#802 蹴球論71|2007年 オシムJAPANテストマッチ ペルー戦 ~ファンタジスタの融合~
暗黒のジーコ政権を終え、2006年7月からオシム政権が始まりました。
何試合かテストマッチを行い、まだまだ具体的な輪郭は見えないものの、オシムの独自の基準でのメンバー招集や、試合前後のコメントなど、まだまだ始動したてのチームではありましたが、やはりワクワクするグルーヴでしたね。
そんなオシムジャパンでしたが、これまでのテストマッチはすべて国内組オンリーが招集されていたんですが、ついに海外組が招聘されることとなり、その初戦がこのペルー戦だったんです。
この試合はめっちゃくちゃ覚えてるので、紹介したいと思います。
招集された海外組選手
中村俊輔(俊さん)
俊さんはオーストラリア戦で1ゴールを決めたものの、不完全燃焼に終わったドイツワールドカップでしたが、06-07シーズン、所属クラブのセルティックでは絶好調。
チャンピオンズリーグではマンUのエドウィン・ファンデルサールからFKで2ゴールを叩きこみ、クラブでもゴールにアシストに鬼エグく、リーグMVPに選出も頷ける、そんな激アツシーズンを過ごした俊さんの帰還は楽しみでしたね。
高原直泰(高さん)
高さんはワールドカップ付近で確変がある選手でして、ドイツワールドカップも直前のテストマッチのドイツ戦にピークを持ってきてしまい、そしてワールドカップが終わってフランクフルトでも確変し、当時の欧州最多ゴール数記録となるゴールラッシュを魅せてくれておりました。
それをワールドカップでやって欲しかったのですが・・・笑
とにかくコンディションは俊さん同様万全で、楽しみな選手でした。
***
当時はまだ海外組は稀であり、国内組が圧倒的に多い時代だったので、
これらの世界で活躍するメンバーが国内組に加わるのは、まさにGIANT KILLINGで花森らが来た時に近い感覚ですね。
というか花森は明らかに俊さんがモデルですが・・・笑
スタメン
GKは川口、DFは代表復帰した中澤と田中マルクス闘莉王。サイドバックは右が加地で左が駒野。中盤はボランチが水を運ぶ人・鈴木啓太とオシムの秘蔵っ子の阿部勇樹の同級生コンビで、オフェンシブにヤットと俊さん。FWは巻と高さん。
ジーコジャパン+アテネ組+海外組が融合した、恐らくこの時期のベストメンバーと言っても過言では無いでしょう。
相手のペルーは、この試合があった2007年時点で17歳でアンダー世代で大活躍し、ペルーの至宝と呼ばれた当時17歳のこの選手が選ばれるのを非常に楽しみにしていたのですが、選ばれずに残念だった記憶があります笑
ちなみにウイイレでは「レイモンド・M」と表現されていましたね笑
マッチレポート
試合に関してはあまり覚えていないのですが、ゴールシーンは鮮明に覚えています。
まず前半19分ですね。
FKのチャンスにボールに近寄るのは俊さんとヤット。
この左と右の日本最高級のフリーキッカー2人が共存できた時代、今考えるとメチャクチャ激アツです。
あと個人的にですが、それが10番と7番っていうのも好きだったりしますね。
そして俊さんの鬼正確なキックを、巻が頭で捉えて先制。最高のゴールです。
そして同じく後半9分でした。
1点目と同じような位置のFKから、またしても俊さんのビューティフル・キックから高原がエグいトラップして、振り向いてボレー!
これはマジで鳥肌モノのゴールでした。
巻と高原のツートップに関して、当時は批判的に見ていました。
というよりかは僕は久保竜彦というカリスマに心酔していたが故に、ドイツW杯メンバー選考で、久保の代わりにメンバー入りした巻、そして久保の9番を背負った高原が、ワールドカップでほぼ何もできずに終わった為、あまりプラスの印象では見れていなかったですが、この試合で両者ともゴールを決めたので、ちょっと見直した記憶がありましたね。
そんな感じで2-0で勝利。
海外組の俊さんが2アシスト、高原も1ゴールと、絵に描いたように海外組が威厳を見せることができた試合でしたね。
試合後
オシムはこの試合後のインタビューで、この試合に関しての記者からの質問に対してこう答えております。
試合をフルコースの料理に例えた際、メインディッシュの肉でも、魚でもなかったということで、まだまだ前菜レベルだったということなんでしょう。
多分、この試合だけをスポットで見ているだけではなく、海外組の2人がこの試合以上に連携を深めたりすれば、もっと良いチームになるという可能性を秘めており、それが故にまだまだ最終形ではない=メインディッシュではないという、オシム独自の言い回しなのでしょうね。
ですが、この試合はかなりテンション上がった記憶がありますね。
ここから始まるオシムジャパンに、そして7月に予定していたアジアカップが楽しみになったものでした!
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