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#516 アルバム論22|CORKSCREW / 黒夢(1998)
年ごとに、その年にリリースされた中で一番聞いた年間MVPのアルバムが存在します。
1996年はミスチルの深海でした。
1997年はハイスタのANGRY FISTでしょう。
そして、1998年は一番聞いたのはこのCORKSCREWだった記憶があります。
ちなみにこの年、ハスキンのGRIPもメッチャ聞きましたけど、リリースがこの年じゃないので選外ですし、この年リリースされたBRAHMANのA MAN OF THE WORLDもアホみたいに聞きましたが、この年1998年にはまだ聞いていないので選外です。
リリース時期と、聞いた時期が一緒じゃないと駄目なマイルールです。
前回紹介した新宿LOFTでガッツリ黒夢にハマっていた僕らに、CORKSCREWのサウンドはカッコよすぎました。
CORKSCREWをリリースした時の黒夢
![](https://assets.st-note.com/img/1704414554554-aW3mIRrdv9.png)
メチャクチャカッコよかったですね。
清さんはファッション界でしっかりと地位を築いていたのに加えて、DRUG TREATMENTでパンク色が強まり、新宿ロフトで爆発し、当時のキッズは結構みんな黒夢に憧れていました。
僕はこの頃、既にハイスタに魅了されてベースを弾いていましたが、黒夢も同じ位カッコよかったので、耳コピしたりしていました。
リリース状況で言うと、少年でグッと盛り上がり、その後にリリースされた本アルバムの先行シングルのMARIA。
このシングルはまさかの歌詞カードが無いというハレンチ極まりない仕掛けや、CDジャケットがシールになっているのも盛り上がったりしていて、オリコンでも初登場2位を記録。
かなり黒夢が来ている時期でした。
CORKSCREWの衝撃
![](https://assets.st-note.com/img/1704470624395-gQSeT2NGBO.png?width=1200)
とにかくメチャクチャカッコいいアルバムでした。
まさに「こうなって欲しい!」という我々の理想を実現するような、パンクロックの曲を集めた無敵のアルバム。
とにかくハードな曲が多く、少年以外はほとんど2分とかで終わるという徹底っぷり。
この時期はハイスタとかと並んで凄く好きでしたし、同時期にリリースされたLUNA SEAのSHINEに物足りなさを感じていた分、聞きまくりましたね。
ジャケットもカッコよく、「黒」「白」「赤」でデザインされた歌詞カードもカッコよく、マジで憧れました。
このアルバムをリアルタイムで聞けたことを誇りに思います!
CORKSCREW全曲紹介
1. MASTURBATING SMILE
前回新宿ロフトを紹介した際、再生ボタンを押したと同時にドラムのカウントが始まり、畳みかけるようにFAKE STARが始まったのが鬼カッコよかったと紹介しましたが、本アルバムも1曲目から最高に攻撃的な曲で始まります。
あえてそうしてると思いますがいきなり始まるドラムの音が若干こもっているというか、小さめなんですけど、そこから徐々に人時のベースが重なり、清さんのボーカルが入り、ギターが重なり、そこから…
「I…I Am Too Young…To Die!」のシャウト!
鳥肌が立つくらいカッコよかったですね!マジでエグい!
意味合い的には「自嘲的な笑い」とかそんな意味なんですかね?
当時のレコード会社社長を批判した曲と言う説もありますが、どの辺かわかりませんでしたが、とにかく1曲目からエグくカッコいい曲です。
エンディングは少し余韻を残すというか「え、ここで終わっちゃうの?」という所で終わり、完成しきってない形で次の曲・FASTER BEATと合わせて1つの世界と言う感じなのも凄く好きです。
BRAHMANのThat's all~There'sのような、BDBのBounce It~Blazin'みたいな感じでしょうか。分かる人は分かると思います!
ライブでもベースソロとか一区切りがついたあとの再開の1発目などで演奏されましたが、そのタイミングで聞きたい曲ですね。
2. FASTER BEAT
この曲も大好きですね。
前回のバンド論では泣く泣くBEST10選外となっておりますが、11位とか12位にいたはずですし、日によっては余裕でBEST10に入る位好きな曲ですね。
とにかく当時僕が好んできいていたメロコア調と言っていいのかは不明ですが、この曲ほど「Oi」と盛り上がれる曲もそう無いでしょう。
全体を通して凄くカッコいいです。
イントロのギターリフはかなり好みですし、「Oi」が映える感じです。
Aメロはドラムがいい感じに走り、Bメロ、サビとその勢いのまま続き、そして僕だけではなくみんなそうだと思いますが、この曲で一番熱いのは間奏。
この曲の間奏ほど盛り上がる曲を僕はそうは知りません。
そしてこの曲はカラオケで歌う時は言うまでもなく「バイビー」と言わなければいけませんね。
3. SPOON & CAFFEINE
そんな感じで怒涛の1曲目~2曲目が終わっても、清さんは全然休ませてくれません笑
またまたハードでエッジの効いた曲で、この曲も大好きですね。
「スプーン」と「カフェイン」、日常で使うワードのはずなんですけど、何かイケないグルーヴを感じさせる曲ですね。
この曲はLUNA SEAのTONIGHTにも通じるところがあるんですが、イントロからAメロまでギターのリフがずっと同じなんです。
この手の構成の曲は個人的に好きですね。
実際に演奏したい系の曲ですね。
同じフレーズが続くギターリフ、途中のベースソロ、そして「No No No!」など、カッコいい見せ場の多い曲ですね。
4. 後遺症 -aftereffect-
そして本アルバムでシングル以外では一番有名な曲「後遺症」ですね。
確かアルバム発売時のCMでもこの曲が使われていた気がします。
以前にも紹介しましたがこの曲は本当にライブで鬼盛り上がる曲です。
特にイントロが最高にカッコいい。確か当時ガーゴイルで現クロマニヨンズのKATSUJIさんが叩いているはずですが、このドラムはKATSUJIさんか満園英二にしか叩けないでしょう(ツネも叩けると思いますが)
デビュー作の「自閉症」や「SIck」にも通じる病気系の曲ですが、前曲とちょっと繋がってるかも知れません。カフェインの過剰摂取による後遺症とかそんな感じですかね。
今浮かびましたが…
とにかくこの時期の清さんがいかに油が乗っているかが分かる、最高に速くて、最高にカッコいい曲です。
5. CANDY
そして1曲目から続く攻撃的なナンバーはまだ続きます。
5曲目のCANDY、これも大好きな曲ですね。一番メロコアチックな曲はこの曲でしょう。
イントロの時点で大好きなんですけど「DIVE!」とか「RIDE!」とか、「SHA-LA-LA-LA-LA-LA」とか、「Feel Allright!I Feel Allright!」とか、叫びごたえがありすぎる曲で、疾走感ハンパないです。
サビもメロディアスで、恐らく多くの人に愛された曲では無いでしょうか。
それにしてもこのアルバム、1~5曲目の展開はマジで神です。
初聴の感情を覚えていないですが、クソテンション上がったでしょうね。
6. 少年 -screw mix-
そしてここで黒夢最大のヒットシングルでもある少年が入ります。
ラス前位に置くのがベタでしょうが、前作でLike A Angelをその位置に置いてますし、清さんは同じことしたくないでしょうからこの位置だったと思いますが、この位置でもしっくりきます。
1~5曲目までの強烈なナンバーで全力で駆け抜けて、ゴールがこの曲でA面終了的な感じもしますね。
とにかくアルバムで聞いてもカッコいい。
シンプルなギターとうねるベース、思春期特有の歌詞とメロディ。
まさに少年というタイトルに相応しい、この時代のロックシーンを代表する最高の曲ですね。
この曲のフォロワーは多かったと思います。
7. TELL
そんな感じで、鬼のような勢いで駆け抜けた本アルバムですが、この曲は完全に休憩ソングですね笑
このアルバムを引き下げて行ったツアー「CORKSCREW A GO GO」でライブを100本位やっていたと思いますが、ほとんど演奏してなかったんじゃないかなと思ってます笑
シャッフルと言うか、そんな感じの曲ですね。
ギターは結構カッコいいんですけど、まぁS.S(スキップ・ソング)です笑
8. ROCK’N’ ROLL
そしてこれもカッコいいんです。
恐らく、当時このアルバムを押す曲が前述の後遺症だったと思いますが、同じ位この曲もメンバーは愛していたんじゃないかなと思ってます。
ちなみに新宿ロフト(動画の方)で、発売前にも既に演奏されていたので、事前に聞いていたファンの方もいたでしょうね。
とにかく曲名が体現しているように、ロックな曲です。
スーサイド、スーサイドと叫び、自殺とロックンロールの関係性はあんまり分かんなかったりするんですが・・・そんな事はどうでもいいですね!
そして上級者はカラオケでこの曲を歌う時「レイザァ!」と言います笑
黒夢あるあるですね。
9. HELLO,CP ISOLATION
これもいいですね。まさかスカをやるとは思わなんだ。
ホーンも入ってますが、ライブではシレっとホーンなしで演奏しますが、脳内でホーンが補完されるという、そんな曲です。
一説によるとこの曲もレコード会社の社長を批判した曲と聞いた記憶がありますが、局名の意味が分からんのですよね。
特にCPが分からない。我々がビジネスでよく使うコストパフォーマンスとも違うでしょうし…謎ですね。
とにかく「YA!」と乗れる曲ですね。
10. YA-YA-YA!
そして続くはYA-YA-YA(ヤヤヤ)です。
チャゲアスのアレにも通じる曲ともいわれていますが、清さんは本当にYAが好きですね。
カマキリでも叫んでますし、新宿ロフトの歌詞カードでナイフ持った犬も言ってるし、この後SADSでも「Mr.YA」という曲も作りましたし、とにかく無類のYA好きです。
Aメロの入りが若干ROCK’N’ ROLLと重なるんですが、全体的にロックでいい感じの曲です。最後の速くなる所とかもいいっすね。
この曲をカラオケで上手く歌うコツは、咳もしっかりマスターすることですかね笑
11. COWBOY
そしてメロウな曲・COWBOYですね。
この曲もクソシンプルな無骨のロックンロールなんですけど、メロディにちょっとした泣きが入っていて、いい感じの曲です。
Bメロの「ストロボは人の弱さを」の所が個人的には一番好きですね。
あとは次曲に繋がる感じもいいですね。このアルバム内で一番聞かせる感じの曲で、名曲です。
12. MARIA -screw mix-
この曲は初めて聞いた時はそこまで良さに気づけなかったんですが、「あ、これがスカなんだな」とその存在を知ってから、ちょっと自分の中で奥行きと言うか深みを増して感じた曲でしたね。
前述の通り歌詞カードが無く、「歌詞カードを見ながら曲を聞きたい派」の僕にはなかなか辛い世界だったので、アルバムで歌詞と一緒に聞いて初めて理解が深まりましたね。
当時を思い出してメロウになる、そんな曲ですね。
13. KNEES TO BREAK
この曲も、前述のTELLと並んだS.Sです笑
14. LAST PLEASURE
そして最後の最後で最高に速く、最高にカッコいい曲で終わるという様式美。マジで最高です。
この曲は下手したらこのアルバムで一番好きかもなんですが、とにかくその意味の無い英語の歌詞と、ライブで盛り上がる煽り、そしてとにかくクソ早いドラムとベース、ラストのベースソロもいいですね。
サビもメロディアスで、このアルバムを象徴する攻撃的な曲ですね。
まさに最後の快楽です。
まとめ
もう25年も前の作品ですが、今聞いても普通にカッコいいですね。
多分30年、40年経っても、今と同じような感情で「かっけー」と言っているでしょうね。
それくらい当時の僕に影響を与えたアルバムでした。
そして、この時期にツアーをまるまる放送したイカした企画をWOWOWで行っており、その梅田HEAT BEATで行われたライブがYouTubeで見れます。
このライブ録画して、マジで腐るほど見てましたね…
そんな感じで98年、最高にカッコよかったのは黒夢でした。
99年も引き続き聞けると思っていましたが…続きは次回の黒夢で最後に紹介するアルバム論「EMI」で!