#711 漫画論59|ザ・ファブル
これまで「カイジ」「赤灯えれじい」「おやすみなさい」「エリートヤンキー三郎」など、ヤンマガの漫画を紹介してきたが――
今日は―――ザ・ファブルという漫画を―――紹介したい―――
実写化やアニメ化もしれているので知っている人も多いと思うが―――
ザ・ファブルとは?
ファブル(fable)とは「寓話」の意味ですが、寓話とは何かというと「アリとキリギリス」みたいな現実ではなく、動物などで比喩した例え話ですね。
この作品も「・・・そんな殺し屋がいるなんて、架空の話でしょ?」みたいな感じで語られる、伝説の殺し屋組織をそう呼んでいます。
主人公の佐藤明(仮名)はその中でも天才的な殺人スキルを持つ殺し屋なんですが、組織が派手に仕事(暗殺)をやり過ぎた余波で「1年間は仕事(殺人)をせずに市井に紛れなさい」という指令が組織から下り、プロとして一般人として生きることになりました。
そして相棒の佐藤洋子(仮名)を妹という設定にし、ヤクザにかくまってもらうものの、やはりトラブルは頻出して色々巻き込まれながら、これまでの殺人スキルを駆使しつつ、「殺人はしない」というルールを守って生きるストーリーです。
ザ・ファブルの魅力
1. まず設定が面白い
ありそうでなかった設定が良い感じですね。
あえてやられたフリをしたり、泣いたり、オーラを消したりとして一般生活に馴染み、更にアルバイトをしたりして必死に生きて、色々と変わっていくのは非常に秀逸。面白いです。
2. 画力
前作の「ナニワトモアレ」からですが、この作者の南先生は独特のタッチの高い画力を持っておりまして、その辺も漫画を盛り上がる魅力ですね。
3.「ー」の多様
この作者はセリフにおいて「ー」を多用します。
言葉の余韻を残す感じでして、敬語だと効果が出なかったりします笑
なので、タメ語でこの活用事例を紹介するが――――――
なかなか使いやすい―――――
是非、皆も使ってみて欲しい――――
4.実写版が完璧
岡田君が主演なんですが、完璧です。
そして岡田君と堤真一は「フライ・ダディ・フライ」とか「SP」とか共演が多いですが、毎回いい感じですね。
5. しかし続編のThe second contactは…
個人的にはあまり琴線に触れず・・・
ザ・ファブルの愛すべきキャラクターBEST10
10位 ジャッカル富岡
まず紹介する「ジャッカル富岡」は芸能人で、ストーリーに一切関係ないキャラクターです笑
感情のない殺人マシーンの佐藤が、唯一この芸人で爆笑するという設定なのですが、この設定が「佐藤の人間らしさ」を感じさせて良かったりしますね。
9位 貝沼くん
貝沼くんは何処にでもいそうなキャラクターですね。
プライドが高く、嫉妬心が強く、自己中心的な考え方をして、尚且つ性犯罪者という役満クラスのクソヤローです。
ミサキの家に忍び込んで、盗撮したり、下着をクンカクンカしたり、本当にフォローの仕様が無いクズですね笑
8位 宇津帆
この宇津帆(ウツボと読む)さんは、頭がよく清々しい悪党でした。
表向きはまともなんですが、裏ではエグイという半グレみたいな感じですかね。
この辺がメチャクチャ面白いです。
7位 山岡
山岡は第1章のラスボスです。
脳の神経がバグってて恐怖を感じないという男で、尚且つ身体能力は超高くて殺人スキルも兼ね備えている無敵のキャラクター。
とにかくヒールに徹していましたが、その破滅への美学も分からんでもないという良い感じのラスボスでした。
6位 アザミ
アザミは登場のタイミングでは佐藤明と同格ポジションの殺し屋だったんですが、そのような暗殺者的な描写はほぼなく、どちらかというとコメディリリーフ的な感じでしたね笑
どっちにも転べたGoodキャラクターですね。
5位 海老原組長
海老原さんは登場時は若頭だったんですが、諸々あって組長になりました。
「仁義」を大事にする古き時代からの伝統を受け継ぐヤクザですね。
佐藤兄弟の保護者的立ち位置として、最初から最後まで活躍してくれた重要キャラクターでしたね。
4位 ミサキ
ミサキはなかなか可哀そうなヒロインで、同僚には盗撮されるわ、ヤクザにデリヘルに落とされそうになるわ、なかなかヘヴィーな人生を送るんですが、佐藤明という最強のボディーガードが一番近い位置にいることで、そこからは順風満帆・・・でも無いんですけど、最後はハッピーエンドを迎えます。
3位 タコ社長
タコ社長です。
タコ社長はこの漫画で数少ないノーマルで、常識のある大人ですね。
第1章でも優しい保護者として、第2章ではまさかの展開になりましたが、それでも誘惑に負けずに更に株を上げた稀有なキャラクターです。
こんな大人を目指したいですね。
2位 佐藤 洋子
そして洋子です。
洋子も暗殺の教えを教わってきたのでクソ強いんですけど、どちらかというと彼女のウリは記憶力で、何もかもを瞬時に覚えることができるという鬼スキルを持っているんですね。
そしてナンパに引っかかったフリをして、ナンパしてきた男を酔い潰したりする鬼なんですが、第2章では恋する少女になったり、ガッツリ戦ったり色々忙しかったりです。
1位 佐藤 明
そして主人公の佐藤はなかなかシンプルで魅力的なキャラクターです。
作中最強の殺し屋であるにも関わらず、少し抜けた所があったりで、愛されるキャラクターでした。
詳しくは・・・まぁ読んでみてくださいという事で!
まとめ
ヤンマガをリアルタイムで買ってた時は「ナニワトモアレ」(まだカタカナ表記の時代)だったので―――
このファブルはヤンマガ誌面では読んでいないんだけど―――
ハマって一気に最後まで読んだ―――
それだけに2nd contactがイマイチ琴線に触れなかったので―――
また次の3rdに期待したい――――
そんな感じで今日はおしまい―――
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