見出し画像

あたしの髪 〜short story〜


あたしの髪は、もじゃもじゃなの。

あたしは、あたしの髪が、だいっきらい!



ずっとイヤでイヤで、仕方がなかったの。

いわゆる、コンプレックスってやつ?






…でもね。

あることをきっかけに、あたしは気づいちゃったんだ。



ーーーーーー



ある時ね、

トリさんがあたしの頭にとまったの。


そしてね、あたしの頭の上で、タマゴをうんだんだよ。

とってもかわいい、ヒナが生まれたよ。




そして、

トリさんは、あたしにむかって

こういったの。



「フワフワのあなたの髪、とってもステキね。

ありがとう。」

って。




…あたしの髪が、ステキ…!!???

あたしは、びっくりしちゃったの。

だって、ずっとずっと、コンプレックスだったから。




でもね、

心にあった、もやもやが、

なんだかす〜っと消えていくかんじがしたの。




そのことがきっかけで、
あたしは、あたしの髪に、ちょっとだけ、自信がついたの。




そして、気づくことができたんだよ。



ほかにも、い〜っぱい
あたしの髪には“いいところ”があるんだって。




ーーーーーー



あたしの髪のいいところ。


髪に、アメ玉をかくせるの。
だから、いつでも甘いものが食べられるの。
あたしのヒミツのかくし場所。





あたしの髪のいいところ。


髪で日差しをさえぎれるの。
あたしの髪が、帽子がわりになるの。





あたしの髪のいいところ。


髪のボリュームのおかげで
かおがちっちゃく、みえるのよ。





あたしの髪のいいところ。


頭をぶつけても、髪がクッションになってくれるの。
あたしを守る、ヘルメットになるの。



ーーーーーー



…あたしの髪には、
こんなにたくさん、いいところがあるの。





だからね。





あたしは、あたしの髪が大のお気にいり!!



…うらやましいでしょ?

ふふっ!






おしまい。



いいなと思ったら応援しよう!

ぼっさん
最後まで読んでくださり、ありがとうございます(^O^) スキやコメントしていただけたら、とても嬉しいです! やる気が出るので、また記事を書く活力になります。 生きるの大変ですが、みなさんの優しさにいつも救われています。 いつもありがとうございます。