ブラックバードカタルシス/The Birthday

楽曲とMV、聴覚と視覚の情報から自然と触角や嗅覚にまで訴えかけてきそうな、そんな一曲。

ブラックバードカタルシス/The Birthday

紡がれる歌詞から見えてくる風景の中で吹く風は少し肌寒くて、それはブラックバードが風を切りながら飛んでいく風の冷たさと同じで。

目に見える風景に少し心を留める僕は、その冷たい風の中を冬の装いで歩く。冷たい風の中だからこそ感じる温もりがあって、その温もりこそカタルシス(＝心の浄化)なのかなって。

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The Birthdayは、近年特にそう思うけど、絶妙のバランスだと思う。

バンドの音以外極力介さないThe Birthdayの音世界って、バンドメンバーから感じる見た目の、少し不器用で、武骨な感じそのままなのに、すごく繊細なところの表現まで感じ取れる。これはメロディーの良さが成せるものなのか。普通ならいろんな効果を使って描き出すであろう世界観を極力素材をそぎ落として、普通の人が出来ないところまで表現してしまうのは、このキャリアの人たちじゃないと出来ない業だと思う。

単に渋いという一言では表現しきれない、この年代の人たちが辿り着いた感覚と、僕ら世代でも感じるノスタルジーみたいなものが混在していて。

嗚呼…良い。

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