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-太陽とイカロス- BUCK-TICK

イカロス:ギリシア神話に出てくる登場人物。
蜜蝋で固めた翼によって自由自在に飛翔する能力を得るが、太陽に接近しすぎたことで蝋が溶けて翼がなくなり、墜落して死を迎えた…

上記はWikipediaの説明。上記の説明の背景はもっとあるんだろうけど割愛。

イカロスって言葉は知ってるけど意味は知らないなと思って調べてみたら曲の聴こえ方が変わってきた。

元々は人間の傲慢さが自らを破滅に導くという戒めの意味もあったけど、反面勇気の象徴として表している例もある…と…。

曲はもう突き抜けてポップ。突き抜けるような青空のもと、「太陽だ!イカロス」と高らかに歌う様はまさに希望そのものが感じられる。でもイカロスには前述のような側面もあるわけで。

「青イ空ヲ 何処マデモ行コウ 鳥ニナッテ 風トナッテ サア逝コウ
悲シクハ無イ コレデ自由ダ 涙ガ ボロボロ ボロ 零レ タ」

元々は捕まっていたところから蝋の翼で逃げ出すんだよね?でも結局太陽の熱で翼が溶けて墜落死してしまう…でもその結末さえ、いろんなしがらみから解き放たれたからか、死を「悲シクハ無イ コレデ自由ダ」と新たな旅立ちに捉えているのか…いや、そもそもこの時点では死という認識をしていない?まだそこに希望を見出しているのか…「死」を新たな旅立ち、もっとファンタジーみたいな、と言ってた「die」にも通ずる視点のような気もする。

でも"悲シクハ無イ"と歌うということはつまりその事実自体、はたから見ると悲しいはず、実際に最後一節だけ"悲シイケド コレデ自由ダ"って歌うところがあるんだよね。ここで死や終わりに対して少し本音が出るんだ。


イカロスの話が「人間の傲慢さが自らを破滅に導くという戒めの意味」もあったと書いたけど、これ今の現実世界に向けての側面もあるんだろうなって。
核投入をもじさない姿勢で戦う様子、この争いの様子こそ人間の傲慢さの結果なんじゃないかとか。

戦争を仕掛ける側にもそれを正義と思っている人間もいるだろうし、でも結局それによって人の命を奪うことは間違ってる、結果そうじゃないだろっていう方向にならないとダメで、仮にこのような側面があったとして間違いなくBUCK-TICKはそれを間違いだと言ってくれるバンドだけど。
「太陽だイカロス!」って言葉が結構強く響くから、曲の世界観だと歌詞にそこまでの内容を含んでるとは思いにくいけど、イカロスってワードに上記側面があるとなるといろいろ考えてしまう。

ここで目にとまったのが「アナタニ会イニ行クヨ」っていうフレーズ。
真っ先に「さよならシェルター」が思い浮かんだ。

さよならシェルター
「今夜 静かに眠る あなたに会いに行く 必ず」
「あのシェルターで待っていて」

この主人公は違う世界線の同一人物なんじゃないかって思ってしまった。
「止まない雨 夢ならいいね
あなたを抱き締めていたいけど
誰かが僕らを殺しに 来るよ」

「冷たい雨 嘘ならいいね
あなたを抱き締めていたいけど
わたしは誰かを殺しに 行くの」

「狂っている 狂っているよ」

これって争いを仕掛ける側と仕掛けられる側を描いているのか、どちらにしても狂っていると…

イカロスって言葉が持っている二面性、人間の傲慢さが破滅に導くという側面と勇気の象徴であるという点、戦争を仕掛ける側仕掛けられた側それぞれの正義、「悲シクハ無イ(悲シイケド)コレデ自由ダ」という言葉が持つ悲しみと未来への希望。

この2曲に繋がりがあるかなんて分からないけど同じバンドから発せられる言葉だし、主張したいことが一貫していることは分かる。

やっぱりすがりたいのは希望。例え悲しみ、負の側面を持っていたとしてもそれは僕らが希望と言うものの存在を認識しているから悲しむ。やっぱり根底にあるのは希望。音が物語ってるけどこの曲はその根底を理解した上で悲しみや辛さも希望に変えてくれる曲だと思う。BUCK-TICKは悲しみを孕んだ内容を優しさのオブラートで包んで形にするのが非常に上手い。それでも前を向こうと、希望を提示してくれる。

#太陽とイカロス #BUCKTICK #BT #櫻井敦司 #今井寿 #星野英彦 #樋口豊 #ヤガミトール #異空 #さよならシェルター

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