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#834 アルバム論56|HOTEL TIKI-POTO / ↑THE HIGH-LOWS↓(2001)
ハイロウズも終盤に差し掛かりつつありますが、本日はそんなハイロウズの6thアルバム、HOTEL TIKI-POTOを紹介しましょう。
4thアルバムのバームクーヘン、5thアルバムのリラクシンは共に6月9日(ロックの日)の発売でしたが、本作は9月5日の発売と、少し焦らした感じの発売でしたね。
HOTEL TIKI-POTOとは?
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まず、この一風変わったタイトルはどういう意味かと言いますと・・・
リリースしてから20年くらい知らなかったんですけど、TIKI-POTOの意味を調べてみました。
TIKI-POTO(ティキポト)は、タヒチの南にあるオーストラル諸島のラエヴァヴァエで「陰核」を意味する言葉です。
一方、背丈のある祖先の形を意味する「Tiki-roa」は「陰茎」を意味していました。
ティキ(Tiki)は、木彫りの像や石の像など、神の像を指す言葉です。ハワイでは「キー(Ki'i)」と呼ばれ、ニュージーランドのマオリ族の言葉です。古代ポリネシア時代には偶像としてまつり、家などで崇められていました。
という、どうしょうもない感じです笑
「ホテル・クリトリス」という意味不明な感じなんですね笑
長尺の曲が多く、このアルバムはハイロウズで最も収録時間が長い作品なんですね。
それもあってか、個人的にはハイロウズで一番聞きこんでないアルバムだったりします。
リードシングルの十四才はハイロウズの全楽曲の中でもかなり上位に好きなんですけど、十四才のレベルが高すぎて、他の曲がちょっと弱いんですよね。そんな印象のアルバムだったりします。
ちなみにこの作品のリリースツアーは、2001年11月20日にファクトリーホールで行われたのですが、奇しくも同日にZEPP SAPPOROでマッドが010のリリースツアーを行い、道産子のキッズ達は泣きながら苦渋の決断をした感じでした笑
そこは空気を読んで欲しかったですね笑
ちなみに僕は当時マックスに金が無くて、どっちも迷って行けなかった次第です笑
HOTEL TIKI-POTO 歌詞カード
2001年9月なので、ジャスト23年前ですね。
ずっと我が家のCDラックで存在感を示し続けています(60%くらいのCDもそうなのですが・・・)
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ハイロウズで唯一オシャレな歌詞カードです笑
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初回限定のステッカーとか何に貼ったか忘れてしまいました泣
HOTEL TIKI-POTO 魂の全曲紹介
1. 21世紀音頭
このアルバムがリリースされた2001年前後は1000年に1度の新世紀を迎えるタイミング、いわゆる「ミレニアム」だったので、こぞって多くのアーティストがミレニアムや新世紀について歌ったものでしたが、御多分に漏れずハイロウズも便乗しましたね笑
で、まさかの「音頭」が1曲目で、音源だと三線とかが入っていて沖縄チックな音頭なんですけど、この曲はライブで聞くと印象がメッチャ変わりますね。
ヒロトが笛を吹いてるんですけど、この笛に合わせてオーディエンスが「Oi!」と言うのが最高にカッコいいですし、この映像見て「行っとけばよかった!」と激しく後悔したものでした笑
これまでは「罪と罰」とか「青春」とかシングルを1曲目に持ってきていましたが、これはこれで新しくて良かったですね。
2. 十四才
以前にバンド論でも紹介しましたし、読書論の「かもめのジョナサン」でも紹介しておりますが、とにかくハイロウズ後期の最高傑作と言っても過言では無いでしょう。
初めて聞いた時はあまり琴線に触れなかったんです。
「ハスキー」や「青春」のようなシングルと比べて、まず冗長であり、分かりやすさもなく、メロディもそこまで染みなかった。
ただ、いつからか明確に覚えてないですが、メチャクチャ好きな曲になりましたね。
まずはマーシーのみのイントロがメロウで良いんですけど、ヒロトの優しい歌が乗り、「どうなってもいいよな」が終わって、全員が入る辺りが最高にカッコいいです。
そして盛り上がってのサビですね。
リアル よりリアリティ
リアル よりリアリティ
リアル よりリアリティ
リアル よりリアリティ
リアル
この歌詞は聞き手によって解釈が変わってくると思いますが、
僕は「現実よりも理想」「現実より想像」と解釈しています。それこそ、かもめのジョナサンの話ですよね。
「食べるためではなく、飛ぶために生きる」ということですね。
この曲を十四才の時には聞けませんでしたが、十八才で聞けて本当に良かったです。
僕がハイロウズで一番好きな歌詞の、下記を聞けただけでも価値があります。よくこんな歌詞が浮かぶなとシンプルに思ってしまいます。
ジョナサン 人生のストーリーは
ジョナサン 一生じゃ足りないよな
ヒロトのハイロウズでの最高傑作と言っても過言では無いでしょう。
何度聞いてもウルッとくる、名曲です。ピアノも素晴らしいですね。
ライブでは1回しか聞く機会は無かったですが、1回聞けただけでも良かった。
惜しむらくは、アルバムの序盤でこのクオリティの曲が出てしまったことですかね・・・
3. 迷路
ポップでカジュアルで楽しい曲ですね。
前作リラクシンがバラードが多いアルバムだったので、この手のタテノリ系の曲がほぼ無かった為、この曲を聴いて「あ、解禁されたのね…」的な謎の感情を覚えたものでした。
ライブでも一度聞きましたが、序盤で映える曲でしたね。
結構CMで使われていたので、キャッチーで愛されていた曲です。
4. ニューヨーク
この曲がシングルカットされたのが良く分からなかったですね笑
シングルだった記憶からも抹消されていました笑
このアルバムではマーシーがアメリカの曲とか韓国の曲とかを歌っており、海外ブームだったんでしょうか?(ちなみにアメリカの曲は次作でも作ってますね)
ニューヨークと言うタイトルでありながら「小金井公園」というフレーズが入っているのは流石のマーシー節です笑
そしてこの曲がシングルカットされた1か月後に、同時多発テロが起きたという感じで・・・いわくつきの曲ですね。
100年経ったら ウンコも残らない ニューヨーク
この辺の歌詞も何かを感じてしまいます。
5. シッパイマン
久々の「マン」ですね。
ミサイルマン、不死身のエレキマン、ジョーカーマン、チェンジングマンに続く5作目のマンは、恐らくこれまでの中で最弱であり、その名の通り失敗ばっかりしている主人公なんですね。
ラッキーマンの対極にいるマンなのでしょう。
ゼブラーマンの挿入歌にもなり、ちょっと話題になった感じですかね?
ライブではマスタングのツアーで1度だけ聞きましたね。
悔いのない生き方は後悔の繰り返し
この歌詞もちょっと深いですね。
6. 恋のダイナマイトダンス
この曲は・・・長いんです笑
メロディも歌詞も奇麗で良い曲なんですけど、とにかく長いという印象が強い。
時期的にモーニング娘。の「恋のダンスサイト」から着想を得たというか、インスパイアを受けたというか、パクった可能性もあります笑
心はまるで帽子 毎日どれか一つ
この歌詞もまた深いというか、着眼点が素晴らしいですね。
気分で変えていこうという事ですね。
7. 海雲台ブルー
海雲台と書いて海雲台と読みます。
実は知らなかったのでwikiで調べたら下記のような紹介がありました。
韓国釜山広域市海雲台区の地名。とくに、1.5kmにわたって砂浜が続く海雲台海水浴場や、海雲台温泉のある海岸一帯を指す。
海岸沿いにはホテルや飲食店が立ち並ぶ。高級ホテルや外国人専用のカジノ、免税店もあり、釜山を代表するリゾート地として知られる。
これの何が「ブルー」なのかはマーシーにしか分からないのですが、
マーシーの解釈では「熱海によく似た観光地」「焼肉 言うほどうまくない」「暗がり 立ちんぼ 厚化粧」という感じで、なかなか攻撃的と言うか何というか・・・笑
令和の今だと怒られる可能性もありますね笑
8. よろこびの歌
ひとつ前の曲で韓国に対して攻撃的な口調であるのを忘れるくらい、ポジティブでさわやかな曲です笑
本家のよろこびの歌(歓喜の歌)にも遜色ない、ポジティブでハイロウズらしくない曲ですね笑
故にそんな印象に残ってなかったりします笑
9. カレーうどん
恐らく日本で唯一の「カレーうどん」について歌う曲ですね。この曲も長いです笑
マーシーはソロで「カレーライスにゃかなわない」という曲を作るくらいカレー愛が強い漢なのですが、カレーうどんも好きなんですね。
「酋長」というワードが出てきて、なぜかこの曲でHOTEL TIKI-POTOのエッセンスを感じられたりします。ホテルの名物料理かも知れませんね笑
10. コスモス
前作リラクシンのタンポポに続く、花シリーズですね。
「チベット」「カンボジア」というワードが出てきまして、改めて本作はマーシーのグローバルな歌詞を意識していたのが垣間見えます。この辺の国もポリネシアなHOTEL TIKI-POTO風の雰囲気はありますね。
メロディアスで、ロックンロールで良い感じの曲なんですが、歌詞がなかなか怖いです。
どうして僕は殺人をしないのだ?
恐ろしいことを自問自答しています笑
サイコパスの歌なのかも知れませんね。
ミスチルが過去に歌っていたコスモスの花言葉は、「乙女の真心」「調和」「謙虚」だった筈ですが・・・
11. フルコート
このアルバムで僕が十四才の次に好きなのはこの曲です。
ただ、この曲は十四才の両A面シングルだったので、リリースの時には既出だったのですが・・・
ヒロトの好きなバスケについて歌った曲ですね。
ちなみに「フルコートのD」の歌詞の「D」とは、Diffence(ディフェンス)のことで、フルコートのディフェンスは凄く疲れるようで、SLAM DUNKにも書いていた記憶がありますね。
この曲はイントロからいきなり始まるサビ、「アウェイのユニフォーム」のAメロ、ベースが美しい「チャンピオンリング」のBメロ、「奇跡なんかじゃないんだよ」のCメロ、そしてサビ、間奏と・・・色々な展開があるんですけど、全てが美しい。かなり完成度の高い曲です。
やはり惜しむらくは十四才と両A面で出したことですね。
時期をずらして出せば、もっとメジャーになっていた気もするので惜しい感もあるんですが、出し惜しみせず何も考えないハイロウズのそういうところが魅力だったりするんですが。
PVもあって、とにかくチアガールの脚にしか目がいかなかった記憶があります笑
このライブ然りですが・・・
12. 天国野郎ナンバーワン
このアルバムで一番エッジが利いていて、ライブで聞いていて絶対楽しいのは曲ですね。
冗長な曲が多いアルバムですけど、この曲はシンプルで短くていい感じです。
歌詞もなかなか攻撃的だったりです。途中の「フンガー」はちょっと良く分からないんですけど笑
経緯はあまり分からないのですが、過去にカンペーちゃんと一緒に歌っています。ライブではいい感じにオーディエンスを湧かせていますね、
この時期のヒロトは髪が長く、デビュー当時みたいで良いですね。
13. アダムスキー
アルバム終盤の、UFOについて歌っているだけあって、謎の曲ですね。
サビのマーシーのコーラスが「Satisfied」とか、普通の英語の歌詞をコーラスしているのが割と新鮮だったりします。
それこそブルーハーツのTRAIN-TRAINの「お前を離さない」ぶりとかじゃないですかね?
そんな感じの不思議な曲ですね。UFOだけに。
14. クリーミー
この良く分からない楽曲が寄せ集まったアルバムの最後を締めるのはこの曲です。
なんでクリーミーなのかが良く分からないですが、この曲が一番ラストっぽい気がしますね。「コスモス」とかで終わるわけにはいかないでしょうし…
野良犬でも分かるんだぜ
いい感じのロックンロールで、このバラエティに富んだホテルもチェックアウトなんですね。
「HOTEL TIKI-POTO」 ヒロト曲とマーシー曲
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リラクシン以前に戻り、ヒロト7曲、マーシー7曲で半分ずつですね。
ヒロト曲
十四才、迷路、シッパイマン、恋のダイナマイトダンス、フルコート、アダムスキー、クリーミー
マーシー曲
21世紀音頭、ニューヨーク、海雲台ブルー、よろこびの歌、カレーうどん、コスモス、天国野郎ナンバーワン
このアルバムは何と言っても「十四才」の功績がでかすぎるんで、やはりヒロト派ですかね。
まとめ
そんな感じで久々に本作を振り返るにあたり聞いてみたんですが、やはり当時はスルーしていたところとかも今聞いたら染みたり、色々な発見がありました。まだまだ当時は聞き込みが足りなかったかも知れませんね。
そんな感じで次はangel beetleです。結構好きなアルバムでしたね!