので、描写が伝わり、スラスラ頭に入ってきます。
2.独特の言い回し
やっぱり金城一紀の小説は特有の独特の言い回しが非常に良いですね。
あとはやっぱ一番かっこいいのはこれです。
3.物語としての完成度の高さ
やっぱり、抜群に面白いです。
久々に読みましたが、サクッと読めて、言い回しがカッコよくて、そして面白い。
余韻を残す感じで終わるのもまた秀逸です。
是非、読んでほしいですね。
GOは映画も素晴らしい
そして小説読んだ後に映画を見ましたが、
この頃の窪塚は神だったので、メチャクチャカッコよかったですね。
ちょうど映画の分量なので、まさにドンズバでした。
もう杉原は窪塚しかできないでしょう。
脚本もクドカンで完璧でしたね。
とは言え、山崎努もいいし、大竹しのぶもいい、柴崎コウもいい。
新井浩文も、塩見三省もメッチャいいですね。
僕は基本的に小説>映画派なんですけど、GOに関しては甲乙つけ難い。
以前に紹介したバトル・ロワイアルとかは、圧倒的に小説>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>映画なんですけど笑
映画もオススメなので、是非みてみて下さい。
そして恐ろしいことにYouTubeで全部あったから貼っておきます笑
まとめ
そんな感じで映画論にも近い内容になってしまいましたが、
GOは小説も映画もオススメなので、是非チェックしてみて下さい!以上!