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#987 雑誌論28|別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評
雑誌論、本日はこちらの宝島社が発行していた「別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評」を紹介しましょう。
今も僕の家の本棚にある、数少ない雑誌のうちの1つです。
別冊宝島 音楽誌が書かないJポップ批評とは?
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音楽誌が書かないJポップ批評はハードコアパンクな出版社としてお馴染みの宝島社により発行されたムック本となります。
ちなみにムック本とは、英語で書くとmookであり、Magazine + bookの造語で、雑誌テイストだけど分量が多いとかそんなイメージだと思っております。
ちなみに以前紹介した「BANDやろうぜ!」も宝島社から発行された雑誌ですね。
そんな感じで「音楽誌が書かないJポップ批評」と言われている位であり、通常の音楽誌が紹介する「CDが出ました」「ライブをやりました」みたいな感じではなく、とにかく色々な角度からマニアックに解説した本だったりで、そのコアな感じが好きで愛読しておりました。
歴史をたどると、恐らく1999年にリリースされた「音楽誌が書かないJポップ批評1」が恐らく創刊号です。
序盤はオムニバス形式と言うか、1つの雑誌で色々なアーティストの批評を書いていたんですけど、途中からアーティスト特化型となり、そこから僕はファンになりましたね。
音楽誌が書かないJポップ批評の魅力
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1. アーティストをかなり詳しく紹介
アーティスト特化型のスタイルとなり、かなり細かくアーティストを紹介してくれておりますが、これがかなりマニアックで嬉しかったりします。
今はWikipediaもありますが、やはりこのムックが発売された当時はWikipediaもそこまでメジャーでは無かったので、アーティストの表に出ている以上の情報をGETできるのは大きかった。
例えばインディーズ時代の写真や、レアなライブのMCや、雑誌などのメディアでの語録集など、この辺は希少価値が高く、非常に面白かったですね。
2. ゆかりのあるゲストコメンテーターなどが熱い
例えばブルーハーツ、ハイロウズの特集ではイノマー(R.I.P)が登場したり、ユニコーンの特集ではダイノジが登場したり、かなりコアに好きな著名人の方々が参加しているのも面白かったりします。
そしてそのアーティストのフリークが集まっているので、かなり思い入れも強く、情報量も色濃い内容になっており、非常に読みごたえがあります。
3. アルバム紹介、全楽曲紹介なども熱い
そしてアーティストを紹介するにあたり、アルバムの紹介や、全楽曲の紹介なども非常に見ていて面白いですし、恐らく僕が「バンド論」「アルバム論」でやっているのは、この雑誌からの影響だったりしてます。
あと、この雑誌がが良いのは「駄曲」「迷走」などと、ダメなものはダメとピシッという所だったりしますね笑
そして、その指摘が非常に的を得ている辺りが非常に共感できる内容になっています笑
家にある「音楽誌が書かないJポップ批評」達
第20号 ブルーハーツと日本のパンク
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これが一番読んだかもしれません。
ブルーハーツのインディーズ時代の貴重な写真や、ヒロトとマーシーの比較、歌詞の分析、更にはアルバム&作曲レビューと、そのボリューム多さに興奮したものでした。
「1985」を封印した理由とか、解散の真相とか、その辺も色々書いてますね。
第22号 ユニコーン&奥田民生の摩訶不思議
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これも滅茶苦茶読みました。
ユニコーンがアイドルとして扱われていた時から、終盤までとにかくマニアックに紹介してくれているのが熱いです。
前述のブルーハーツ同様、かなり細かく詳しく紹介してくれており、ファンは読んでおかなければダメな一冊ですね。
そしてこの本がリリースされたのが2003年なんですが、最後のページに「ユニコーン再結成!?」の妄想記事があるんですけど、これが実現したのは本当に熱かったですね。
第40号 Mr.Children「幸福の探し方」
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これもミスチルファンとしては抑えておきたい一冊です。
この本は2005年にリリースされており「I♥U」までの紹介なんですけど、その辺までが僕が結構コアに聞いていた時期なのでちょうどよかったりです。
深海の深層心理の解明など、その辺がやはり面白いですね。
第41号 ブルーハーツ/ハイロウズ ヒロトとマーシーの20年
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前回20号のブルーハーツの続編的な感じで、今度はハイロウズに関してもコアに紹介してくれております。
中でも中盤のイノマーのショートストーリーで「夕暮れ」をフィーチャーしているのがなかなかの名作だったりしますね。
第48号 奥田民生「アンチスターな男」の20年
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この本はどっかに行ってしまって手元に無いんですが・・・
ユニコーンの特集に加えて、民生ソロも加えた感じで細かく紹介してくれています。ただ手元に無いのであんまり思い出せないっすね笑
第56号 JUN SKY WALKER(S)と青春ロック80'Sの大逆襲!
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これは表紙はジュンスカで、特集もジュンスカなんですけど、メインは80年代の音楽シーンだったりします。故にそれこそブルーハーツやユニコーンとかも出てくるんですが、この時代は本当に楽しかったでしょうね。
以上、手元にあるのはそんな感じですが、18号とか51号とか52号とかも絶対面白いので読みたいんですが、BOOK OFFでも滅多に手に入らないんですよね泣
まとめ
そんな感じの「音楽誌が~」ですが、2009年の62号を最後に発行していないようです。
ちなみに62号の特集は嵐でした。
最早ネットがあるので需要は無いのかも知れないですが、こうしたレア情報を集約させた本は欲しい人は欲しいとも思うので、是非復活して欲しいものですね。
Hi-STANDARDとか特集してくれたら普通に買いますし・・・
そんな感じで改めて良書であることが改めて再確認できましたので、これらの本は引き続き所有し続けたい所ですね。