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#824 アルバム論55|Relaxin' WITH THE HIGH-LOWS / ↑THE HIGH-LOWS↓(2000)

前回は名盤「バームクーヘン」を紹介しましたが、今回はバームクーヘンに続くハイロウズの5thアルバム「Relaxin' WITH THE HIGH-LOWS」、通称リラクシンについて紹介しましょう。


その前に「青春」リリース

ハイロウズで1番ヒットした曲は、この青春だったと記憶しています。
松本人志が主演して話題になったドラマ、「伝説の教師」の主題歌でした。

今考えると伝説のドラマなのですが、あんまり見た記憶ないですね笑

ただ、この青春はかなり衝撃でした。
確か第1回は見ていたんですかね?そこのエンディングでこの曲が流れて、「うわ、なんだこのカッコいい曲は!かっけー!!」と、とにかく興奮した記憶があります。
そして、シングルの発売を心待ちした記憶がありますね。

この青春は、結構周りでもみんな買ってましたね。
オリコンも初登場9位とかだったと記憶しています。

そんなモンスターシングルを引っ提げて、バームクーヘンリリースからちょうど1年後の6月9日(ロックの日)にリリースされたのが、リラクシンですね。


「リラクシン」とは?

リラクシンは初めて聞いた時「???」と思ったのですが、Relax(リラックス)の現在進行形、つまり「リラックスしている」状態を指したもので、聞きなじみのない言葉でしたが、マイルス・デイヴィスのパクリだったんですね笑

元ネタはこんな感じだったようです笑


リラックスしながら・・・というタイトルに冠された通り、「リラックス=ゆっくり目」の曲が多いアルバムです。
バームクーヘンがバイキルトだとしたら、リラクシンはスクルトとかでしょうか?
かなりディフェンシブなアルバムだったりで、オフェンシブな作品が好きな僕でしたが、それでもリアルタイムで発売日に買ったので思い入れはあります。

アルバム買ったらこのポスターも貰えて、部屋に貼っていましたね・・・


「リラクシン」歌詞カードの紹介

猫はマイルス・デイヴィスのパロディですね。
今回のテーマカラーはイエローです。


この黒地に黄色はカッコいいですよね。
ステッカーもベースに貼ってました。懐かしいねえ。


黄色地に黒文字。Tigermobileと逆ですね。


とにかく歌詞カードはシンプルで簡素!それがいい!


今作もプロデュース・バイ・ハイロウズ。最高です。


「リラクシン」魂の全曲解説

1. 青春

青春を初めて聞いた時の衝撃は本当に忘れられないですね。
最高にカッコいい曲だと思いましたし、何よりもこの曲がリリースされた当時2000年、17歳という青春ど真ん中で僕らの世代はこの曲を聴くことができたので、本当に天恵以外の何物でもありません。

冒頭のキーボードから最高に好きですし、ベースラインも終始いい感じだったりするんですが、この曲はやはり歌詞ですね。
やはり2番と3番が最高に熱い。1番はそうでも無いんですけど・・・笑

渡り廊下で 先輩殴る
身に降る火の粉 払っただけだ
下校の時に ボコボコになる
6対1じゃ袋叩きだ
鼻血出ちゃったし あちこち痛い
口の中も切れた
リバウンドを取りに行くあの娘が 高く飛んでる時に

とにかく、喧嘩に明け暮れる「THE 青春」って感じですね。
そんな中でも最後の一文との対比が非常にシュールで素晴らしい。
そして、3番の歌詞に続きます。

校庭の隅 ヒメリンゴの実
もぎって齧る ひどく酸っぱい
夏の匂いと 君の匂いが
まじりあったら ドキドキするぜ
時間が本当にもう本当に
止まればいいのにな
2人だけで青空のベンチで 最高潮の時に

好きな子に恋する、まさにメチャクチャ青春ですね!
もう甘酸っぱすぎて辛いです!
マーシーの最高にポップな路線が爆発した超・名曲。
ライブでも何度も聞けて、本当に幸せでした。

そして、ライブでもこの曲は何度か演奏しましたね。
印象的なのは。高校の卒業式の後のアフターパーティーみたいなのがあって、実行委員会に「バンドで1曲演奏してくれ」と打診を受けたので、この曲をセレクトし、実際に演奏したんですが「マジ!青春!熱い!」とかなりセンスの良さを評価いただいたので嬉しかったですね。

そしてMステ盤もVHSに録画して何度も見ました。
CDだとAメロでマーシー派ギター弾いてないんですけど、ライブだとちゃんと弾いているので◎です。

とにかく、そんな感じでこの曲だけで5,000文字くらい書けてしまいそうなんですがこの辺で辞めておきましょう笑


2. No.1

青春という激エグ曲の次に来てしまう悲運な曲なんですが、いきなりイントロはゴキゲンで軽快なベースで始まるんですが、それ以外でも終始ベースがゴキゲンで楽しい感じの曲ですね。

なかなかヒロトの深い哲学チックな歌詞があり、
「今度のがNo.1だろ」と言い続けるサビはクソポジティブな気分になれますね。


3. 岡本君

夏のセミの声で始まるマーシーの大好きな夏の曲ですね。白井さんの切ないピアノも美しいです。
歌詞はクソヘヴィーで、マーシーの少年時代の友人で亡くなった岡本君に捧げたレクイエムだったりした記憶があります。

元々はマーシーというか、真島昌利のソロアルバムに収録予定だったようで「夏」「ぬけがら」と言ってしまっていますが、巡り巡ってこのリラクシンに収録されたんですね。
とにかくクソヘヴィーでダウナーな曲ですが、一度聴いたら忘れない名曲です。岡本姓の人は、こんなテーマを作ってもらえて嬉しいですね。

僕が人生で初めてハイロウズを見た時、1曲目はこの曲だったので、僕が初めてヒロトの声を生で聴いたのはこの曲だったりします。


4. パンチョリーナ

パンチョリーナの意味は具体的な説明もなく、なんなのかよく分からんのですが、恐らくキャラクターのニックネームですね。
アルバム「リラクシン」を象徴するゆったりとしたリズムの曲で、時にちょっと激しくなるけど、基本ゆったりするとした曲です。
ライブでも演奏していた曲ですね。


5. 夕凪

冒頭の「R作戦B2号」というのは東アジア反日武装戦線が立案した爆弾テロ未遂事件の作戦名であり、コードネームの「ヘルハウンド」も実話、あの人乗せた電車のあの人とは、まさかの当時の天皇陛下だったりします。
そんな感じで不謹慎なテロリストの曲であり、淡々と同じリズムが繰り返されて、とにかく怖い。
そしてこのアルバムの最後で笑い声が入るのが更に怖かったりします。

そんな曲で映像が無かったので、夕凪の写真を張っておきます笑


6. 不死身の花

このアルバムは青春というキリヤン・ムバッペ張りの圧倒的なエースストライカーがグイグイ引っ張るアルバムなんですが、青春に次いでメジャーであり、ポップであり、愛されたのはこの曲では無いでしょうか?
僕もこの曲は大好きでした。

まず、イントロの「トゥーン」「トゥーン」がいいんですが、この曲で一番熱いのはベースライン。ベースラインが本当に美しいです。
僕がハイロウズの中でベースラインが好きな曲でかなり上位に入るくらい、いい感じでベースが主張して熱い曲です。
リラクシンのツアーでしかほとんど演奏していないと思うので、それが惜しい曲ですね。

そして間奏のヒロトのブルースハープもいいですね。
マーシーのコーラスも奇麗で良いです。

そして、やはり下記の歌詞は本当に素晴らしい。
情景が浮かび、泣ける歌詞ですね。

戦場に咲いてしまった
銃声を聞いてしまった
何一つ選べなかった
戦場に咲いてしまった

不死身の花

PVも良いんですけど、この曲はライブで聞いて欲しいですね。
ベースの音量が大きめな所も◎です。


7. ボート

リラクシンというアルバムの真骨頂ですね。
水面にゆらりゆらりと揺れるボートの曲であり、まさにリラックスですね。
Bメロの「そうか8月には」のメロディラインが美しくて好きですね。
癒しのアルバムの中でもずば抜けて癒しの曲ですね。


8. ミーのカー

この曲はこのアルバムで一番激しい曲ではないでしょうか。
とにかくこの曲の特筆すべきポイントはおーちゃんのイントロのドラムです!
このドラムを叩けるのは、当時2000年の日本では恒岡章しかいなかったでしょう。
ゆらゆら帝国が歌う同名の「ミーのカー」との関連性もなければ、この後リリースする「ユーのカー」との関連性もなし。
とにかく激しいドラムに、ヒロトのブルースハープが映える曲です。


9. 完璧な一日

この曲も「リラクシン」な曲ですね。
とにかく切ないバラードですが、現在進行形のラブソングにも、失恋の曲にも聞こえる不思議な曲ですね(僕は後者と思ってます)
「じいさん」「ションベン」「井の頭そば」「ビール」とかマーシー節が炸裂する歌詞にも関わらず、切ないバラードという魔力を持った曲です。


10. ジャングルジム

シンプルな曲なんですけど、ピアノが美しく、何気に僕はこのアルバムでは結構好きでした。
サビの「優雅な月より 輝け俺の背骨」という歌詞も意味わからないですが好きでした。
ライブでも聞きたい曲でしたね。


11. ヤダ

この曲に関しては・・・ノーコメントですね笑
そもそも「曲なのか?」というのもありますが笑


12. タンポポ

この曲はアルバムに収録されているバージョンもいいんですけど、そのあとに不死身の花が、「FLOWER」としてシングルカットされた際に収録されたhang on versionというのが最高にカッコいいんです。
冒頭のベースソロからカッコいいんですが、マーシーが作ったんだなというのが分かる感じの構成で展開され、途中のBメロが素晴らしい。

静けさに迷子になったハチのような気持ち
不確かに揺れているんだ 落ち着かないまま

ここのフレーズはこのアルバムを通しても相当上位に入るくらい好きですね。
名曲です。


13. 魔羅シンボル’77

この曲は・・・最高にアホな曲ですね笑
魔羅とかいて「シンボル」と読む、アホ極まりない曲です。

青春のカップリングは魔羅シンボル'69で、アルバムに収録されているのは魔羅シンボル'77という笑
極めてどっちでもいいですね笑

そして腹立つことにイントロが結構カッコよかったりして、ベースラインも基本的にカッコいいんです。
Aメロなんて「シンボル マラマラ」とかいうクソみたいな歌詞なんですけど…

そしてサビの「ああ シンボルよ 永遠に FOREVER」のあたりのメロディラインはちょっと好きだったりします。
「バカとシンボルは使い様」とかも頭悪いですね笑


14. バカ (男の怒りをブチまけろ)

リラクシンを締めくくるのはわりと攻撃的なタイトルの曲だったりします。
バカですからね笑
リリース当初は周りで「青春の次は"不死身の花"か"バカ"がいいね」と言われていましたね。

もうマーシーが作ったのが聞かなくても分かったりするんですけど。いきなり始まる攻撃的なリフとか、コーラス、歌詞、完全にマーシーです。
とにかく世の中をバカと罵りつつ、Bメロが凄くメロディアスでで好きですね。

銃をくれ うつむいたヒマワリ
銃をくれ はにかんだナデシコ

意味わからないですけど好きですね笑


「リラクシン」のツアーに行った思い出

そんなリラクシンのツアーに行った手記も何気に書いてますね。
初ハイロウズはかなり衝撃でした。

「GO!ハイロウズ!GO!」言えたのも本当に楽しかったですし、登場したヒロトはカッコよかったし、いきなり岡本君で意表を突かれて、2曲目の青春は死ぬほど激しかったですね!
まぁ、詳細は下記を見てください!


何気に結構熱い動画があったので、下記をみれば雰囲気が伝わりますね!


「リラクシン」 ヒロト曲とマーシー曲

今作は前作同様全14曲なんですが、ついにこれまでの1st~4thで守られていたヒロトとマーシーで同じ曲数ルールが崩れます。

ヒロト曲
No.1、パンチョリーナ、不死身の花、ボート、ミーのカー、魔羅シンボル'77

マーシー曲
青春、岡本君、夕凪、完璧な一日、ジャングルジム、ヤダ、タンポポ、バカ

てなわけでヒロト6曲、マーシー8曲ですが、このアルバムは「青春」の功績がでかすぎるんで、やはりマーシー派ですね!


まとめ

そんな感じで2000年に買って、ライブも行って、Tシャツとリストバンドも買って、リアルタイムで共に過ごしたのでやはり思い出に残っている1枚ですね。
次はHOTEL TIKI-POTOを紹介しましょう!
ハイロウズも折り返し地点を迎えて若干寂しいですが・・・


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