自分フィルタという強味
自分の作風は心のどこかで「いつも同じだなぁ……」と思うことがあります。何を作っても「似た」感じに仕上がってしまうんです。若いときはそれを壊したくてたまりませんでした。
でもさいきんは「自分フィルタ」という感覚が強くなっています。何をやっても同じなら、対象を変えれば良いんです。神仏も妖怪もロボットさえも「こうゆう風」に仕上がる強味。弱味から強味に変わったとたん楽しくて仕方なりました。
線、色味、抜け感……これは誰にも真似できないことですよ。と、作家仲間たちに絶賛されたことがあります。最初はお世辞かと思っていました。とあるモチーフをそれぞれで作って鑑賞会をしようということになりました。そこには作家それぞれの名作が並びました。
作家は「自分フィルタ」を持っているもの……この経験が今の作品バラエティに繋がっています。