#586 漫画論51|サラリーマン金太郎
前回の夜王に引き続き、ヤングジャンプを攻めようと思っておりますので、そんな感じでヤングジャンプを代表するサラリーマン漫画「サラリーマン金太郎」を本日は紹介しましょう!
よっしゃああああああ!!!
サラリーマン金太郎とは?
読んだことのない方もなんとなく存在は知っているのではないでしょうか?
日本では島耕作と2分して有名なTHE サラリーマン漫画ですね。
ちなみにこの2人は意外と対照的で、
耕作が「静」なら、金ちゃんは「動」ですし、
耕作が「知」なら、金ちゃんは「力」です。
そして耕作がSEXモンスターですが、金ちゃんは割と淡泊だったり笑
話がそれましたが、とにかく関東で最も勢いのあった暴走族の頭だった金ちゃんこと矢島金太郎が、出産と同時に他界した妻の地元で漁師をして、妻の形見となった子供の竜太を育てていたんですが、ある日、漂流していた爺さんを助けたら、その爺さんが日本を代表する大手ゼネコンのヤマト建設の会長で・・・
という流れで、試しでサラリーマンをやってみることになりました。
元々の強運とセンス、そして何といっても根性で、どんどん出世していく金ちゃんのサクセスストーリーを描いたサラリーマン向け漫画です。
僕の友人で、この書をバイブルに置いている人は結構存在しますね。
サラリーマン金太郎の魅力
1. とにかくバイオレンス
この辺は流石「本宮流」なんですが、とにかく平気で殴ります笑
遼介も拳で解決するような男なので、この辺はヤングジャンプ特有の美学なのかも知れませんが・・・
とにかく金ちゃんは破壊的で、やするし、裁判されようが女でも平気で殴ります笑
2. 元気を貰える
「ひとつ、仕事を明るく元気に大声で楽しもう!」
「ひとつ、仕事は創作だ!ハッタリと空想と実行から生まれる!」
「ひとつ、ケチなプライドを捨て恥をかく事を恐れるな!」
この辺、結構いい事言ってるんです。
色々と小手先のテクニックはありますが、やはりこのような精神論も大事ですよね。
とにかくこの手のセリフは何気に元気を貰える漫画ですね。
3.勉強になる
金ちゃんは暴走族~漁師~ゼネコン~酪農~選挙事務所~商社~外資銀行~自治体~出版社~東電と、他にもあったかもですがとにかくメチャクチャなキャリアを歩みます。
故に「この業界はそうなんだな」とか、「こういう考え方あるんだな…」とか学べるのは非常に秀逸。本宮先生も相当勉強しているというのが分かります。
社会人は読んでおいた方がいいですね。
好きなキャラクター10選
10位 大和会長
ヤマト会長は、ヤマト建設の創業者でありますが、物語が始まった時は社長の座を大島社長に譲った会長として、一線を退いておりました。
そんな中で会社が「大島派」に牛耳られそうなのを憂慮している中で、お忍びで行った釣り旅行で金太郎に命を救われ、そこからは息子のように金太郎を可愛がる憎めないおじいちゃんですね。
なんだかんだで土建屋なので、「建設会社の社員は喧嘩の一つもできないとダメ」というオールド・スタイルの価値観も持ってたりする好好爺ですが、まさかの展開で物語からフェードアウトします。
9位 椎名
椎名は金ちゃんの暴走族時代のNo.2で、親父の後をついでヤクザになったんですが、ヤクザになっても金ちゃんの永遠の舎弟であり、兄貴分にも「金ちゃんに手出したらぶっ殺す!」とたてつくように、全てを捨ててでも金ちゃんの為に生きられる忠誠心の塊です。
男に惚れるとは、まさにこのことを言うのでしょう。
島耕作にも、耕作のいう事であればなんでも聞いてくれる「樫村」という存在がいましたが、男に惚れるの意味が違うんですよね笑
8位 黒川社長
黒川社長は初登場時は専務であり、独裁者・大島社長についていけずに会社を離れるのですが、クーデターに失脚した大島社長の跡を継いで、三代目のヤマト建設社長となったナイスミドルです。
マンションの耐震のナントカの技法を持っていたり、しっかりとした堅物のリーマンに見えますが実はそうでもなく、ザギンで飲んでばっかりいたり、仙台に隠し子がいたりと結構遊んでるイケオジですね。
7位 中村加代
とにかく狂ったようにカネを持っている金持ちばーさんです。
そして例によってジジイ転がし、ババア転がしのうまい金ちゃんを大層気に入り、200億円とかをサクッとと貸してくれる大富豪です。
銀行を平気で破綻させるくらいの力も持ってます笑
6位 大島さん
大島さんはこう見えて元々は官僚からの天下りで、公共事業に強く、ヤマトの社長に君臨するのですが、まぁワンマンでアンチも多く、金ちゃんがきっかけで失脚するのです、が!
不死鳥のように蘇り、あっさり失脚するんです笑
で、以降は鳴りを潜めながら、最後は金ちゃんと打ち解けて、泣き合うシーンは感動します。
僕が一番金ちゃんで好きなシーンはあそこですね。
天敵も味方にするのが金ちゃんの最大のセールスポイントですね。
5位 美鈴
美鈴は銀座のNo.1で、作中で田中角栄張りに権力を持っていた政治家の側室かなんかで、とにかく鬼のように権力を持っていて、鬼のようにカネも持っていて、とんでもない美貌を持っているんですが、金ちゃんに惚れてしまうんですね。
そこからは良き妻として、旦那を立てる良妻賢母でありながらも、締める所でしっかりと金ちゃんを締めるできた女です。
世の中のリーマンはみんなこんな美鈴さんに憧れたことでしょう。
4位 伊郷さん
伊郷さんは初登場の時とかは、本当にどうしょうも無いダメサラリーマンだったんですが、気づいたら本社勤務になり、気づいたら社長になり、会長になりとヤマトの中枢となり、会社に多くの刺激や変化を与えたデキるリーマンでした。
そんな伊郷さんも金ちゃんはお気に入りで、とにかく依怙贔屓していましたね。
日本拳法の有段者とかで、恐らく作中最強の男です。
3位 竜太
竜太は初登場の頃は赤子だったんですが、気づけば幼稚園児になり、気づけば小学生になり、気づけば中学生になり、気づけば大学生になり、気づけば社会人になり、そして気づけば結婚して父親になり・・・
と、その成長を読者全員が温かく見守っていたのではないでしょうか?
竜太の結婚式とか、少しウルッときてしまいましたからね笑
よくあんなクレイジーな父親の下で育ってぐれなかったもんです笑
2位 鷹司兄
鷹司は最初は凄い嫌な奴として出てきて、途中までもずっと嫌な奴なんですけど、仕事はできるんです。
できすぎるが故に金ちゃんを疎ましく思ってしまうのですが、途中で打ち解けてからは金ちゃんの良きブレーンとして活躍し、最後の方はもう親友みたいな感じで凄く良かったですね。
こうしたライバルは人生において必要なんだなと思わせてくれます。
1位 水木一郎
1位でありながらも素材が無く・・・こんなモブと一緒に写っている素材しかないという(上から2段目の一番右)
この水木さんは金ちゃんの家の隣にたまたま住んでいたんですが、金ちゃんの最高の理解者として第1話目からずっと金ちゃんをサポートしてくれます。
金ちゃんはクソ図々しいので、赤子の竜太を面識のない水木家に預けて会社に行こうとするんですが・・・そんな竜太を無償で預かり、更には金ちゃんを公私においてサポート。
そして経理マンとしても優秀で、常務にまで上り詰めるスタンス。
派手さは無いですが堅実であり、正にサラリーマンの鏡ですね。
おまけ 矢島金太郎
実際に職場にいたらキツいかなと笑
職場に子供を連れてきたり、新卒に初日に辞表を書かせたり、「アラブに残りたくない奴は日本に帰れ!」と怒ったり、仕事平気で辞めたり、気に入らない奴はすぐ殴ったり…とにかく問題児ですね笑
水木さんとか、田中さんとか、前田さんとか、石川さんなどといった周りの人格者がいてこそ、金ちゃんも好き放題できた感じですね。
まとめ
そんな感じですが、冒頭でおつたえしたようにサラリーマンは読んでおくべき内容ですね。
とにかく仕事は楽しいものであり、責任をもつべきものであり、真剣にやるべきということが伝わる名作です。
あと、家族も大事にしようと思える作品ですね。
そんな感じで是非、皆さんチェックしてみましょう!
おまけ
このサラリーマンをパロった、漫画太郎先生による「珍入社員・金太郎」という漫画が一時期ヤングジャンプに掲載されていましたが、打ち切りになるべくして4話くらいで打ち切りになったのは本当に笑いました笑
本宮先生の逆鱗に触れたんでしょうが、そもそも連載させるヤングジャンプ編集部が本当に狂ってましたね笑