#589 アルバム論31|BOLERO / Mr.Children(1997)
ミスチルのアルバムも気づけば6枚目です。
これまで紹介した「Everything」「Kind Of Love」「Versus」「Atomic Heart」、そして「深海」は全て購入して持っていたのですが、今回「BOLERO」から購入しないマンになってしまいました。
みんな持ってたから買わなくていいと思ったのもあったと思うんですが、僕がこの時期位からロックやパンクに傾倒していったのが理由な気がします。
それでも深海の姉妹作とも言われたこのアルバムはかなり聞きまくりましたし、思い出は結構ありますね。
BOLEROとは
Atomic Heartのリリース以降、ミスチルは「Tomorrow Never Knows」「everybody goes」「es」「シーソーゲーム」とメガヒットシングルを連発する時代の寵児となったのですが、待望の5thアルバムには上記4枚のシングルは全て「世界観にそぐわない」という理由で未収録。ざわめきが起きました。
そうして発売された深海は個人的にはかなり満足度の高い作品だったんですが、この行き場を無くした4枚のシングルCDが彷徨い続けた結果、行き場となtったのがこのBOLEROでした。
この時期、シングルを連発してアルバムでガーっと売るスタイルが主流で、相川七瀬とか、河村隆一とか、鈴木あみとか、globeとかの小室ファミリーとかが短期集中で稼ぐセールススタイルを行っていましたが、ミスチルはそれを潔しとせず、アルバムのコンセプトを重視して2枚のアルバムにヒットシングルをちりばめた感じですね。
深海の方が印象は強いと言えど、負けず劣らずこのBOLEROも相当の名盤です。
BOLERO 全曲解説
1. prologue
あんまりよく分からないプロローグですね笑
Atomic HeartにおけるPrintingとか、深海におけるDiveとかのような次の曲に繋がるイントロでは無く、アルバム全体のボレロにかけた感じのインストですね。
正直無くてもいいです笑
2. Everything(It’s you)
このアルバムの先行シングルですね。
前作シングル「マシンガンをぶっ放せ」がシングルカットだったので、純粋な新曲シングルとしては「花」ぶりなので、約1年振りのシングルです。
まぁ王道というか、売れ筋というか、教科書通りのシングルな感じがして、正直あまり個人の琴線には触れませんでしたが、それでもいい曲ですね。
「STAY」という言葉で、ここまでのサビを作れるのは流石です。
3. タイムマシーンに乗って
このアルバムBOLELOはどうしてもシングル曲の印象が強いのですが、アルバム曲も結構主張していて、名曲が多いです。
深海は全体で1つの世界観ですが、BOLEROはそれとは違って個性がぶつかりあう感じで好きですね。
この曲は正統派ロックンロールみたいな感じで、メロディも展開も歌詞も、結構好きです。
「前略 宮沢賢治様」「前略 ルイアームストロング様」などのインパクトに残る歌詞も秀逸ですし、全体のメロディ、バランスも素晴らしい。
ライブで盛り上がる曲ですね。
4. Brandnew my lover
この曲は大分自虐的にぶっ飛んでる曲ですね。
少し前に出した「マシンガンをぶっ放せ」のマキシに収録された「Love Is Blindness(愛は盲目)」に続く類の曲ですが、櫻井さんが不倫して今の奥さん(ギリギリガールズ)にハマっていく様をタイトルからまさにですが、赤裸々に描いた曲です。
このぶちまけ方は凄いですが、嫌悪感を持つ人も少なくなかったでしょう。
僕は勿論好きですね。ヘヴィーなサウンドももちろんですが、やはりコンセプトも歌詞もぶっ飛んでいて好きです。
そしてすべてが最後の「All I Need Is You」に集約されているという。流石ですね。
5. 【es】 ~Theme of es~
この曲は小6の5月とか6月だったでしょうか?
前情報一切なしでしたが「ミスチルの新譜だから買わなきゃ」と思う位、既にフリークになっていた僕には買わないという選択肢は無かったんですね。
まさかこんなバラードとは思わず、度肝を抜かれた記憶がありますね。
自伝映画「es」の主題歌であり、主人公のesくんとかそういう設定があったとも記憶していますが、正直そんな印象にないっすね笑
最後の転調のとことかは好きだったりしますが・・・
6. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~
そしてesから数か月後にリリースされたシーソーゲーム。
僕ら小学生の心をつかんだのは完全にこっちの曲でした。
確かノンタイアップで、収益は全額阪神大震災の義援金として寄付された記憶がありますが、そのような素晴らしい意義の割には低俗な歌詞の曲です笑
とにかくアップテンポで楽しく、メロディも楽しく、最初から最後まで盛り上がる曲です。
この曲がリリースされてから30年弱、とにかくカラオケでも鬼のように歌われる機会が多く、色々な場面でこの曲を聞いた記憶がありますね。
そして毎回盛り上がるという魔力を持った曲です。
個人的にはBメロの「ねぇ等身大の愛情で挑んでるのに」の部分と、サビのラストの「勇敢な恋の歌」の辺りが好きですね。
7. 傘の下の君に告ぐ
この曲は前作のSo Let's Get Truthの続編的な位置づけの日本国を憂う曲で、正にタイトルからアメリカの傘下にいる我らがポンニチを自虐的に憂いでいる秀逸な曲です。
割とこの曲は昔から一定層に愛されており、「BOLEROで一番好き」とも評されたりするロックテイストな曲で、やはりミスチルの愛される所以はこの引き出しの多さでしょう。
8. ALIVE
このアルバム発売時にCMでこの曲が使われていましたね。
「生きる」というテーマで、普通に良い曲で、良いメロディですが、結構歌詞はドロドロだったり、葛藤が感じられる曲ですね。
櫻井さんがブレイク以降に掴んだ栄光と、その反面失ったものが多かったり、絶望したことが多かったり…という体験が歌詞から垣間見えますが、それでも生きていこうという自身やすべての人達に対する応援歌ですね。ある意味ブルーハーツにも近い肯定感ですね。
この曲に支えられた人も多いのではないでしょうか。
9. 幸せのカテゴリー
Kind Of Loveとかに収録されていてもおかしくなかったと思われる、普通に美しいラブソングです。メロディも昔のミスチルを彷彿させるサウンドで良いですね。
サビのメロディの美しさはこのアルバムでも随一であり、ちょっとウルッと来るくらいに良い曲です。
失恋した時に来たら泣いてしまうかも知れませんね。
10. everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-
そしてこの変態ソングです。
以前にミスチル論を語った時に、この曲はBEST10でも上位で紹介しましたが、本当にこの曲は大好きです。
小学校時代のあまり歌詞の意味を感じられない時点でも好きだったんですが、社会人になって「分かる、分かるぞー!」とより共感できるようになり、大好きになりました。
ゴー宣の中で「evenrybody goesはゴー宣にインスパイアを受けて作った」と言っていましたが、とにかくそれも頷けるエッジの利いた歌詞が秀逸ですし、なによりTomorrow Never Knowsという超絶ヒットシングルの次にこの攻撃的な曲をリリースしたというのが凄いですよね。
「社内で残業してインスタントフードを食べる若手サラリーマン」
「社長に身体を売るファッションモデル」
「教育ママと呼ばれる主婦」
「いい子のフリしてるけどデートクラブにいく娘」
このような社会に搾取されていたり、道を間違えている人も多いですが、それでも「みんなで行こうぜ」というメッセージソング。素晴らしいです。
そして前回も言いましたが、
「Ah 仕事のできない連中はこういう、"あいつは変わったうぬぼれ屋さん" こんなに頑張ってるのに」の歌詞が刺さりまくります。
11. ボレロ
暗い曲ですね。あまり正直印象にはないです。
ただ、アルバムの表題曲になっただけあり、何とも言えない存在感はあるのですが・・・如何せん暗いです。
まぁその辺も本家の影響かも知れませんが。
12. Tomorrow never knows (remix)
そしてこの個性がぶつかり合いまくりまクリスティーのアルバムの最後を飾るのは、ミスチル史上最も売れた曲であり、僕がミスチルで初めて買ったシングルCDであるこの曲、Tomorrow Never Knowsです。
この曲は確か2時間くらいでできたとかそんな感じらしいですが、やはり相当レベルは高いですよね。
ピアノが美しく、歌詞も美しく、メロディも素晴らしい。
そしてPVがいいですね。断崖絶壁で叫ぶインパクトと曲のインパクト。
やはりミスチルを代表するのはこの曲ですね。
まとめ
今思い起こしても名盤でしたね。
このアルバムを聞くと、中学校時代サッカー部で一番練習がハードだった時期を思い出したりします笑
次に紹介するDiscoveryが最後で、それ以降は完全に聞かなくなってしまったのですが…それでもDiscoveryも相当好きなアルバムなので、次回紹介しましょう!