第12話 白い顔
子供は自分の状態を把握できないし説明もできない。
外に遊びに行くと、ずーっと走り回っている。
体が疲れているのも知らずに、夢中に一生懸命に。
帰る時に、疲れを自覚した時にはもう眠ってる、車の中や僕の背中で。
体調が悪い時も、本人たちはわからない、説明ができない。
小学1年生のひーくんは、食欲が旺盛だ。特に麺類は。
もう、大人の大盛りだってペロリと食べてしまう。
そんなひーくんは、よく胃腸炎にもなる。
いつもよく食べて、食べ終わった後、ゲームしていい?って聞いてくるのに。
静かだなって思うと、ソファでぐったりしてて、いつもは血色のいい顔も白粉塗ったみたいに真っ白になってる。
「えぇぇ、白いよ、ひーくん、大丈夫?」
ときくと、
「うーん、大丈夫……いや、ちょっと大丈夫じゃないかも?」
と返ってくる。
胃腸炎の時は、よくなるまで水分メインの絶食にすると、外見でわかってしまうほど、いつもは子供らしい体が瞬時に貧相な体つきになる。
子供は、自分のことを説明できない、でも、驚くほど分かりやすい、そんな一面もある。