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#258 漫画論30|暴力の都

「暴力の都」この漫画を知る人はそういないでしょう笑

週刊ヤングジャンプにて、1996年から1999年まで連載された、数字さえ取れればなんでもやる、型破りなニュースキャスター木戸重光が、社会悪にメスを入れていく作品で、メチャクチャ面白いです。

僕は中2の終わりか中3くらいからヤングジャンプを定期購読するようになったと記憶してますが、ヤンジャンの中でもかなり好きな作品でした。


暴力の都 あらすじ

BBSテレビ「ニュース・タイクーン」は、とにかく視聴率さえ取れればなんでもありなクレイジー・ニュース番組。
類似作品に弘兼憲史先生の「ラストニュース」という番組がありますが、ラストニュースより大分ネジが外れてます笑
殺人の生中継とかしたりしますからね笑

主人公のキャスター木戸は、やり方はともかく正義の心を持っており、世の中の社会悪などをメディアの力で黙らせる、そんな「第4の権力」を最大限に駆使するなんでもありのキャスターです。

これまでモデルとなった事件は数多いのですが、
いきなり女子高生コンクリート殺人事件という最高に胸糞悪い事件をオマージュした事件が起きたり、収賄する悪徳政治家医療ミスを隠蔽する病院凄惨なイジメ義理の娘を妊娠させる極悪義父産廃処理を作ろうとする団体テロリズムを行う宗教団体シリアルキラー老人虐待をする介護施設 etc…

とにかく、地獄のような事件が続き、同時期に連載していたあばれブン屋にも通じるものがありますね。


暴力の都 魅力

とにかく社会悪にメスを入れるところ、そして勧善懲悪の世界が良いですね。
あとこの作品は全く作中に必要ない流れなんですが、主人公の木戸が割と序盤で「私は同性愛主義者ーいわゆるゲイです」とカミングアウトします笑
稀代の悪法と言われるLGBT法案で揉める現在、前衛的な作品だったことが伺えますね笑

あとは物語のテンポよくポンポン進んでいくので読みやすいです。
木戸の言い回しも非常に良いので、見ていて楽しい作品でした。

惜しむらくは、中祥人先生の画力ですかね笑


暴力の都 好きなシリーズ

10位 暴力の都

本作の記念すべき1話目は、いじめで自殺した少年を復讐すべく、加害者(未成年)を実名&顔社員公開し、その事件を揉み消そうとした政治家に対しても音声データを録音し、公開するところから始まります。
そしてこの実名報道された加害者たちは苦しむんですが、そんなの知ったことないというスタンスで物語はスタートします。
「獣に人権は無い」とコンクリート事件の犯人を実名公開した勝谷誠彦氏を彷彿とさせますね。



9位 虹の彼方に

芸能界の闇を描いたシリーズですね。
悪徳プロデューサーへの枕営業整形手術スキャンダル内容を週刊誌のタレコミと登場人物が全員クズなシリーズですね笑


8位 砂の砦

カルト宗教団体「エンジェル・ソング」を舞台とした作品。
最後は細菌兵器で日本転覆を目論むという・・・現実は小説より奇なり、を体現したシリーズです。
宗教は怖いですね。



7位 濁った水

産廃処分場の誘致を巡って町長選挙が行われ、反対派の町長が勝って、賛成派の町長&裏で手を引くヤクザと戦うというお話。
作中では追い詰められたヤクザが自殺(生中継笑)して大団円なのですが、現実世界でもこういうのはクソほどあるんでしょうね・・・



6位 闇

前述のコンクリート女子高生殺人事件を彷彿とさせるクソ事件。
未成年の犯人3人組を「当番組は犯人の名前を掴んでいる」とハッタリをかまし、実際に犯人逮捕するという作品。
未成年を木戸がボコボコにするあたりは溜飲が下がり、秀逸です。
こんな犯人死刑でいいのに、裁けないのが日本の司法制度の限界ですね・・・


5位 卒業

名門進学校があったんですが、実の姿は裏口入学の斡旋、脱税するわ、女性生徒への売春させる and moreなカオスティック・ハイスクールな実情。
更にここの校長は女子生徒に手を出し、殺してしまい、悪あがきするんですが、最後は木戸に全て明るみにされ・・・速攻改心するのが違和感でしたね笑
もっとヒールに徹して欲しかったですし、もっと校長を見習って欲しかった笑


4位 トモダチハイマスカ?

いじめに遭っている少年(ニュース・タイクーンのプロデューサーの息子)と、義父から性的虐待を受けている少女がポケベルで出会うとお話。
なかなか救われない展開ながらも、一応は大団円で終わるんですが・・・
最後にいじめっ子がスッキリしないことをするのが、悪い意味で余韻を残します笑


3位 雪降る夜の天使

老人虐待する介護施設のお話。
そのうちの1人のジジイと風俗嬢のラブロマンスという、ちょっと読まないと理解できない展開になります笑



2位 記憶はささやく

ちょいと長めの作品です。
殺人容疑をかけられた元プロボクサーが、逃亡したり、記憶を失ったりしながらも、時効寸前で自らの無実を証明し、清廉潔白になり十数年ぶりにプロのリングに立とうとするも・・・というお話。
切ないです。




1位 復讐者の影

これはマジで悲しい話でした。
というか、これは誘拐された子の母親がマジで自業自得でしかなったですね。とにかく胸糞悪い話でした。


まとめ

以上、そんな感じで暴力の都に関して熱く語ってしまいましたが、最近ではヤンジャンアプリでも見れるようですね。
時代的に「・・・」というのもあるかもですが、今見ても普通に面白いです。こういう漫画が今無さそうだから見たいですね。
是非チェックしてみてください!


ヤングジャンプ系はまだまだたくさん書けるのですが、次回はちょっと路線を変えてママレード・ボーイについて書きます笑



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