運動会からスポーツフェスタへ
先週は長男(小学校2年生)の学校の「スポーツフェスタ」に行ってきました。「運動会」から名前が「スポーツフェスタ」に変わったことにも違和感がありましたが、行われる演技項目や競技種目にもちょっと違和感。
もうすぐ40歳になる私が小学校の時には、まだ、騎馬戦、綱引き、玉入れ、徒競走、リレーなどの競技があって、演技は、組体操があって、そして、お弁当を食べて一日がかりのイベントとして行われていました。
コロナの影響や、体育からスポーツへと時代が変わっていく中で、今は、徒競走とリレーだけは残っているものの、それ以外は、1年生と6年生のペア競技のように他学年が交流するペア競技が主流のようで、半日で終わる短い内容になっています。
午前中で終わる運動会が増加「主流になる」「物足りない」保護者からは賛否の声〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
まず、運動会やスポーツフェスタが5月に行われるようになった背景は、
1.10月に行われる場合、残暑の中での練習が行われるため、熱中症の
リスクが高い
2.行事が秋に集まる傾向にあるので、他の月に分散させる。
3.クラス替えの後のクラスの結束力を高める
などなど、いろいろな要素があると思うが、熱中症のリスクを避けることが一番のメリットなのだと個人的には思っている。それはそれでいいとは思うが、学年が変わって約2カ月ぐらいで行われる演技パフォーマンスはやはりあまり完成されたものではない。特に高学年の演技は私が小学校の低学年や中学年の時に感じた高学年の演技を見たときの感動とはほぼほぼ遠いものだった。
そもそも感動が必要かどうかという問題もある。スポーツフェスタと言っている以上スポーツは参加することに意味があるのだから。やはり子どもたちにパフォーマンスを求めてはいけないのかとも思う。
そして、もう一つ感じたことは、徒競走にある。
子どもたちの走りがめちゃめちゃだということ。これは、高学年で身長が伸びて、自分の手足が思うように動かなくてぎこちなく見えるということではなくて、低学年も中学年も、成長に関係なくとにかく走りがおかしい。
私が言っているのは、かけっこ教室で行われるような、100m走のスプリターが走るようなフォームで走れていないと言っているわけではないし、そのようなことを求めているわけではない。
言葉で説明するのは難しいのだが、上肢の動きの違和感がすごかった。
これは、上肢を使う体験の不足が原因ではないかと個人的には思っている。
上肢の発達が不十分で、走りのフォームにかなりの違和感を与えているのだと。
徒競走を走る子どもたちの靴をみると、テープタイプ、結ばない紐の靴やスリッポンタイプのもので走っている子どももいた。低学年ではなく高学年のほとんどの子どもたちが紐靴を履いていない。
これが今の子どもたちの現状だ。
たぶん今の子どもたちは運動会の種目ができる身体の準備状態にないのかもしれない。「スポーツフェスタ」で、半日で終わらないと、一日中運動会なんて体力も持たないのかもしれない。そんなことを思ってしまった。
昭和がいい時代だったかは置いておいて、昭和は、いろいろな大手の企業でも、町内会でも大人の運動会がよく開催され、運動会を開催するための業者もあるほどだった。昭和は運動というものが身近にあったし、運動会にも勢いというものがあった。活気があった。
令和に入って日本という国の勢いのなさと、運動はやはり結びついているように感じてしまう。
国の勢い活力はやはり運動にあるのではないかと。
だからドイツは体育や体操の必要性を感じていたんだと。
令和時代の子どもたちの運動は本当にVRやAIに頼っていていいのだろうか?
そんなことを、スポーツフェスタを見て感じる。