#905 労務論24|「103万円の壁」とは?
本日の労務論、最近の衆議院選挙で国民民主党の公約にも挙げ、あの騒動の前まではニュースでも話題だった「103万円の壁」について、僕もあまり何気に理解していないので語りましょう。
103万円の壁とは?
「103万円の壁」を分かりやすく説明しますと、アルバイトやパートなどを行う、奥さんや子供など、旦那やお父さんの「控除」を受ける所謂非正規雇用の方々は、控除を受けて社会保険とかを使えたり、所得税が課せられなかったりするメリットがある分、その分1年で稼げる給料に上限を設けているんですよね。
その上限の金額が基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計103万円なので、それを「103万の壁」と呼ばれており、この金額を超えると、税金や社会保険料の負担が増加する可能性があるんですね。
もし、この103万円を超えると、下記が発生してしまいます
103万円を超えるとどうなる?
所得税が発生
103万円を超える収入部分に対して所得税が課されます(課税所得が発生)
配偶者控除の制限
配偶者が103万円を超えて働くと、配偶者控除が適用されなくなり、配偶者特別控除に移行します。
配偶者特別控除は、配偶者の収入が150万円以下の場合に適用され、控除額は段階的に減少します。
なかなか難しいですが、下記の様なイメージで考えればよいかと思います。
良く分からないですが、手取りが減ってしまう現象が起きてしまうんですね・・・
国民民主党が主張する「178万円の壁」への変更
国民民主党が主張するのは、1995年の最低賃金を基準として、103万円の壁を制定したので、最低賃金が1.73倍の1,055円になった以上、103万円の壁も1.73倍して178万円の壁にするべきでは?という提唱です。
これを行う事で、当たり前ですが主婦が上限を考えずに働けて、収入を増やす(減税する)ことができます。
つまり、これまで104万~177万円の収入をGETしていた人達が払っていた税金が無くなることで、それに伴い細かいロジックは理解できていないのですが、年収によってバラツキはあるものの2.5%位の減税ができそうな見通しとのこと。
で、細かいロジックは分かっていないんですけど、上記が実現すれば、国と地方で7兆円から8兆円程度の減収が見込まれるとのことで、財務省は財源が無くなってしまう勿論反対なんです。
故に、財務省が例の記事をリークしたと言われており、玉木さんの勢いや発言がトーンダウンしたので、国民の怒りの矛先が財務省のSNSに向かっているようで、とにかくカオスですね笑
178万円の壁は現実的なのか?
収入と税金のバランスは世界によって基準が異なるし、難しいですよね。
消費税のパーセンテージでいうと、日本の10%は低い方で、北欧は25%(但し軽減税率があるので一概ではない)と、日本の2.5倍だったりします。その分、出産費や20歳までの医療費、大学までの学費が無料だったりするんですね。税金が高い分、保証もしっかりしているんです。
そして世界の年収ランキングを見てみましょう。
日本は平均年収が424万円に対し、アメリカ、アイスラン、ルクセンブルグスイス・・・の順で続きます。
なので「個人の年収にかかる税金の割合」を調べてみるとほとんどの国が累進課税で年収が多い人ほど、税金も多く払っているというのは万国共通のようでした。この辺は難しいですね・・・
まとめ
そんな感じでビックリするくらい大したことを書けなかったのですが、年収の壁が上がって国民の手取りが増えれば、どこかで財源の補填をしなければならないのです。
で、その際毎回手っ取り早く増税されがちなのが「たばこ税」とかだと思ってますが、僕はもう禁煙をほぼ成功させているので、ここは直接被害は無いですね笑
なので手取りが増えても、納税が増えて意味がない・・・と言うと元の木阿弥かも知れないですが、それでも「まだまだ働きたいけど一定ラインを越えたら損をする」という不可解な仕組みは無くしていきたいですね。
とにかく背水の陣の玉木さんにはこの辺、頑張って欲しいとエールを送らせてもらって終了!