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#302 漫画論33|ご近所物語(Paradice Kiss)

前回紹介した「天使なんかじゃない」に続いて、矢沢あい先生の代表作「ご近所物語(通称ご近所)」と、その続編にあたる「Paradice Kiss(通称パラキス)」を語りましょう。

この漫画もメチャクチャ面白いです。天ないを読んだ人は、おそらく100%読んでるでしょう(読まない理由もないでしょうし)



ご近所物語 あらすじ

主人公の幸田実果子(ミカコ)と山口ツトム(ツトム)は同い年の幼馴染で、マンションの隣同士に住むという、まさに家族ぐるみの付き合い。THE 幼馴染って感じの間柄です。
で、2人が通うのは「矢澤芸術ナントカ学園(通称ヤザガク)」という、アパレルとか、アートとか、そういうクリエイターが集まる専門学校的ハイスクール。
で、ミカコはデザイナーを目指すべく、めっちゃ頑張るんです。
で、ツトムはオプジェ作ったりしてるんですけど、ミカコほど明確な目的がなかったりします。
そんな感じの主人公2人とその仲間たちとの青春の蹉跌や恋などを描いた青春学園漫画ですね。

天ないに続いて、個性的なキャラクターが登場し、非常に引き込まれる作品です。


ご近所物語との出会い

あんま覚えてないですが、妹が「りぼん」を買い始めた時期にちょうど連載されていた記憶があります、
そこで僕は「こどものおもちゃ」「ベイビィ★LOVE」「ミントな僕ら」「グッドモーニングコール」など同様に「ご近所」にのめり込んでいった記憶があります。

矢沢先生の作品の中で一番最初に出会ったのはこの「ご近所」だった気がします。
他の少女漫画と一線を画したキャラクターのスタイルや、とにかくファッショナブルなキャラクター、ちょっと大人な展開など、小学生だった僕にはカッコよかったですね。


そしてParadice Kiss

パラキスは「ご近所」から18年くらい経った世界の話です。

同じヤザガクに通うデザイナーのタマゴたちの物語なのですが、ミカコの妹のみわこと、リサの息子の、近所のバー徳ちゃんの息子のヒロくんという「ご近所」からのルーツを持つキャラクターが脇役となり、ジョージ紫(ゆかり)という魅力的なキャラクターを主人公に繰り広げられる、ちょっとアダルトな要素も含む青春劇。
個人的にはパラキスの方が好きだったりします。面白いですよ。



ご近所&パラキスで好きなキャラクターBEST10

10位 幸田 実果子

彼女は本作の主人公(ヒロイン)なのですが、個性的すぎて浮いていて中学時代不登校になってしまったり、ひねくれていたり、嫉妬深かったりと、誰からも愛された前作(天ない)のヒロインの翠と比べると、かなり尖ったチャンネーなんですが、恋を知って夢を追いかけて、とても魅力的な女性になっていきます。


9位 山口 ツトム

ツトムは前作天ないに出てきた中川ケンにクリソツなキャラクターです。
ケンはあの後メジャーデビューして、スピッツ的なモンスターバンドになりました(僕のイメージ上の話)
ですが、あまりその似ている設定はそこまで重要ではなく(最初だけの設定)、ツトムはツトムとして、独自のヒーローに相応しい男に成長します。
いい感じのヒーローですね。


8位 ナイス・バディ子

中川ケンに似ているという理由でツトムに言いよる、セクシーな1個上のパイセンで、ナイスバディが故にナイス・バディ子と言われています笑
なかなかエロチシズム溢れる扇情的なパイセンで、こんな先輩高校時代にいたら嬉しいと思わせる、そんな先輩でした。


7位 如月 星次(キラキラ星人)

とにかくキラキラしているので、ついたあだ名はキラキラ星人です。
ミカコの母親(漫画家)のアシスタントとして、ミカコの兄貴分的な感じで、マルチに活躍する中性的なキャラクターです。
作中で具体的な言及はありませんでしたが、おそらく現在国会で揉めている例のテーマの対象と推察されます。


6位 イザベラ

イザベラはご近所の続編「パラキス」に出てくる登場人物で、Paradice kissというブランドを作るチームの一員のパタンナー(だっけ?)です。
イザベラは一見淑女なのですが、性同一性障害に悩む男性で、まさに前述同様なのですが、とにかく母性が半端なく、無機動な若者が集まるパラキスチームの両親、いや良心といった所でしょうか。


5位 及川 歩

こんな顔だったっけと思いつつ・・笑
ご近所に出てくる女性キャラクターは「ワガママ(実果子)」「ワガママ(バディ子)」、そして他にもピーちゃんという婦女子と、リサというヤンキーがいるんですが、唯一まとも感性を持った女性キャラがこの歩ですね。
故に、相対的に評価も高くなってしまうのかも知れません笑


4位 嵐

嵐は前述のリサの子供なんですが、とにかく見て分かるような顔に安全ピン、トゲトゲの首輪、ピアス、そして安全ピンと・・・とにかく生粋のパンクス。
しかし内面は全然そうでもなく、めちゃくちゃ常識人であり、更に嫉妬深かったり、悩める18歳だったりします。もっとパンクでぶっ壊れたキャラクターであって欲しかったんですが・・・ツッコミ役の嵐がそうなってしまったら、チームが組織しなかったのでそうならざるを得なかったのでしょう笑


3位 田代 勇介

「ご近所〜」ではこの勇介が一番いいですね。
恋に生きる男で、作中でも実果子→バディ子→歩とお気に入りがどんどん変わるんですが、それでも女にだらしないと思われず、「NANA」の奈々とは違い硬派に感じる男です(筆者の意見です)
ロン毛でAIR MAXとか履いたり、この時期ならではのファッションセンスのキャラクターですね。


2位 徳森 浩行(ヒロくん)

ヒロくんも(読切を除けば)パラキスからのキャラクターですが、実にいいキャラクターです。
容姿端正ながら頭脳も明晰で、医大を目指して実際に医者になるというナイスガイ。
にも関わらず内面も素晴らしく、理解力があり、包容力もある、まさに完璧超人(パーフェクト超人)
紫を思い続けて、最後に結ばれる辺りもいいですね。
生まれ変わったらこんな男になりたいです。


1位 小泉ジョージ

そしてやはりこいつでしょう。こいつは本当にカッコいいヒーローですね。
こんな男に女性が憧れるのかは分かりませんが、まさに王子。プリンスですね。


まとめ

そんな感じでご近所とパラキスを振り返り、久しぶりに読みたくなりました。
次は「NANA」を紹介するか、もしくは意表をついて「瑪羅門の家族」とかについて書くかも知れませんが、次回をお楽しみに!

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