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#989 バンド論151|SLANG(スラング)
前回紹介したブルーハーブと同じく、地元札幌で根を張って活躍を続けるハードコアパンクバンドの雄・SLANG(スラング)を紹介しましょう。
SLANGとは?
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結成は1998年(!)で、今年で結成37年目という歴史のあるバンドです。
とにかく武骨で硬派!カッコいいバンドですね。
そんなSLANGはSCHC(Sapporo City Hard Core)という言葉を作った第一人者であり、KCHC(Kashiwa City Hard Core)を標榜するヌンチャクとも通じるものがありますね。
幾多のメンバーチャンジを経て、オリジナルメンバーはヴォーカルのKOのみで、そのKOも元々はギターだったりだったんですが、時代が変わっても最前線で活躍し続けるのはカッコいいですね。
僕がSLANGは高校1年生で存在を知りまして、ブルーハーブ同様「こんなバンドがあるんだ…」と思ったものでした。
で、当時SLANGがホーム・グラウンドにしていたKOがオーナーのライブハウス「カウンターアクション」の真横のラーメン山岡家にしょっちゅう行っていたので、いつもハードコアパンクスの怖い兄さん達を見ていて、メンバーともこの時会っていたでしょう笑
とにかく同じ北海道出身者として誇りに思えるバンドですね。
SLANGの魅力
1. KOというカリスマ
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やはりこのKOはカリスマですね。
モヒカンとおびただしいタトゥー、そして元々の面構えが相当悪で、実際問題相当怖いと思うんですが、被災地で苦しむ人達を見てじっとしていられない兄貴なんですね。
東京のアーティストからも絶大なるリスペクトと信頼を受けており、ハイスタ特にken yokoyamaとの友情もあり、レーベルオーナーながら音源をPizza of deathからリリースしたり、BRAHMANと一緒にコラボしたり、とにかく愛されている男、いや漢ですね。
AIR JAM 97に飛び入りで出演しているというのも凄いですよね笑
これも人徳故でしょう。
バンドと並行して、25歳でライブハウスのオーナーになるという行動力も凄いですね。
2. ライブでの破壊力
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SLANGのライブはとにかく激しく、とにかく
これまでメインでは無いのですが・・・何回か見ています。
99年にMAKING THE ROAD TOUR、2000年のPOWER STOCK、2001年のHOPE AGAINST HOPEと、東京のバンドは「北海道でライブをやるならSLANGとやるっしょ」的な感じで、当たり前のようにブッキングされたんでしょうね。
記憶が定かでは無いのですが、北海道で見た3回はKOがまだギターで、ヴォーカルはいかつい坊主でヒゲだった人だった記憶があります。
あとはまだ書いてないですが2015年の尽未来祭でも見てるので、計4回ですね。
3. ハードコアにこだわる姿勢
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あとはやはりハードコアパンクスとして、北海道はもちろん、日本でも確固たる地位を持ち、D.I.Yで戦い続ける姿勢がカッコいいですね。
TBHもですが北海道にこだわり、レーベルを作ってライブハウスを作って、全然ポップな方向によらずに、とにかくハードコアに徹する姿勢がやはり見ていて最高にカッコよかったですね。
SLANGの聞いておいて欲しい10曲
10位 糞の吹き溜まり
SLANGはこの曲が収録された6thアルバム「Glory Outshines Doom」はkenの念願叶ってPIZZA OF DEATH RECOADSからリリースされたのですが、東日本大震災を経て、訴えたいテーマも変わり、これまでにない全歌詞日本語というアルバムになりました。
そしてこの曲は1分半位で終わっちゃうんですけど、とにかく短い曲で「怒り」を体現しております。
性懲りもない権力の役立たずの出来損ない
糞の吹き溜まり
最高にカッコいい曲ですね。
9位 Scum
この曲も凄いですよ。
7thアルバム「Devastation in the void」の1曲目にしてリードトラックなんですけど、最初はギターのイントロでゆっくり目に入って、途中からピッチが上がり、サビで爆発!という感じです。
そしてこの曲は歌詞もかなりエグく、前北海道知事だった高橋はるみ現参議院議員を痛烈にdisってます笑
道知事のドブスが引きこもる
道庁前で戸沢がアジる
俺たちは子どもに真実を伝える
で、この戸沢という人は「北海道反原発連合」の方なので、泊原発の件で反原発をモットーとしていたKOが憤った感じですね。
この辺の社会派な歌詞は他のどのバンドも書けないですね。
8位 ろうそくのまち
この曲もなかなかハードなクリスマスソングですね。
一見PVとかは可愛らしいファニーな感じなんですが、超ハードな展開になりますので心して見た方がいいです笑
エンディングとかもなかなかキツいですね。
とにかく全世界で聞くべき曲でしょう。
7位 どうしようもないクズばかり
そしてこの曲はつい先日リリースされたばかりの曲ですね。
この曲は30秒くらいしかないようですが、メンバーチェンジを経ても精力的に活動を続けており、変わらずにハードコアで叫び続けるSLANGを改めてりスペクト!カッコいい曲です。
6位 Question Now
ギターのリフと展開が極めてハードコアな、THAT’S ハードコアという感じの曲ですね。
サビでタイトルコールで盛り上がれる、コールアンドレスポンスができて、ライブでも盛り上がる曲です。
5位 The World Of Lunacy
1分しかないんですけど、ライブの鉄板曲です。
とにかくあっという間に激しい勢いで始まって終わっていく曲です。
ラストの一瞬だけやるギターソロとかも非常に秀逸ですね。
4位 失せし日常
6thアルバム「Glory Outshines Doom」の1曲目ですね。
2012年にリリースされたこのアルバムで1曲目に「失せし日常」を歌うのは、言うまでもなく震災を受けての曲ですね。
SLANGにしてはミドルテンポの曲で、悲しくも失せた日常を歌っている曲で、KOの粗いヴォーカルの中にもメロウな部分がある名曲です。
せめて虚しさは いつか空の彼方に
せめて夢の続き ぬくもりに会いに
とにかく心に残る曲ですね。
そして終盤で激しくなる構成も非常に秀逸です。
3位 Yoshimura Hideki
この曲は最高にカッコいいです。
同じ北海道を代表するバンドbloodthirsty buchersのヴォーカルであり、2013年に亡くなった盟友の吉村秀樹に捧げる曲で、サビの歌詞が「Forever and ever」というのが非常に泣けます。
戦友と言う感じですね。
2位 Black Rain
SLANGの代表曲ですね。
Black Rainは言うまでもなく「黒い雨」の英訳であり、広島と長崎に原爆が投下された後に降った、放射性物質を含んだ雨のことです。
難民キャンプに血の雨が降る
処刑台に向かう男たちの目
ガス室から歩き帰る者は無い
灰色の壁に足跡が途絶える
反原発とか反政府だけではなく、とにかく反戦も歌う、ポリシーを持った最高にカッコいいバンドですね。
1位 何もしないお前に何がわかる 何もしないお前の何が変わる
1位はもちろん、SLANGで最も愛されているであろうこの曲ですね。
とにかく最高にカッコいい、永遠のハードコアアンセムです。
とにかくシンプルでも伝わるものは伝わる、そんな曲ですね。
歌詞を抜粋しましたが、とにかくまぁ深い。
何もしないお前に いったい何がわかる
何もしないお前の いったい何が変わる?
辿り着いたと・・・何処についたんだ?
か細き小山の 大将となり終われ
全て知ったと・・・何を知ったんだ?
堕ち行く深さの 底も知らないくせに
この曲はライブで最高に盛り上がるので、ライブで拳を振り上げたいですね。
まとめ
とにかく音楽はさることながら、KOの生き方がカッコいいですね。
このようなカッコいいパンクスと同郷であることを嬉しく思いますね。
そんな感じでTBH、SLANGと北海道のインディーズ界を代表するアーティストを続けて紹介しましたので、この流れで当然紹介するバンドは上で名前も出しておりますが、bloodthirsty buchersことブッチャーズですね!