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#430 仕事論12|自社事業で成功している企業は何%存在するか?

ちょっといつもと違った角度で今日はご紹介しましょう。
本日は表題の通り、「自社事業で成功している企業は何%存在するか?」を考えてみます。



自社事業とクライアントワーク

まず、世の中の仕事は、ほとんどが「自社事業」か「クライアントワーク」に分類されます。

一応説明しておきますが、自社事業は、googleとかFacebookとかnoteとか、自社で作ったサービスなどをどんどん伸ばしていくことで、クライアントワークは「このシステムを作ってくれ」「noteで文章を書いてくれ」とか、発注先の企業から依頼を受けて業務を行うことですね。

どっちにもメリット、デメリットがありますが、簡単に整理するとこんな感じです。


自社事業

メリット :サービスが当たればウハウハ!
デメリット:利益を出すのに時間がかかる、体力(金)がないとできない

クライアントワーク

メリット :色々な企業のノウハウを得られる、すぐ収益化が可能
デメリット:コントロールしにくい、嫌な仕事もやらなきゃならない

そんな感じですが、これだけ見ると、「すでに出来上がってる自社事業が最高じゃん!」と皆さん思うでしょう。そうなんです、その通りなんです。
ただ、転職などの観点でいうと、すでに出来上がっている自社事業を行う会社はもちろん競争率・倍率が高いんですね。


自社事業を行う会社の割合、成功率

日本の企業数

それでは、自社事業を行う会社、いわゆる事業会社は世の中にどれくらいあるかを調べてみました。

まず、その前に、今日本に会社は何社くらい存在するのかを調べてみましたが、2年前のデータだと、企業数は367万社ということが分かりました。

総務省と経済産業省が31日に発表した経済センサス活動調査(速報)によると、2021年6月時点の全国の企業数は367万4000社、民間事業所は507万8000カ所だった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA317N90R30C22A5000000/


日本の「自社事業を行っている」企業数

そして、自社事業(事業会社)と、クライアントワークをやっている企業の割合です。
これは水面下で進めているのもあるので、なかなかデータとしては出しにくいのですが、こんなログミーの対談記事で情報をGETしました。
このイケてるサラリーマンの葛岡さん曰く、日本で事業会社は30%とのことです。

葛岡:そうですね。まさに及川さんが言っているとおりだと思います。日本とアメリカできれいに真逆になっている構造が事業会社、自社でプロダクトを作っている会社で、実は日本って30パーセントしかないんですよね。70パーセントがSIerさんだったり受託開発企業さんだったりするんです。まさに今及川さんが言っていたことが、それを物語っているんじゃないのかなと思っています。

「日本はものづくりをリスペクトし過ぎている」
及川卓也氏×葛岡宏祐氏からみた、海外のエンジニアリング組織との違い


これを単純計算してみると、110,1000社となりました。
端数は除くとして、日本では110万社が自社事業を行っている事業会社と強引ですが、こう定義して話を進めます。


日本の自社事業を行なってる企業で、成功している企業

そして、次の論点はそのうち成功している事業会社はどれだけあるかという論点です。
これは、2つの考察より定義いたしましょう。

1つ目は経済産業省のデータ。
これによると黒字化・収益化できた自社事業は14%という数値です。

経済産業省が出したデータをもとに計算してみると、新規事業の展開に成功した企業は約29%、成功していない企業は約71%です。そして、成功した企業のうち、約49%は経常利益率が横ばいか減少したと回答しています。つまり、新規事業を立ち上げられ、収益化までできた企業は、約14%となります。


2つ目はアピールコンサルティングの調査結果に基づく、コンサルタントの小島様のウェビナーを参考にさせていただきましたが、こちらですと7%しか成功しないというご意見でございました。

才流(サイル)のコンサルタントが教える 新規事業を成功させる PMFの教科書


正確な数字を出すものではないので、間をとって「10%」としましょう。

その場合、自社事業を行っている110万社でその割合を当てはめると、こう定義することができるのではないでしょうか。

自社事業で成功している企業は11万社(企業全体の2%)


まとめ

なかなか興味深い数値となりました。
まぁ誤差はあるにせよ、言って自社事業の成長はかなり狭き門であることは数字から読み取れると思います。

自社事業の成功の定義も諸説ありますし、本記事では割愛しますが、
少なくとも「利益を出せている自社事業」の割合は少なく、さらにそこが競合がいないブルーオーシャンであったり、競合を出しにくいサービスであったりすれば、独走も可能。安定したビジネスモデルと言えるでしょう。

ですので、利益が出ている自社事業で働いている方は非常にラッキーなんだよと言う事を伝えたかったのですが、そういう会社に入社するのもまた難しいと思うので、また別途採用論でそうした企業への入社方法も考えてみましょう。

それでは今日はこの辺で。


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